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もうそろそろ置いてけぼりになったクラスメイト編ださんとですね。

 それは一瞬の出来事だった。

多少の油断はあったのだろうが禍々しく放たれたオーラは刃となり俺の首を飛ばしたのだ。

首を斬られるなんていつぶりだったか……確か13騎士の一人に不意を突かれた時だったかな。

案外斬られるのは痛みが伴うものでジェラードさんに昔首ごと吹き飛ばされた時の方はかえって痛みはなかったな。

ああ、腕がなる……俺の首を斬り飛ばした褒美を貴様にやろう。


宙に舞う俺の首をブルーピーターは容赦なく攻撃を加え、俺の首はぐしゃぐしゃ吹き飛んだのだ。


「余を殴り飛ばした報いよ!これでもまだ足りぬ貴様の胴体も吹き飛ばしてくれるわ!」


ブルーピーターは魔法を唱えるがその魔法は発動しない。


「魔法が発動しない……」

「なんでかしらねぇ?」


立花はクスクスとブルーピーターを嘲笑いながら見ている。

立花はすでに第10位階魔法ハマジクを発動しある一定の空間内での魔法の使用を制限したのだ。


「それと周平に勝ったつもりかしら?」

「何?」


ブルーピーターが一瞬目を離すとそこにはもう周平の胴体はなかった。

突然の出来事にブルーピーターは戸惑う。


「どこへ消えた?」

「ここだよ……」

「国王様後ろ!」

「えっ……」


俺の首は炎と共にとっくに再生していた。

というか首を斬られたところで一瞬でくっつけられるもしくは再生できるので正直無意味だ。

今回はあいつを油断させるためにわざと首に攻撃してもらったのだ。


「つ~かまえた~」

「えっ……」

「おらぁぁぁ」


俺はブルーピーターにヘッドロックをかけへそを抱えて持ち上げバックドロップを決めた。

見事打ち上げられ頭を打ち付けると地面にヒビが入る。


「ぐふぇ!」

「まだまだ~」


俺は魔神モードへなり攻撃を休めず続けた。

どうやら直接攻撃は得意じゃないみたいだしとことん付き合ってもらうことにした。

首を斬られてテンションが上がったのか俺はこの感情を抑えきれずにブルーピーターを攻撃し続ける。


「ふふっ、周平ったらスイッチはいっちゃったわね~」


立花は玉座にいる5人の部下を威圧し牽制しており手を出すなら私が相手になると言わんばかりに構えていた。

その5人の中には親衛隊隊長で幻想使いと呼ばれるアナバー・グリーンデザートもいるが彼自身立花には手も足もでないことを肌で感じ取っていた。


「アナバー様王が……」

「わかっている……ただお前もわかるだろ?」

「くっ……」


立花はもし5人が動けば4人を一瞬で石化させアナバーを3分で沈める自信があった。


周平の一方的な攻撃でサンドバック状態となっているブルーピーターが意識を保つのもそろそろ限界なはずだ。

むしろ魔神モードの周平の攻撃を受け続けて消滅しないブルーピーターが称賛に値するのだ。


「終いにしようぜ!」

「くそ……余は絶対的な王なのだ、こんなことが……この化け物め!」

「それは褒め言葉として受け取っておくぞ」


俺は全身に獄炎を纏い腕に力を集中させブルーピーターの腹に思いっきし拳をぶつけた。


「ぐあぁぁぁぁぁ」


ブルーピーターは断末魔と共に倒れる。

さて次だな。

まだこれで完全に終わりではない、今倒したのはブルーピーターであり中のパンドラはまだいる。


「早くでてこいよ、てめぇのもう一つの人格は健在だろ?」


ブルーピーターは起き上がり喋り始めた、だが声を発しているのはブルーピーターではなくパンドラだ。


「ふふっ、さすがは第8の魔神だな……この男じゃまるで話にならん」

「知っているようだな、貴様の目的を聞こうかパンドラ」

「なぁにこれは余興だよ、20柱同士で敵対する気などない、我がここにいるのは偶然にすぎぬ」

「ならなぜロードリオンを封じ込めるような真似をした?」

「それはこの男の願望だよ、我は因子にすぎず本来ならこの男に抗ってでることはできない。」

「なるほど、貴様がでてこれたのは俺が戦闘不能に追い込んだからか」

「そういうことだよ魔神」


パンドラはブルーピータの体から禍々しい黒いオーラーを増発させる。


「何をするつもりだ?」

「醜いだろ?これがこの男の中で育った支配欲の集大成、ずっと見ていたが酷かった……そうだろアナバー?」

「そうですね、王は初代様が眠ってからますます横暴になり気に入らない者を独房に閉じ込めたり中には手をかける者も……私は……」

「あなたはそれを見て何もしなかったのかしら?愚王の言うことをただずっと聞いていただけ?」

「私は……」


アナバーはやるせない表情を見せる。

パンドラの力に抗うことができなかった……だから横で見ていることしかできなかったのだろう。

別にそれに対して俺は攻めようとは思わない、誰だって自分の命は惜しいと思う。

ただそれで後悔の念で苦しむようなら死んででもやるべきだがな。


「あなたは本当に災厄ね」

「それ故に我は第19の災厄パンドラと呼ばれるのだ、第10の大賢者よ」

「そうね、昔から変わらない……」


立花は怪訝そうな表情でブルーピーターを見る。


