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隠れチート、見つけました  作者: トニーひろし
第2章 商いの町ホノル編
28/33

第28話ギルドマスターと交渉しました。

次回は明日の12時過ぎに第29話掲載予定です。

ブクマ、感想、評価、レビューも出来ればよろしくお願いします。

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こちらもよろしくお願いします。






 ユリアさんが目を見開く。


「きょ、巨竜ベリムが北の森に現れたー!?」


 冒険者ギルドにユリアさんの大声が響いた。

 ユリアさんの顔が真っ青になって、額には脂汗が光る。


「「「――っ!?」」」


 他の冒険者達もその声につられて一気にこちらを見る。

 どいつもこいつもすごく驚いた表情をしている。

 それもその筈だ。巨竜ベリムなんて最上級の魔物はここら辺で発見されたことは今までに1度もなかったからだ。

 そして、当然そいつらは浮き足立つ。


「やばいんじゃねーか?」

「ああ、そんなんがここを襲ったら⋯⋯」

「ひとたまりもないわね⋯⋯」

「どうするんだよ、ジュリー!?」

「私達の人生はもうおしまいかも、ケリー!」

「ヤバイよヤバイよヤバイよ!」

「あはっはっはっは! こいつの慌てようがウケるー」

「そうだなー。ってそうじゃねーよ」

「近くの町に助けを求める? いや、それじゃあ遅すぎる! ここの全戦力で迎え撃つ? ダメだ、30分も持たない! 全員で自殺する? それは殺される恐怖から逃げているだけで根本的な解決になっていなーい! どうすればいいんだー!?」

「もうダメだ! おしまいだ!」

「やめろ! 死にたくなーい!」


 ――おい、なんかベ○ータと偽ア○ギがいたような気がするが気のせいか!?

 まあ、一旦騒ぎを鎮めよう。


「大丈夫ですよ、俺たちが討伐したんで」


 俺が大きな声で言う。

 すると騒ぎが一瞬で収まった。

 かわりにユリアさんも含めて皆がポカンとしたマヌケな表情でこちらを見てくる。


「巨竜ベリムを討伐した?」

「ああ。素材を売りたいんだが1つ1つがデカイから、外で出した方がいいのか?」

「ちょ、ちょっと待ってください! 私の頭が追いついていきません」

「今言ったままなんだけどな」


 いつも冷静沈着なユリアさんが焦っている。

 ――反応が新鮮で面白い。


「私では対処出来ません! ギルドマスターを呼んで来ます」

「そうですか、じゃあお願いします」


 ユリアさんはそう言って奥の方へ走っていった。

 少しカウンター前で待っていると、ユリアさんが大剣を背負った大男を連れて来た。その男は色黒のゴリマッチョで左腕には大きな十字傷がある。

 ギルドマスターのグルドだ。


「ヒロユキ・オオサコ、巨竜ベリムを倒したのは本当か?」

「ああ、それがどうかしたのか?」

「巨竜ベリムは伝説の魔物の1体で、その強さは魔物の中で最上級のものだ。偶然で倒せるほど甘い相手ではない」

「ああ、実力だ」

「⋯⋯⋯⋯」

「⋯⋯⋯⋯」


少しの間互いに無言になる。グルドは険しい表情を崩さない。


「分かった。だが、素材はギルドの中でしよう。外でやると騒ぎになってしまう。ヒロユキ、それとユリアもこっちに来い」


 そう言ってグルドはギルドの奥の方に行った。

 グルドを見失わないように俺も後をついて行く。ユリアさんは俺達の後ろをテクテクとついて来たのだった。



***



 広い空き部屋の中でグルドとユリアさんは戦慄していた。

 グルドは鑑定メガネという【素材鑑定】が付与された特殊なメガネをつけて、素材を鑑定したのだ。


「こ、これは紛れもない巨竜ベリムの素材!」

「本当ですか!? す、凄いです、ヒロユキさん!」


 2人とも凄い驚きようだ。

 ――さては信用してなかったな。


「まあ、俺の従魔達が頑張ってくれたんだよ。ありがとな」

「いえいえ、マスターのおかげで仕留めることが出来ました」

「べ、別にヒロユキのために頑張ったわけじゃねーんだからな」

「我らは主のために敵を倒しただけである」

「レイナもレオンももっとマスターを立てなさいよ!」


 眷属達がそれぞれ反応を示す。

 うん、レイナのツンデレとフィンの堅物は相変わらずだな。

 やっぱり可愛いな。見ていて顔が緩む。

 ――さて、交渉を始めるか。


「取り敢えず、この素材を全部ギルドに『差しあげよう』と思うのだ」

「「――っ!?」」


 グルドとユリアさんが息をのむ。

 この言葉は流石に想定外だったようだ。


「どういう事だ?」


 そう言ってグルドは目を細める。こちらの意図が読めないから疑っているのだろう。


「勿論タダじゃないですよ。俺の冒険者ランクをAランクに上げてもらえるならです」


 冒険者ランクはCランクから上がりにくくなるそうだ。

 その証拠にDランクからCランク上昇は平均で1年くらいだが、CランクからBランク上昇の最短記録は2年半で、BランクからAランク上昇の最短記録は5年3ヶ月だそうだ。

 Cランク以降、冒険者ランクを1ランク上げるためには様々な同ランクの依頼をこなす必要があるためだ。

 ランク昇格が厳しいせいか、最高ランクのSランク冒険者は現在5人しかいない。


「俺は早く東に行きたいからな」

「なるほどな⋯⋯」


 俺が冒険者ランクにこだわる理由は『バート』の東側、つまり邪神領に簡単に行くためだ。

 魔物の強さは東側に行くに連れて上がっていき、東側の冒険者達は高ランクの者が多い。そして、依頼も高ランクばかりだ。Cランクのようなランクでは仕事がないような地域も実際に存在する。

 Cランクでは心許ないのだ。

 王城を出る前に宝物庫の物品を盗んだ事が露見して、捜索隊とかが来る可能性もある。出来るだけ早くこの国から出たい。


「ここが『最西端の国にある町』という事を知ってそんなことを言っているのか?」

「ああ、かなり無茶を言っていると思う。だから、それに釣り合う素材を提示しているだろ」

「むうううっ」


 グルドが唸る。

 巨竜ベリムの素材は喉から手が出るほど欲しいが、ここは『バート』の最西端に近い町。Aランク昇格をおいそれと出来る立場ではないのだ。

 Cランク以降のランク昇格はギルド本部で協議が行われる。そして恐らくというかほぼ100パーセント昇格はできないだろう。

 登録したばかりの新参者がCランクまで一気に昇格した事が既に異例だというのにそれ以上の特例をそう簡単に許すはずがない。

 ――かなりの根回しが必要なはずだ。さて、グルドはどう出るかな?

 少しの間、静寂に包まれる。


「よし、いいだろう。Aランクに昇格させてやる」

「意外だな。『昇格させてやる』って言い切れるのか?」

「ああ、ギルド本部には知り合いが何人かいるからな。多分大丈夫だ。Sは流石に無理だが」

「それは分かっている、ギルド長。期待通りの返事でよかった。素材の受け渡しは昇格してからでいいか?」

「ああ、それで構わない」

「なら俺は帰らせてもらう」


 交渉は上手く行った。

 金は腐るほどあるからいらないんだよな。マジで決裂した時どうしようかと思ったぜ。

 そう思いホッとしながら空き部屋を後にした。




















次回は明日の12時過ぎに第29話掲載予定です。

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