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隠れチート、見つけました  作者: トニーひろし
第2章 商いの町ホノル編
27/33

第27話バトルに突入しました。

次回は明日の12時過ぎに第28話掲載予定です。

ブクマ、感想、評価、レビューも出来ればよろしくお願いします。






 巨竜ベリム。

 そのドラゴンは古代から存在する種族で、伝説の魔物とされている。

 討伐するにはSランク冒険者が10人以上必要と言われており、町の1つや2つは1日もかからず滅ぼしてしまうだろう。

 そんな伝説の魔物が無防備に寝ているのだ。

 先制攻撃を全力で繰り出して、混乱している間に戦いを終わらせるのがセオリーだ。


「こいつ起きねぇな」

「本気を出したら一瞬で殺してしまいそうです」

「我のレベルはそこまで高くないのである。多分死なないである」

「けど、無防備な相手に攻撃を仕掛けるのはなんか嫌だな。そのせいで負けたんだなんて言われたら癪だしな」

「それはそうであるな」


 おいおい、死人に口なしだぞ。


「ならレイナの【水魔法】ウォーターボールを頭の上からぶっかけて起こすのはどうです?」

「それだ!」

「それである!」


 しかし俺の眷属達はどうやってベリムを起こすのかを話し合っていた。

 なんでそうなるんだよ! と心の中で叫ぶ。


「レイナのエクスティンクトボールで一撃で決めてしまえよ」


 エクスティンクトボールは現在、レイナが発動できる最強の攻撃魔法である。

 【七属性魔法】のすべての魔法を均等に加えると『どんな物をも消滅させる何か』になる。

 それを球体にして、相手に放ち、完全消滅させる魔法がエクスティンクトボールだ。

 俺は1度それを見たことがあるが、とてもじゃないが耐えられる攻撃ではなかった。

 あの魔法は魔法防御の数値が高ければ防げるというようなな生易しいものではなかった。

 『常識』の域を超えた魔法だった。

 その代わりと言っては何だが、極めて高度な魔法のため消費魔力量が多くなり、魔力制御が難しい。よって大きな球体は作れないようだ。


「それ使ったら一撃で決まってしまうだろ!」

「私達も遊びたいです」

「我ももう少しまともな戦いがしたいである」

「もっと緊張感持てよ⋯⋯」


 ため息が漏れる。

 こいつらの相手ではないのは確かだが、この舐めプはどうにかならないだろうか。

 俺ももっと強くなったらこうなるのかもしれない。


「グオオッ!」

「「「「――っ!?」」」」


 低い声がベリムの方から聞こえた。

 俺たちは即座にベリムの方を見る。

 するとそこには目をこすって起き上がるベリムの姿があった。


「グギャアアアアア!」


 ベリムが咆哮する。

 それだけで周りに転がる木々が吹っ飛んだ。

 俺も飛ばされそうだ。

 そんな中、俺の前で笑っている奴が3体。


「せいぜい楽しませてください」

「頼むぜ! ほんと」

「行くである!」


 最後のレオンの言葉を皮切りに戦闘が始まったのだった。



***



 まず、フィンが銀色の巨大な東洋型の龍に変化する。

 目は空色で、体には傷一つない。神々しい姿だ。これが本来のフィンの姿か。


「まず一撃!」


 フィンが口から巨大で真っ赤な火球を吐く。

 まるで太陽のような火球がベリムに向かう。


「――グオッ!?」


 その炎でベリムの右半身が焦げたのだった。

 ベリムは怒り狂ったようで、こちらに飛んできた。


「次は俺だ! フルバースト!」


 即座に悪魔の姿に戻ったレイナが『フルバースト』を放つ。

 『フルバースト』は様々な属性魔法の乱れ打ちである。火、水、雷、土、氷、光、闇属性のビームがレイナの後ろに展開されている魔法陣から発射されている。

 ドドドドドドドッ!

 様々な色のビームが飛んでいるベリムに突き刺さっていく。


「ガアアアアアアアア!」


 今の一撃が大ダメージだったのかベリムは空から落ちた。

 ズドン!

 まるで巨大地震が起こっているかのようなすごい振動だ。


「我も行くである!」


 そういう漆黒の巨大獅子のレオンは体に【超身体強化魔法】の魔法を使った後、雷を纏った。

 レオンがベリムの方へ弾丸のような速度で駆ける。

 そしてそのままの勢いで衝突した。

 レオンとベリムはベリムの方が体が圧倒的に大きい。おそらく体重もだ。

 これってレオンの方が吹っ飛ばされるんじゃないのか?

 ふとそう思ったのだった。

 ドコン!

 レオンとベリムが衝突する。

 そして、宙を舞ったのは⋯⋯ベリムの方だった。


「どして!?」


 俺は思わず大声をあげたのだった。

 そのまま木をなぎ倒しながら止まる。


「グ⋯⋯オッ!」


 うめき声をあげた後、ベリムは満身創痍で光の粒子となる。


「えっ!? まだ全力出してないんですけど」

「おいおい、早すぎだろ」

「一撃しか攻撃してないである」


 その様子を見て、眷属達が焦り出す。

 3人とも不完全燃焼といった感じだ。


「まあ、こんなもんだろ」


 俺が独りごちる。

 むしろここまで耐えられたことに賞賛したい。

 フィンもレイナとレオンもここに来るまでに戦いでかなりレベルアップしている。

 フィンとレイナのステータスチェックは王城を出発する時からしていない。そしてレオンも創った時からしていない。

 俺は自分も含めてどのくらい強くなったのか気になるのだった。


「取り敢えず、この事をギルドに報告しに帰るか」

「そうですね。またマスターの冒険者ランクが上がりそうです」

「よかったな、ヒロユキ!」

「おめでとうである。主」


 やけに嬉しそうに3人とも言う。


「いや、まだ昇格するとは決まってないから。ぬか喜びだけは嫌なんだー」


 俺はそう大声で言ったのだった。



















次回は明日の12時過ぎに第28話掲載予定です。

ブクマ、感想、評価、レビューも出来ればよろしくお願いします。

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