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クラス会議2

クラスメイトほぼフルでだしましたがごっちゃになってるかもです。

雪がちゃんづけしている人は比較的仲のいい女子ですね。


 迷宮攻略を終えて丁度一週間がたった頃、召喚された勇者である零明高校三十一名でのクラス会議が始まろうとしていた。

 今は先生を除く三十名はそれぞれグループに分かれておりそれぞれが今後どういう考えで進むのかを改めて再確認する為の会議だ。


 「さて、これから会議を始めようと思います」


 進行役は嶋田君だ、みんなをまとめるクラスのリーダーだしこれ以上の適任はいない。


 「迷宮攻略も終わりいよいよ本格的な遠征だね、そこで改めて魔王討伐に向けてだけどみんな行く気はあるかい?」


 嶋田君はみんなに問いかける、迷宮攻略は全員の共通な目標として頑張ってきたけど果たして今度はどうなるか……


 「まだみんなに話していない話をするけど俺の得た情報では魔王城には帰還するための転移装置があると聞いている、俺はそこを目指す為に魔王城を目指すつもりだ」


 それを聞いた周りのクラスメイト達はざわつく、これはクラス会議まで話さないでおこうと四人で決めていたのだ。


 「嶋田、それは本当か?」


 菱田君は嶋田君に質問をする。


 「ああ、本当だよ。きっとみんな本当に元の世界に帰れるか不安だったはず、だけどこれを聞いた上でもう一度決めてほしいんだ」

 「なら俺達3人は魔王城に行く方に入るぜ」

 

 菱田君が言うと大野君も秋山君もそれに頷く、この三人が魔王城を目指す方に入るのは想定通りだ。


 「菱田ならそう言うと思ってたよ、三人一組というくくりでいいかな?」

 「問題ないぜ」


 これで私達四人に加えて菱田君達三人は目指す側か、問題はここからだ。


 「私達三人は城待機及び西方警備を希望するわ」


 今発言したのは戸山愛さんだ、こっちの世界に来てからも同じ科学部の石橋君と中野君と三人でいることが多い印象があったけどやっぱり三人で行動するみたいだ。


 「私達は現段階であまり強くないし度胸もあるわけじゃないから西方の方の希望をだすわ……」


 戸山さんは自信なさげな声で言う、この人は学校に通っていた頃から自信なさげで周りには強く言えないが同じ部員の石橋君と中野君にはやたら強いイメージがある。

 一応魔大陸遠征以外に西方支援に何人か行かせようとしているというのは聞いていて、というのも西方の国が攻めてくる可能性があり攻めてきた時の保険だ。


 「そうか、一応そういう意見だということは承知したよ」

 「ありがとう、申し訳ないけど今の私達は魔王城を目指すなんてできないし足を引っ張るだけだと思うから……」


 戸山さんのこの逃げ腰故の判断はあまり良いとは思えないがとやかく言えないのも現状だ。


「まぁまぁそういう意見も来るとは思っていたから大丈夫だよ」


 明るく返すが嶋田君は少し落胆している、本来なら全員で目指すべきだと思っているせいか行かないというのが心の底から納得できないのだろう。

 だが命をかける戦いにそこまで強要することもできないしその権利もない、誰だって自分の命が惜しいというのも嶋田君は重々承知だ。


 「他はどうだい?今の所俺達含み七人が魔大陸、三人が西の警備だ」


 嶋田君がそう言うと今度声を上げたのは橋本君だ。


 「俺と高橋に岡部、東は魔大陸遠征への方に行くぜ!まぁ元の世界に帰りたいからな」

 「前に世界を見れば変わるかもって言ってたからどっちにいくかわからなかったけどそれを聞いて安心したよ」


 嶋田君はホッとした表情だ、橋本君や東君は戦力としては申し分ない人材だ。


 「まだ外の世界を見ている訳じゃないからな、それに遠征すれば色々見ることができるだろうしな」


 橋本君と東君はちょいちょい話す事があったしこないだご飯に行った時に遠征の意思を見せていた。

 

 「是非期待しているよ、一緒に頑張ろう!」

 「おう!」


 橋本君は嶋田君と握手を交わす。


 「私達も遠征の方向で~」

 

