第20話眷属2人が荒ぶりました。
次回は明後日の12時過ぎに第21話掲載予定です。
新章突入しました。これからもよろしくお願いします。
ブクマ、感想、評価、レビューも出来ればよろしくお願いします。
ひんやりとした空気が心地いい。
文明があまり発展しておらず、魔物が蔓延る『バート』では勿論、暗い時に町の外を出歩くという人は珍しい。
ザッザッザッザッ!
そんな中、ガラフ王国王都の東の森には複数の人が移動する足音が響いていた。
太陽が東の空から顔を出し始めた頃、俺たちはガラフ王国王都の東の森を移動していた。
「思ったより簡単に抜け出せましたね」
「まあ、予想通りだな」
「それにしてもこの森の魔物も歯ごたえのない奴ばかりだなぁ!」
「それは仕方がない」
俺は諦めの表情を浮かべる。
東の森の魔物はガラフ草原の魔物よりは強いが、それでも目糞鼻糞の違いだ。
そして草原よりも魔物が多く、遭遇しやすいから余計タチが悪い。まるで梱包材のプチプチを端から端まで潰していくような感じだ。
森での訓練はあまり受けた事がなかったから不安だったが、大丈夫そうだ。
フィンとレイナが基本的に魔物を倒しているが、俺も所々参戦している。任せっぱなしも悪いしな。
「もっと強いやつと戦いたい!」
「レイナに激しく同意します、マスター」
「それは分かるが、邪神領に近くなるまで待ってくれ」
荒ぶる2人をなだめる。
邪神が支配している領域は『邪神領』と呼ばれており、そこに近くなればなるほど魔物が強くなる。
つまり、『バート』の最西端に位置するガラフ王国には比較的弱い魔物しかいないのだ。
王国でも東側に行くとそこそこ強い魔物も出てくるらしいが。
「また、招かれざる敵です」
「ホント、大した経験値にもならないからどっか行って欲しいんだが」
さっきから俺の眷属2人が割とマジで荒ぶってらっしゃる。
俺たちの前にはナイトウルフが3体いた。
すぐに【ステータス鑑定】を使って相手のステータスを確認する。
***
種族:ナイトウルフ
レベル5
HP:32
MP:21
物理攻撃:44
物理防御:23
魔法攻撃:32
魔法防御:21
素早さ:51
運:16
スキル
【暗視】
種族:ナイトウルフ
レベル6
HP:39
MP:26
物理攻撃:47
物理防御:26
魔法攻撃:37
魔法防御:24
素早さ:55
運:18
スキル
【暗視】【木登り】
種族:ナイトウルフ
レベル5
HP:31
MP:13
物理攻撃:49
物理防御:23
魔法攻撃:32
魔法防御:21
素早さ:52
運:16
スキル
【暗視】
***
真ん中にいるレベル6のナイトウルフがリーダーとなって統率を取っている。
しかし、やはり雑魚すぎる。
ゴッ! ズン!
実際一瞬でフィンとレイナがナイトウルフを1体ずつ倒してしまった。
俺と彼女達の能力値には開きがありすぎていて、今の動きも見えなかった。
「グルル!」
ナイトウルフの声が聞こえる。
残りの1体は俺のために残してくれたようだ。
俺も風魔法を使って高速で詰め寄ってから、剣を上段から振り下ろして倒した。呆気なかった。
〈レベルアップしました〉
今のでレベルアップしたようだ。ラッキーである。
その後も順調に俺たちは森を進んで行く。
何度も何度も魔物と遭遇するが、その都度蹴散らしていく。
「そういえばマスター、森を抜けたら街道があるんでしたよね?」
フィンが唐突に声をかけてくる。
「ああ、そうだった筈だ。そして、その街道に沿って歩いて行けば次の町ホノルに着くぞ」
ホノルはガラフ王国王都に1番近いとされる町だ。ホノルの町は王都とガラフ王国の各土地とを中継しており、商いの町として栄えている。
そこで旅の物資を補給するつもりだ。
「それがどうしたんだ?」
「いや、そこで街道が見つからなかったらどうしようかなと思いまして」
フィンがおずおずと言う。
「今の所、森の中の道は大して外れていないから大丈夫な筈だ。もし何かあって少し外れたとしても森を抜けさえすれば、すぐに見つかるだろう」
「博之に任せておけばいいって事だね!」
おいおい、俺に任せっぱなしにするな。
「レイナ、マスターに旅を任せっぱなしにしてどうするんですか? あなたそれでもマスターの眷属ですか!」
「⋯⋯⋯⋯」
フィンの喝でレイナは視線をあからさまにそらす。
レイナ、少しはフィンを見習いたまえ。
***
太陽が真上の位置に移動して、さらに太陽が西側の方へ移動していく。
そして、太陽が沈み始めた頃にはガラフ王国王都の東の森を抜け出した。
「だあー! やっと鬱陶しい森を抜けた〜」
「本当に疲れました」
旅に慣れていない俺たちは相当な疲労がたまっていた。かくいう俺も今すぐ寝たい気分だ。
しかし、勿論そんな事は出来ない。
平原にも森ほどではないが魔物は出現するのだ。
そう思いふと空を見上げる。
「っ!?」
俺は思わず息を呑んでしまった。
「フィン、レイナ、夕日がとても綺麗だ」
「わああ! すごい綺麗ですね」
「これぞ旅の醍醐味って奴だな。森を抜けた達成感からかいつもより綺麗に見える」
森を抜けた後は平原が広がっていて、太陽の沈む様はとても幻想的である。
フィンとレイナはとても喜んでくれたようだ。
この後は街道に沿って歩くだけで次の町に着いたはずだ。
「これから街道を探したいけど、空も暗くなって来たし、野営の準備をしようか」
「賛成!」
「暗くなって来たら危険ですし、いいと思います」
レイナが勢いよく手を挙げ、フィンもゆっくり頷く。
平原は森よりも魔物が少なく、遮蔽物がないため見張りがしやすい。
――野営するには絶好のポイントだ。
「ストレージ!」
俺は【空間魔法】の『ストレージ』を発動させて、異空間の中からテントを取り出し、フィンとレイナと協力しながら手際よく張る。
テントの張り方は訓練で習っており、テント自体は王城から拝借していたのだ。
――イヤー、準備がいいと旅は安全で楽しいよね(ドヤ顔)。
「よし、夕食にしようか!」
「そうですねー、朝、昼と干し肉とパンしか食べてないので腹ペコです」
「よっしゃああー。飯だ!」
俺がそう言うと2人のテンションが一気に上がった。
俺もつられてテンションが上がる。
「ふっ、俺の漆黒の両腕が今日は唸るぜ! (今日は最高の料理を作ってやるぜ!)」
いかんいかん、思わず中二病な言葉を発してしまった。
幸い、フィンとレイナに聞こえていなかったようだ。
「ストレージ!」
そう言って再び魔法を発動する。
俺は異空間の中からナイフと鍋、そしてメインの食材を取り出したのだった。
次回は明後日の12時過ぎに第21話掲載予定です。
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