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覚醒

仕事しないで投稿し続けたい…

 遠い日の記憶……それは戦場での話だ。


 たった十三人で十万人を殲滅し最強と恐れられるようになったあの戦い。その戦いになぜ自分は参加したのか?そもそもなぜ俺はあいつらを率いて戦ったのか?遠い彼方に忘れ去られた記憶が力とともに蘇りかけていた。


 「随分下へと落ちたようだな……」


 目が覚め、辺りを見渡した。見た所、百四十四層に比べるとかなり外観が異なるというのがわかる。


 「まさか死を超えるダメージが覚醒の鍵だったとはな……」


 とりあえず俺を待つ何かはもっと下にあるみたいだな。月島や杉原や先生がちゃんと脱出できていればいいが……


 「なんというか体が軽いな~ついさっきまでが嘘のようだな」


 まるで今まで自分を抑えていた何かから解放されましたと言わんばかりに体が軽く、どこか力がみなぎってくる感じがするのだ。たしか落ちる前のステータスは各ステータスが百ずつでレベルは十だったな。


 さてステータスを確認しますかな~

 

 自身のステータスを確認した。


 「なんじゃこれ……何かの間違いでは……」


 話す相手がいる訳でもないが、自身のステータスを見て驚愕のあまり目が飛んだ。いやそれぐらい驚きを隠せなかったのだ。


 神山周平

レベル:10?

種族:人間?

職業:魔神

攻撃:60000

防御:60000

魔法攻撃:60000

魔法防御:60000

素早さ:60000

魔力:60000

固有スキル:魔神の戒律(不完全状態)、

異能:アイスショット(C)、チャッカファイア(C)、粘着弾(B)、チャージショット(A)、天の糸(AA)、物質具現(AA)、不死鳥の橙炎フェニックスフレイム(S)、完全記憶パーフェクトメモリー(S)、砂の王デザートロード(S)宝物庫シャツカンマー(S)

称号:神殺し、煉獄の王


 桁がヤバい事になってやがる。つかスキル多すぎだろ。


 「これまた物騒なスキルと称号だな……記憶が戻ったのはほんの断片に過ぎない……こないだまで見ていた夢の体験が自身の過去であることを認識したが、どうやら俺は人を超えた存在らしいな」


 まだ実感が湧かず疑問だらけだが、今の自分の状況を頭の中で整理した。


 「つまりさっきの鉄巨人の大剣が振り落とされ、本来なら絶命だがそれがスイッチで、死ぬことなくパワーアップして覚醒した?ということでいいのかな?」


 当然答えてくれる相手などいないがぶつぶつ独り言を言いながら頭を整理した。


 迷宮の特性で落ちてきた穴が塞がっている。もう一度地上に戻る為にはボス階層にてボスを倒し、転移装置で帰る感じだな。


 「まぁとりあえずこのバグともいえるスキルを使ってさくさく進むかー」


 というか一度見たものや聞いたことを忘れないのはこの異能があったからか?つまり俺は異世界に来る前からスキルを持っていた。正確にはスキルを持っていたのはその前の前世ってことになるのか。


 進んでいくとさっき苦汁を舐めた鉄巨人に出くわした。レベルはさっきと一緒で五体いる。


 「今のステータスが嘘じゃなければ敵じゃないはず……」


 まず粘着弾で鉄巨人一体の動きを封じた後、顔に向かってチャージショットを放ってみた。粘着弾はクラスメイトの橋本の粘着床と似たような感じだが、向こうは地面に発生させるのに対してこっちは手から放つ感じだ。チャージショットを自身で力を溜めて、砲弾を放つという異能で、一度最大火力で放つと貯めるのには最大二十四時間、睡眠や飲食等で貯める時間を短縮できるというものだ。


 放ったチャージショットは鉄巨人の頭を軽く吹き飛ばし、そのまま後ろにいる鉄巨人の腹を貫通した。ちなみに自身で使える異能に関してはどういう能力か、自動的に頭に入ってくるのだ。


 「う、嘘だろ……」


 あまりの力差に驚きを隠せないな。


 残り三体の鉄巨人がこちらに対し戦闘態勢を構え、一体は俺に向かって剛烈剣を放ってきた。


 「うん、遅い!」


 片手で剛烈剣を受け止めると不死鳥の能力を使ってみた。


 「橙炎撃!」


 鉄巨人は劫火につつまれ瞬く間に消滅、残り二体だ。


 「今度はこれを試すか……」


 今度は鉄巨人の剛烈剣をあえて受けた。直接受けたことで体の一部が切り離されるが、瞬時に体を再生させる。これは不死鳥の異能の能力で得ている再生力で、体から分離された部位や放出された血液ごと元に戻すことができる。今は腕を斬られたが、首を斬られようが、縦に真っ二つに斬られようが再生可能である。この異能を持つ時点で心臓自体が弱点でなくなるらしく、Sランクだけあって破格の性能だ。まぁ再生するのに体力を少し消費するわけだが、連続頻回使用しなければ影響はない。


 今度は砂の王を使用して反撃だ。これは砂を自由の操る異能で、地形によってはさらに力を増すものだ。


 「デザートカッター!」


 鉄巨人も真っ二つになるが当然俺のように再生はしない。


 さて残り一体、どう料理するか……


 「宝物庫は魔石や素材の収納庫にもなるみたいだが、それだけではないはず」


 宝物庫という異能は自身の所有するものすべてを異空間に収納ができ、自由に出し入れが可能である。しかも宝物庫に宝と認定された武器や防具は盗られたりしても、すぐに宝物庫内に戻すことができるという優れものだ。宝と認定されない物でも、自身の見える範囲内なら宝物庫に再収納することも可能だ。


 さっそく戦闘に応用させ、自分の周りに無数の武器を発生させ相手に放つ。


 「これは有能だな。自身の所持している武器が手元から離れても戻れと念じればすぐに戻るし、自由に操ることもできる。しかも破壊されても宝と認められた武器や防具は宝物庫に戻す事で、自動で修復されるという神機能……まさにチート!」


 テンショアゲアゲで迷宮の攻略に勤しんだ。



 ◇



 その頃とある街の酒場では女性がとある人との再会を望んでいた。


 「フフッ、あともう少しね……長かった」


 彼女は周平達よりも早くこの世界に来ていて、彼女もまた一年以上離れ離れな想い人との再会を待ち望んでいた。

 

 彼女と彼が再開するとき世界は動き出す。


 ちなみに周平が今いるのは三百五十層だ。だが今の彼ならこの最下層に辿り着きクリアすることも時間の問題だろう。


ここから自重なしで


10月22日に前話の改稿に合わせて改稿しました。


2019年3月11日追加修正


・異能

基本的には人間族が生まれた時に持っている事がある能力で、人によっては複数持ちもいる。

全員が持って生まれる訳ではなく、Cランクに関しては能力のかぶりが発生する。

Cランク→低級、持っている人の大半がこのランク

Bランク→中級、勇者は周平を除き皆Bランク以上

Aランク→上級、持っていたら基本重宝される事がほとんどのレア能力

AAランク→最上級、百万人に一人で能力も強力である。選ばれた存在のみが持つ能力

Sランク→幻の能力で持つ者の存在すらも怪しい。能力は基本的にどれもチートクラス



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