 橋本君達に続いて言ったのは田島さんだ、田島さんもクラスで強い影響力を持つうちの一人だ。

 言いたいことはハッキリ言う性格だけあって女子には慕う女子も多いがその一方で一部の生徒を見下したりいじめに近いこともするので恐れている子も多い。

 去年同じクラスだったけどオタク系の生徒を凄く毛嫌いし馬鹿にしていた、だがアニメオタクを公言する陣君やゲームオタクを隠さない周平君は見下すようなことはなかった所を見るとオタクを毛嫌いというよりクラスでの立ち位置で人を見ているのかもしれない。


 「私達というのは田島さん、白井さん、河内さん、堀さんの四人ということかい?」

 「ええ、そうよ。そこで堂々と遠征から逃げた女とは違うからね~」


 田島さんは戸山さんを見ながら見下したように言う。


 「亜紀同様私達はそこにいる子と違って逃げましぇ~ん」


 馬鹿にしたような笑いを見せるのは白井さんだ。


 「沙耶の言う通りね、戸山?あんたも少しは私達のこと見習ったら~?」


 戸山さんは何も答えず目をそらす、こう言う事するから私はあまり好きではない。


 「ねぇ、今会議中なんだけど……」


 イラついたのか美里ちゃんが四人を睨み付けながら言う。


 「あんたさのそういうとこ見るとイライラするんだけど?そんなに人に当たりたいなら私が代わりに受けてやるよ」


 去年からだが大半の生徒から受けのいい姉御肌の美里ちゃんとは相性が悪い、だが美里ちゃんに決定的な差をつけられたせいか美里ちゃんには頭が上がらない。


 「ち、ちょっと言っただけじゃない、そんな風に言わなくてもいいじゃない……」


 いつも威張る田島さんだけど美里ちゃんが出てくると急に大人しくなるのだ。


 「まぁいいわ、田島さんと白井さんは私に借りがあるからそこんとこ覚えておいてね~」


 美里ちゃんがニヤッと笑いながら言うと二人はバツが悪い顔をしながら苦笑いする。

 去年何かしたみたいでそれを美里ちゃんは庇ってあげたらしい、それが何なのかは教えてくれないけど美里ちゃんはそれをニヤニヤしながら言うからいつも気になっているのだ。


 「さてこれで遠征は十五人の警備が三人だね」

 「拙者達は警備でお願いします…!」


 ハッキリとした声をだして言ったのは南井君だ、和田君と二人でいつもつるんでいてよく二人でカードゲームバトルをしたりアニメについて語っている。

 俗に言うアニメオタクと呼ばれる二人だ。


 「わかった、戸崎さんと増沢さんも待機かな?」


 嶋田君が二人に声をかけると二人はおどおどした小さな声を一生懸命だしながら言う。

 戸崎さんと増沢さんも二人でよくつるんでクラスの隅っこにいる、俗に言う腐女子と呼ばれる子達だ。

 この二人も田島さんの標的になったりしたがこの二人は趣味を馬鹿にされるともの凄い勢いで反発するので戸山さんにのみ的を絞るようになったのだ。


 「オーケー、今の所遠征十五人の待機七人、残りは九人だね」

 

