表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
隠れチート、見つけました  作者: トニーひろし
第2章 商いの町ホノル編
23/33

第23話テンプレを体験しました。

次回は明後日の12時過ぎに第24話掲載予定です。

ブクマ、感想、評価、レビューも出来ればよろしくお願いします。






「次の方どうぞ!」


 凛とした受付嬢の声が聞こえる。

 おっと、次はいよいよ俺たちか。

 俺たちは受付嬢がいるカウンターに向かう。

 俺たちを呼んだ受付嬢は7人の受付嬢の中で1番右端の女性だった。


「他の受付嬢も全員女性なのか」


 男の方が冒険者として活動する人が多いからだろな。

 そう思いながらカウンターの方に歩いていく。


「むっ⋯⋯」


 そしてカウンターに近づくとあることに気づく。

 ――この受付嬢、とても美人だ。

 顔は美人系で目の色は薄い紫色。髪は翡翠色で長く、スレンダーな体型だ。そして、独特の落ち着いた雰囲気もまた良い!


「マスター?」

「ヒロユキ?」


 顔に考えが出てしまっていたようだ。

 横にいる2人の視線が痛い。


「受付嬢のユリアです。ご用件はなんでしょうか?」

「冒険者登録をしたいんだが」


 一旦落ち着いてユリアさんに言う。

 そう言うとユリアさんの目が少し大きく開いた。


「冒険者登録をまだされた事がないとは珍しいですね」

「魔物に追われて落としてしまったんだ」

「なるほど、そう言う事でしたか」


 そう言って、ユリアさんは奥からペンと1枚の紙を持ってきた。


「これに必要事項を記入してください」


 俺はその用紙に順番に記入していく。

 冒険者カードに必要な情報なのだろう。

 ――よしそろそろか。


「レイナ頼む」

「任せとけ!」


 クワッ!

 レイナが目を見開いてスキル【幻魔魔法】発動させる。

 そして、ユリアさんに幻術をかけた。

 レイナの【幻魔魔法】で、今、ユリアさんには『発行か再発行か丸を付けろ』という項目で『再発行』に丸がついているように見えているはずだ。

 実際には『発行』に丸をつけているが。

 再発行するには前の冒険者カードの記録を全て消さなければならない。

 しかし、俺には冒険者ギルドで冒険者登録した記録がない。つまり、『魔物に追われて落としてしまった』という言い訳が嘘だとバレてしまうのだ。

 これを阻止するにはユリアさんに幻術にかけて幻を見せるしかなかったのだ。これは冒険者登録をするのはユリアではなく事務員であるからこそできる作戦だ。

 そして完成した冒険者カードは『冒険者カード受け取り口』という別の窓口から受け取るようだ。

 ――これは実に好都合だ。

 一度、事務室らしき所に紙を提出すれば、もうユリアさんの目に入ることはないのだから疑われずに回収できる。


「書き終わりました」


 そんなことを考えながら、適当にペンを進ませていると全項目を書き終えていた。


「分かりました。冒険者登録もされたことですし、もう一度冒険者の説明を受けられますか?」

「いや、大丈夫だ」


 そこら辺の情報は【ヘルプ】のスキルを使えば問題ない。


「分かりました。それなら1時間後に、『冒険者カード受け取り口』から冒険者カードを受け取ってください」

「分かった。ところでこの町でいい宿屋はないだろうか?」

「⋯⋯私個人の意見ですがよろしいですか?」

「構わないよ」


ユリアさんは少し考えるような仕草を見せた。


「ギルドの前の道を西の方に進んでから2つ目の交差点を右に曲がってください。満足亭という宿屋があります。安くて、そこそこ良いサービスというコスパの良い宿屋だと思います」

「それは良い。ありがt」

「おい、テメェ! いつまで喋ってやがる!」


 いきなりそんな怒声が俺の後ろの方から響いた。

 俺は驚いて振り返る。

 そこにはガラの悪い大男がいた。


「もやしがユリアさんと長々と話しをしやがって! さっさと変わりやがれ!」

「マスター相手に何命令しているんですか?」

「ギャアギャアうるさいっての」


 フィンとレイナの目が少し細くなる。

 俺を貶されて怒っているようだ。

 ――というかこの世界にももやしってあるんだな。


「黙れ! おいお前、この後訓練所に来い! 冒険者がどういうものか教えてやるぜ! 勿論、有り金全部置いていってもらうがな!」

「断る!」


 ――最近強くなったからか、厳つい奴を見てもびびらなくなったな。

 そう感心するほど鋭い一言だった。


「おいおい、ゼアがまた新人イビリしてるぞ」

「ユリアさんはゼアのお気に入りだからな。余計頭にきたんだろ」

「またかよ。先月は2人も新人が辞めたぜ」

「あいつもゼアに目をつけられて御愁傷様だな」

「そうか、断るなんて肝が座ってるじゃないか。ゼアが返り討ちになる方に俺は賭けるね」

「おいおい、冗談だろ」

「勿論」

「一応この後ギルドマスターを呼ぶか」


 周りからそんな小声が聞こえた。

 この周囲の反応を見ると、このゼアというと男はそこそこ強いようだ。

 因みに、ユリアさんや他のギルド職員は何も干渉する気がないようだ。ギルドは冒険者同士の揉め事には干渉できないという規則があるからだ。


「⋯⋯⋯⋯」


 ユリアさんは俺を心配するような送ってくる。

 ――俺はこんな野郎には負けないから大丈夫だ。


「俺はCランク冒険者のゼアだぞ。それが分かって言っているのか?」

「お前のランクに全くもって興味がない」

「餓鬼が舐めやがって! 今すぐにでも躾けてやるぜ!」


 そう言って殴りかかってくる。


「「⋯⋯⋯⋯」」


 それと同時にフィンとレイナの顔がマジになる。

 フィンとレイナは殺る気だ。


「フィン、レイナ、動くな!」

「マスター!?」

「しゃーないな」


 確かに鬱陶しいおっさんだが、、、テンプレの機会を逃したくない。

 ゼアはニヤッと笑い、右拳を固めて殴りかかってくる。

 俺はそれを左に動いてかわし、すれ違いざまにボディーブローをくらわした。

 ゼアの体がくの字に曲がる。


「ゴバッ!」


 そのまま壁までゴロゴロと転がっていき、壁に体を打ちつけたのだった。

 ――少し力を入れすぎたか。


「「「⋯⋯⋯⋯」」」


 周りが一気に静かになる。

 これは俺たち以外、予想外だったようだ。


「ユリアさん」

「は、はい」

「すまないが、この男の手当をお願いできるか?」

「大丈夫ですよ」

「レイナ、フィン、行くよ」

「おう」

「分かりました」


 2人とも俺の後ろをついてくる。

 俺は上手くテンプレ展開になったからとても機嫌が良かった。

 しかし、この後ギルドにいると、何かと面倒ごとに巻き込まれそうだ。今はこの場に居づらい空気だしな。

 だから、外で時間をつぶすごとにしたのだ。

 俺たち3人は颯爽と冒険者ギルドを去ったのだった。



















次回は明後日の12時過ぎに第24話掲載予定です。

ブクマ、感想、評価、レビューも出来ればよろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