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隠れチート、見つけました  作者: トニーひろし
第1章 異世界転移編
5/33

第5話予測不可能なことが起こりました。

次回は明日の12時過ぎに第6話掲載予定です。

これからもよろしくお願いします。







 5分程歩くと高橋と宮田と三宅と鉢合わせた。隠しスキルを得た事でかなり強くはなったが、眷属まだ創ってないんだよな。早く創りたいのに!

 今の気分は最悪だ。

 勿論、向こうはニヤニヤと近付いてくる。


「おう、チューニ君じゃねーか」

「あははっ! いいスキル手にいれたのー?」

「お前には無理だろ! ってかお前勇者って柄じゃねーだろ。地球に帰れ!」

「⋯⋯⋯⋯」


 めんどくさい奴らだなぁ。ちょっと力を手に入れただけで天狗か。先が思いやられる。

 俺が無視して歩き出すと、宮田が肩を掴んで来た。


「ちょっと、何無視してんのよ!」

「⋯⋯⋯⋯」


 さらに無視すると、今度は高橋が俺に蹴りを放った。


「――っ!?」


 内心かなり焦った。

 しかし、その蹴りは俺の顔面に当たる寸前で⋯⋯高橋がバランスを崩してコケた。

 恐らく【神々の寵愛】のスキルが働いたのだろう。伝説級スキルも神級スキルと同じでチートスキルだな。グッジョブだ。

 思ったがこのまま突っ立っているだけでも攻撃はかすりもしないだろう。


「うわっ! だっさー」

「今のはちょっとっ⋯⋯!」


 高橋が盛大にコケた事に宮田は爆笑し、三宅は笑いを必死に堪えている。


「何だよ! てめえら」


 高橋がその2人を見て、ドスを利かせる。

 しかし、2人とも笑いが止まらない。因みに俺も心の中で笑い転げていた。

 一方、高橋は今のが俺のスキルなのかそれともただ自分が体重を崩したのか理解出来ない様子であった。


「糞が!」


 それが高橋を恐怖させるのだろう。睨んできてはいるが、高橋の顔が若干強張っている。

 そして、三宅は高橋の心情を読んだのか、高橋を煽り出す。


「まさか、チューニ相手にビビってんのか」

「あん! そんなわけねぇよ」

「ははは、顔が引きつってるぜ」

「んなわけねぇーだろ!」


 軽い言い合いが始まる。

 そして、最終的には喧嘩になってしまった。


「⋯⋯めんどくさい奴らだ」


 もう絡んでは来る余裕はないだろうと思った俺は静かにその場から立ち去ったのだった。



***



 更にそこから15分後。

 俺は自分の部屋へ到着した。

 王城は広くて部屋まで迷いそうになったが、【物体会話】のスキルを持っている俺にはとくに問題はなかった。

 王城の壁に部屋までの経路を教えてもらったのだ。

 今回話しかけた壁は王城の壁だけあって話し方に品があった。

 ――これからも【物体会話】は色々な所で役に立ちそうだな。

 俺は部屋に備え付けてあった紙とペンを手にとって素早く自分の創りたい眷属の特徴を箇条書きで書いていく。

 ――創る時に特徴をど忘れしても困る。何事にも準備は必要だ。

 カリカリッ、カリ!

 その音を最後に俺はペンを止めた。

 念のためにも見直しておこう。



***



・ドラゴン系の魔物。

・ステータスは平均的に高く、戦闘で無類の強さを発揮する。

・知能は高く、人語を話せる方がいい。

・人の姿に変化できるスキルが欲しい。



***



 創る眷属のステータスに深く干渉出来ない【眷属創造】で、人の姿に変化出来るスキルを眷属が持つかどうかは正直微妙な所だ。スキル1個や2個の付与は『深く』にあたるか分からないからだ。

 だが、それ以外は大丈夫だろう。何となくだが、そう感じた。

 準備もしたし、早速始めるか。

 俺は右手を前に突き出し、自身のスキルを発動させる。


「――ッ!?」


 次の瞬間、俺の手の先から目を開ける事が出来ない程まばゆい光が溢れ出した。

 俺はその間、休みなく心の中で紙に書いたことをとなえていた。

 ――ドラゴン系の魔物。ステータスは平均的に高く、戦闘で無類の強さを発揮する。知能は高く、人語を話せる方がいい。人の姿に変化できるスキルが欲しい。ドラゴン系の魔物。ステータスは平均的に高く、戦闘で無類の強さを発揮する。知能は高く、人語を話せる方がいい。人の姿に変化できるスキルが欲しい。ドラゴン系の魔物。ステータスは平均的に高く、戦闘で無類の強さを発揮する。知能は高く、人語を話せる方がいい。人の姿に変化できるスキルが欲しい。

 3回唱えた所で光が徐々に消えていく。もう唱えても意味ないだろう。

 しかし、俺は目をつぶりながら唱え続ける。

 ――側から見たらキチガイと思われるかも知れないが、それがどうした。俺は今が真剣なんだ。

 そんな事を心の中で叫んでいると遂に光が完全に消えた。

 恐る恐る目を開けてみる。

 するとそこには⋯⋯見た目10歳程の幼女がいた。

 髪が白銀で目は空色である。そして、黒いメイド服を纏った彼女の顔立ちは整っており、子供らしくニッコリ笑っているのに独特のオーラを漂わせていた。


「⋯⋯⋯⋯」


 予想外すぎて俺は固まる。神でもこの状況を予想出来ないだろうなと俺は思った。


「マスター⋯⋯?」


 そしてその状況を見て、目を丸くする幼女。大変可愛らしいですなと叫びたくなるのを俺は我慢する。

 どうやら俺の反応に困っているようだ。これは俺から話しかけた方が良さそうだな。


「ゴメン、ゴメン。君が俺の1人目の眷属だ。自己紹介を軽くして欲しい」


 そう俺が言うと、彼女は少しだけ考え込む仕草をした。そんな姿も可愛らしい。

 そして考えが纏ったのか彼女はこちらを向いた。


「私の名前はフィンです。種族名は龍神ディアボロス。この種族はマスターによって創られた種族で多分ドラゴン系の魔物の中では最強の種族だと思います。龍の神ですから。よろしくお願いします」


 そういって幼女がペコリと頭を下げる。

 えっ、この子がドラゴン系の魔物だって? 全くそうは見えない。

 見た目は人間だしなー。


「本当にドラゴン系の魔物なのか? 見た目が人間だから悪魔系か亜人系と思ったよ」

「今は人間に変化していますから」


 フィンは得意げな顔で言う。


「人間に変化出来るスキルを持っているのか?」

「はい、【人身変化】というスキルです。私のステータスを見ますか?」

「是非見せてもらおう。だが、俺はフィンのステータスの見方を知らない」

「見方は名前を呼んでその後『ステータス』って言うだけですよ。私の場合は『フィン、ステータス』ですね」


 フィンがそう答える。

 フィンはニコニコしていて機嫌が良さそうだ。


「フィン、ステータス!」


 俺はフィンに言われた通りに言ったのだった。



















次回は明日の12時過ぎに第6話掲載予定です。

これからもよろしくお願いします。


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