 残りは鮫島君達三人と女子五人だ。


 「私は残るよ~」


 そう言ったのは水泳部の須貝直美ちゃんだ、フレンドリーでボーイッシュ系女子で男子からの人気もそこそこだと聞いている。


 「直ちゃんは来ると思ったけど……違うんだね」


 嶋田君は意外だったのか少し驚いている様子だ。


 「だって残った生徒じゃ統率とれなさそうだからね~国からは何人ぐらいの比率が理想って言われてるの?」

 「遠征は最低十五人からだとは言われているけど警備の方も最低十は欲しいとも言われた」


 今十五人だから一応最低ラインは確保できている感じか……確かに待機組をまとめる人も必要だし残りのメンバー考えたら直美ちゃんは適任だね。


 「一応残り女子五人で話してたけど樹里とアリスンは遠征でそれに伴いアリスンと付き合ってるヨッシーも行くってさ~」


 柴田樹里ちゃんとアリスンこと田辺阿里沙ちゃんにその彼氏であるヨッシーこと横山義人君は三人共吹奏楽部に所属している。


 「てことは直ちゃん、角田さん、福永さんは待機かな?」

 「そういうことだね、男子の方もヤッスーと鮫は待機かな」


 直美ちゃんが鮫島君達三人の方を見る。


 「そういうことだね、遠征組には申し訳ないけど後方支援という形をとらしてもらうよ……」


 申し訳なさそうに言うのは鮫島君だ。

 鮫島君は恐怖もあり精神的に参ってしまい玲奈先生からたまにカウンセリングを受けている。


 「俺も同じくだ……」


 鮫島君に続いて安田君も言うと横山君がそれをフォローする。


 「二人はなんも悪くないって、代わりに俺が二人の分まで行ってくるから安心してくれよ」


 横山君はドヤ顔で言う


 「バカヤロー、このリア充野郎が……だから余計に心配なんだろうが……」

 

 安田君が不安そうな顔で言う、この三人は親友のように仲が良く特に横山君は情にあつい。


 「鮫の面倒を頼むなヤッスー」

 「ああ、任せとけ!」

 

 とまぁこれで配置はおおよその配置は決まった感じだ。

 遠征組は私、美里ちゃん、嶋田君、木幡君、菱田君、大野君、秋山君、橋本君、東君、高橋君、岡部君、田島さん、白井さん、河内さん、堀さん、樹里ちゃん、阿里沙ちゃん、横山君の十八人で待機及び西方警備組は直ちゃん、角田さん、福永さん、鮫島君、安田君、南井君、和田君、戸山さん、中野君、石橋君、戸崎さん、増沢さん、そして初めから待機が確定している玲奈先生の十三人だ。


 「とりあえずある程度は決まったしこれをタピットさんに伝えるね、後は何かあるかい?」


 すると玲奈先生が何か言いたいことがあるらしく手を上げた。


 「みんなここまで良く頑張ってきたわね、それに関しては本当に感服するばかりよ。対して私は強い能力があるわけでもないし生徒を一人助けることができなかった……教師失格と言われてもしょうがないわ」


 玲奈先生は表情が暗くなる、やはり周平君のことを気にしているようだ。

 あの状況で助けられなかったのだから無理もないか……少し目が潤んでいるようだ。


 「今後は生徒同士が離れ離れになるし危険に会う確率も高くなる……本来ならそんとこと断固阻止するんだけどそういう状況でもないのも事実……だからみんなのこと応援してるし帰ってくるのを待ってる、ずっと待ってるから遠征組は終わったら元気な顔を私に見せて!それが私からのお願いです……」


 玲奈先生のその言葉で少しの間沈黙があったがそれを菱田君が破った。


 「当たり前だぜ!俺は必ず玲奈ちゃん先生んとこ戻るぜ!先生をずっと待たせるわけにはいかないからな!」


 菱田君が沈黙を破ったことで嶋田君もそれに続く。


 「俺達はこんなに思いやりのある担任を持ったんだ……だから必ず元の世界に帰ってまた先生の授業をうけようじゃないか!」


 嶋田君が言うとみんが掛け声をだし会議室は大歓声になりクラス会議は終了した。



 ◇



 クラス会議を終えたその日の夜後美里ちゃんと二人で会議を振り返った。


 「犯人はおそらく遠征組に来たわね~」

 「うん、予想通りなのかな」


 会議の時周平君を二つの事件で嵌めた犯人がどっちにいくかをずっと考えていたのだ。

 橋本君達の組と田島さん達の組はあの事件の関係者がいることは確信している。


 「しかし厄介ね……どうするか……」

 「二つの事件含めたら下手するとあの八人全員ってこともありえちゃうからね……」


 岡部君と河内さんだけではない……たまたま他の人の証言で実行犯から外した高橋君にしろ主犯の可能性もあるのだ。

 白井さん辺りは迷宮での事件は関与していないものの体操着事件では間違いなく協力者だ。


 「これから色々練っていきましょう、まだまだ始まったばかりだしね」

 「うん」


 私と美里ちゃんの戦いはまだまだゴールにはほど遠いようだ。



さて犯人どうしよう……

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