ヒムヤー(オンラク)の迷宮
30万PV到達しました~
宿できっちりと休みをとり早速ヒムヤーの迷宮へと向かった。
ダリウスは流石に連れていけないのでお留守番となった。
「ザル~そんな怒るなって」
「ふん!」
ザルカヴァは九兵衛さんにご立腹だ。
というのも昨日ののみの席で九兵衛さんがいつもの屑っぷりを見せたのだ。
「ふふっ、ここ数日の九兵衛さんは人が変わったように真面目で頼りがいがあったから怪しいとは思っていたけどエネルギー切れだったのね」
「立花ちゃん何を言っているんだい?俺はいつでも真面目じゃないか」
「ははっ、ある意味真面目だな」
俺と立花が笑うと実は爆笑し九十九は白い目で九兵衛さんを見る。
「九十九ちゃんもなんとかザルに……」
「最低……」
「おいおい……酷いじゃないか~」
なんでこんなことになったかというと昨日の夜ファーディナンドによってロードリオン帰還及び城奪還を祝したパーティだった訳だが九兵衛さんは前にも妖精の国を訪れたことがありギルド総長としてロードリオンに招かれているだけあって知名度は高い。
そんな九兵衛さんが何人ものエルフ美女に囲まれた時だ。
「九兵衛さん……この私の高鳴りをわかってくださるのかしら?」
「い、いけませんマドモアゼル……」
エルフの女性が九兵衛さんの手を自身の胸を触らせる。
「うほっ、これは柔らかい……」
「ふふっ、国を救ってくれた英雄に喜んでもらえて何よりですわ」
そして九兵衛さんの耳元で囁く。
「私の心の準備はできていますよ……」
「そ、それじゃあ……」
「まって九ちゃん……私も一緒に抱いて~」
突然現れた女性は九兵衛さんの頬にキスをし九兵衛さんの手を自身のお尻に触らせた。
「これはナイスなヒップ……」
「ふふっ、私も一緒に堪能してくださらない?」
「げへっへっ、それじゃあ九ちゃん2人まとめてお持ち帰り~」
九兵衛さんもこの時かなり酔っていて欲望も全開だった。
実際その二人も割と本気だったのかもしれないがそんなやり取りを我慢できなかったザルカヴァの嫉妬心が爆発した。
「死槍……」
「へっ?」
ザルの槍は九兵衛さんの胸に直撃、酔っていても咄嗟の防御で傷一つなかったのが憎たらしいというかさすがというか……
とにかくザルはそんな九兵衛さんを連れて説教した後泣きだし九兵衛さんは一晩中その対応に追われたのだ。
「わかった、今度一緒に食事でも行こう」
「それはデート?デートじゃないと嫌だ!」
「れっきとしたデートだよ」
最終手段のその単語を使ったか~
実際九兵衛さんはザルカヴァのことをどう思っているのかだな。
まぁザルカヴァもスタイルは良さげで、でるとこはでてるし九兵衛さんの息子が反応してないわけじゃないから好意はあるんだろうけど……
「わかりました~私が決めますから今度行きましょう~」
ザルカヴァはさっきまでの不機嫌な顔から一転、上機嫌へと変わる。
九兵衛さんもどんどん自分で首を絞めている気もするが心の奥底ではザルカヴァとの関係を望んでいるのかもしれないな。
「さて、迷宮攻略といきますかね」
さて4代迷宮が1つ、クレセントに続きヒムヤーの大迷宮の攻略だ。
「素材もちゃんと回収して資金源の確保ね、クレセントの時は白金貨400枚ほどになったから今回もそれぐらいは確保したいわね」
立花の言う通り今後のことを考えたらお金も重要になってくる。
白金貨500枚ほどで中貴族ぐらいの蓄えだから今回の素材回収でそれを超えるだろう。
「確かに力で抑えるより金で抑えたほうがいい場合もあるからな、金と女は人を惑わせるからな」
「ほんとそうね」
俺達は一斉に九兵衛さんを見る。
「いやぁ~それほどでも~」
「褒めてない!」
ザルカヴァは九兵衛さんの頭を叩きみんなが笑う。
昔はレダさんがよく突っ込みをいれていたな。
そんなやり取りをしながら迷宮へと入った。
「迷宮とか懐かしいな~」
「私達もこの世界に来た頃は300層の迷宮攻略をやらされましたね」
実と九十九は久しぶりの迷宮を懐かしんでいるようだな。
「300層をクリアした当時はそれなりに苦戦した記憶があるだけに騎士団に入った時迷宮が1001層まであるって聞いた時は驚きだったね」
「私達もまだまだってことよ実君」
「だな~今九十九ちゃんと直樹の3人で迷宮潜ったらどこまでいけるかな?」
「そうだな、3人なら900層ぐらいまでは行けると思うぞ。900層のボスはステータスが200000ぐらいだろうからそこまではなんとかなるだろうし」
問題はラストだからな、実たちでは偽神相手では荷が重い。