「さて、お前さんもそろそろ退場してもらおうかな」

「そうね、この世界であなたを暗躍させる訳にはいかないわ」

「ふふっ、それはできぬ相談じゃよ」

「何?」

「我はまだやることがある、それを果たすまでは朽ちるわけにもいかんのでな」

「させるとでも?」


俺と立花は二人を対峙して逃げられるとは思わないことだ。

すでに立花は魔法でこの部屋を囲っていた。


「お主らは一つ勘違いしておる、まず我がでてこれた時点でこの男は瀕死寸前、そしてさきほどだして黒いオーラは残りの力の放出、そして宿主が死ねば我はどうなる?」

「まさか……煉獄!」


空間ごと煉獄へと誘う。


「逃がさねぇよ……獄滅!」

「破槍アイシングラス!」


だが俺と立花の攻撃を前にパンドラは余裕の表情を浮かべる。


「ふふっ、原子分解」


パンドラは俺達の攻撃を防いだ。


「なっ……」

「お主らは勘違いしておるの、この男から解放された我はいわば力だけなら完全な20柱と同等、もっとも力の意思でしかない我にこの状態の維持することをできず消えるまでの一瞬だけだがな。だがそんな我でも不完全な状態では抑えられんぞ?」

「くっ……」

「こんな不完全な空間消し去ってやるわい」


パンドラは煉獄空間を消滅させた。

そうかこれが第19のパンドラが持つ分解か……


「クソが……」

「ふむ、なかなかの楽しい余興だったぞ」

「「はぁぁぁぁ!」」


俺と立花は絶門とローズメイデンを手に取りパンドラへ向かう。


「邪魔だ……分解波!」


パンドラから放たれる波動は俺達の体を分解しようとし俺達はそれに抗う形で体を再生させるが速度が向こうのほうが早く再生に手一杯となり動きが止まる。


「私の大再生ザ・リバースの異能と創生魔法をフルで発動させてやっとだなんて……」

「俺の魔神の再生能力も不完全では奴の分解に劣っていやがる……」


やはり力を完全にしなければ同じ20柱同士で互角に渡り合うのはきつい。


「お主らは同胞だ、敵対する気はない。だから今は逃がせ、我も呼びだされた以上はこの世界で適合者を探しこの意思に終わりを告げたい」

「ふざけんな……この世界でまだそれをやらせるわけにはいかねぇんだ」

「ふっ、なら次に因子を持つ者を倒した時我をしっかり封じ込めよ、さらばだ。」


パンドラはブルーピーターの体から完全に分離し宙に舞い消える。


「クソが……」

「2人共よく持ちこたえたね~」

「「九兵衛さん!」」


声と共に現れた九兵衛さんは消えかけた黒い塊を拘束する。


「大地の呪縛」


拘束された黒い塊は消えることができず拘束を解こうと暴れる。


「まったく来るのが遅いぜ」

「ごめんね~でも遅くなったのはリオンのせいだよ」

「悪いね、城から逃がさないよう防壁を貼ったら遅くなった」

「まぁいい、それであいつをどうする?」

「僕と九兵衛がいれば奴を封印するのは余裕だよ、ルシファーの管理下でないこの世界であれを野放しにはできないからね」


ロードリオンは呪文を唱える。


「封光壁!」


黒い塊にさらに光る樹木がまとわりつく。


「九兵衛、もっと強く抑えられるかい?」

「まかせて~」


黒い塊はさらに暴れ始めたので九兵衛さんはさらに大地から茶色の鎖をだし強く拘束する。


「集え暁の光よ……封印!」


ロードリオンの出した無数の光が黒い塊にまとわりつきやがて黒い塊は完全に光に覆われサイズを縮小した。

縮小した塊は形を変え光と闇が合わさった混沌の水晶へとなった。


「ふぅ~これは僕が持っておくよ」

「流石だな……」

「俺達は力が完全だからね~」


ロードリオンはブルーピーターの元へ行き声をかける。


「最後に喋る余力が少しあるようだね……」

「し、初代様……わ、わた……し……は」

「まったく君は愚かだね……」


ロードリオンはため息をつきながら言う。


「わ、私はあなたに近づ……きたくて……でも……日に日に私は……おか…しく……」

「わかっているよ、僕もパンドラに取りつかれたことを知ったのは君が僕を閉じ込めようとパンドラの力で封印をさらに強くした後だったからね、本当は今起きて調子にのる君の鼻を折る計画だったのにそれもできなくなったんだよ」

「初代様……」

「悪いね、でも君は許せない、止められなかった僕も僕だけど反逆するのは知っていたし王になるべく男がそんな欲に溺れて民を傷をつけてる時点で終いだよ」


ロードリオン自身封印が解けなかったわけではないがあの封印自体中から自力で解くには5年では足らなかったのだ。


「あなたは……人が悪い……」

「生まれつきだからね」


ロードリオンは光の槍を手にブルーピーターへと投げつける。


「さらばだ……」


光の槍がブルーピーターを貫き体ごと完全に消滅した。

ロードリオンも本来なら起きてから反逆してのけぞり返ったブルーピーターに灸をすえて楽しむはずだったに違いない。

だからなのかブルーピーターを消滅させた時のロードリオンの顔はとても残念な表情だった。


主人公は首を斬られようと簡単にはやられませんw

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