「とりあえず最初の300層は実と九十九とザルカヴァの3人で飛ばしてくれ、俺達は援護に回るよ」
最初は敵が雑魚いし3人に適当にやってもらおう。
3人を前衛に俺達は進んだ、最初の300層は遊びみたいなものだし俺達はついていきながら素材や金になりそうなアイテムの回収だ。
150層ぐらいまで進んだあたりでいかにも罠だという宝箱が置いてあった。
「この宝箱は……」
「罠ね……」
「スル~」
3人は宝箱をスルーしようとするが俺はそれを制止する。
「まて、そいつを開けろ」
「周平さん?」
「でもこれ絶対罠じゃ……」
そうこれは罠だ、前に菱田達が罠の宝箱を開けて俺は死にかけた。
「どんな状況でもそれを切り抜けるために力を発揮する必要がある、今は余裕もあるしその罠に正面から立ち向かうんだ」
それは完全に俺のエゴだが俺自身こないだの苦い思い出を払拭する必要があるのだ。
「そういことなら了解~」
実は宝箱を開け、すると大きな音共に木の魔物が4体俺達を囲った。
ビッグウッドマン
レベル110
種族:魔法生物
攻撃:10000
防御:11000
魔法攻撃:8000
魔法防御:9000
素早さ:8000
魔力:8000
固有スキル:アースドレイン
「あの時はこれで……」
あの時力があれば今頃どうなっていたんだろうか……
そんなこと考えても仕方ないのだが……
「私が片づけます」
九十九は双剣を手にトレントをあっさり倒した。
「口程にもないですね」
まぁそうなるよな。
俺もこれであの時の記憶を払拭できそうだ。
「わざわざ手間をかけさせてすまんな九十九」
「いえいえ~お金になりますから~」
300層まではなんなく進んだ。
「ここまで3日ほどで今地上は夕方かな~」
九兵衛さんが言う。
3日で300層の扉の前まで進めたのでスピードとしては悪くない。
「さて300層のボスだが実が1人で倒してくれ」
「了解」
300層のボスをソロで攻略する、これが301層以降に行くための必須事項だ。
「本当はザルカヴァにソロでやらせたいが少しキツイだろうから実で」
「1人で倒さないと深層に行けないんでしたよね?」
「そう、しかも300層のボスはステータスが平均30000ぐらいだからまだちょっと早いな」
「一人が必須ならしょうがないですね……」
ザルカヴァは少し落ち込んでしまう。
やらせてあげたいが途中で介入してしまうとその条件を満たさなくなるし一度倒してしまえば復活に時間もかかってしまう。
「まぁ気にするなザル、深層に入れば嫌でもパワーアップできる」
「うん、みのるんも頑張って!」
俺達は扉を開き中に入ると実以外は闘技場スペースからでて実一人だけ中央に近づくと魔物が現れた。
ウシュムガル
レベル160
種族:獣族
攻撃:23000
防御:20000
魔法攻撃:20000
魔法防御:21000
素早さ:20000
魔力:20000
固有スキル:混沌の牙、大地の舞
現れたのは翼のない大きな龍の怪物だ。
「いくぞデカブツ」
実はコントラクトスキルの戦国統一絵巻を発動する。
「賤ケ岳七本槍!」
実の攻撃はウシュムガルへと直撃、刀を手に居合の態勢に入る。
「絶空閃!」
実の斬撃がウシュムガルの体が2つに分けた。
「みのるんやる~」
「当然です、実君がこの程度の敵に遅れをとるなどありえません」
「まぁここからだな、300層のボスは第2形態がある」
ウシュムガルは肉体を再生させ第2形態へと変化させる。
ウシュムガル改
レベル200
種族:獣族
攻撃:35000
防御:30000
魔法攻撃:30000
魔法防御:32000
素早さ:30000
魔力:30000
固有スキル:混沌の牙、大地の舞
ウシュムガルは舞いをはじめ実を襲いかかった。
「遅い……」
実は刀でそれを受け止め押し返す。
「本当の牙を教えてやるよ……」
実はウシュガルムに向かい異能を発動する。
実の異能である剣歯虎の牙は上半身を剣歯虎へと姿を変えるものだ。
「嚙み砕いてやるよ」
上半身を剣歯虎へと変化させた実はウシュムガルの首元を噛みつきウシュガルムは悲鳴をあげる。
「実はあんまし異能は使いたがらないんだがな」
「ふふっ、相手を見てムキになったようね」
「あの実君はあまり美しないです……」
九十九はあまり実の異能はあまり好きじゃないんだよな。
異能自体はまり美しくなく野性的だからかな。
「終わりだ……ソードファング!」
首を完全に嚙み砕き勝負は決した。
実の異能は使いにくいです。




