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慢心と罠

そろそろチュートリアル終了ですね。

 百二十五層での休憩中、月島や杉原が俺の元に来た。


 「やっほー」

 「お疲れ様~」


 クラストップ二というか学年トップ二美女が俺の元に来る。学校では毎日玉砕報告が絶えなかった二人だ。そんな二人が目の前にいたら、どこに目線を置くか考えているうちに頭がショートしてしまう。特に杉原の強調された胸元には視線が吸い寄せれる。

 

 こんなエロい体している杉原だけあってよくストーカーする奴もいたな。その度に俺と陣はそういう輩を成敗していたのを思い出す。


 「おっ、雪、周平君が私達に見惚れているよ」

 「えっ、本当?」

 「いきなり何を言うんですかね杉原さんよー」


 見惚れないわけないって。


 「てへっ」


 まぁ二人とも可愛いから当然だ。俺だってあいつのことがなければ、どっちかもしくは両方とそういう仲になることを望んだに違いない。


 「二人とも後ろで見てたけど凄いな」


 月島の魔法も杉原の弓の技術もクラスメイトの中ではピカイチだし、訓練時よりもさらに向上している。やはり実戦を重ねるとより技術が向上するんだな。


 「だって後ろに周平君がいるからね」

 「そうね、周平君の存在が雪や私を強くしているのよ」


 守られる系男子なんて恥ずかしいことこの上ないぜ……


 「ははっ、まったく何言ってんだか~」


 これって本来は性別逆だよな?性別が逆なら胸キュン間違いなしの一言なんだが……

 

 まったくなんで俺は男でお前らは女なんだと思うぐらいに今の自分を呪いたくなるね。


 「本当だよ、守るべき存在がいると人は強くなれるんだから」


 おい、それは本来なら俺のセリフ……


 「ふふっ、でも周平君のメンタルをこれ以上抉るは良くないわ雪……」


 ノックアウト~


 「もう遅いぜ……」


 俺の心に何かが突き刺さりメンタルをかなり削られた。月島とはお互いに助け合う仲だったはずなのに……神を呪ってやる。


 一生懸命訓練したが俺のステータスは相変わらずだ……


 神山周平

レベル10

種族:人間族ヒューム

職業:旅人

攻撃:100

防御:100

魔法攻撃:100

魔法防御:100

素早さ:100

魔力:100

ギフト:なし

異能:アイスショット(C)、チャッカファイア(C)

称号:駆け出しの旅人


 まぁ少しは上がっているが依然雑魚のままである。


 「でもここまで向上したのは周平君のおかげだよ。魔法を放つときに目を瞑って一歩下がるとか、至近距離での魔法攻撃時に躊躇するとか、魔法を放った直後は視野が極端に狭くなってるとか、色々教えてくれたからだよ~」


 月島は言いやすかったのもあるが四人の中では一番指摘をしたからな。


 「そうね、周平君が私たちに色々ご指導してくれたおかげね」

 「ご指導なんてそんな大層なもんじゃないだろ?ただ難癖つけただけだろ」


 木幡の奴には本当に難癖をつけてやったよ。


 「でもその難癖が結果俺達を向上させたのも事実さ」


 俺達三人の会話に横からナチュラルに入り込んできたのは嶋田だ。しかもさっきから一緒に会話してたんじゃないかってぐらいに全然違和感がなかったし、これがクラスのリーダーのスキルか……恐ろしい。


 「指摘を受けた時は気に入らなかったが、結果神山の洞察力が的確だったわけで少し悔しいがな」


 木幡の上から来る嫌味たらしい発言には思わず苦笑いしてしまう。


 こいつはそもそも素直さが足らないな。

 

 元々クールなんだろうけど、何でも上からかっこよく決めようとしなくてもいいのにと俺以外の奴も思っているに違いない。まぁこの容姿にクールな所が女子に大人気なわけだが……


 「みんな強くなってくれて何よりだ。これからも頼むよ」

 

 一応余分な二人も含めて言っておく。世話になったことには変わりはないからな。

   

 「こちらこそよろしくね」


 微笑みながら言う月島は天使に違いないな。



 ◇


 

 百二十五層での休憩を終えた後も問題なく進み百四十四層まで到達した。


 「今日は百五十層までだな。初めてのクラス全員参加の攻略もいい感じに進んでいるな」


 タピットさんは満足気だ。まぁ俺は何にもしてないしいてもいなくても変わらないがな。

 

 俺はというと、今はいつの間にかタピットさんと一緒に前衛にいた。というのも前で戦いっぷりを見ておけとのことだ。当然タピットさんやその他の精鋭が俺を護衛しながらだ。


 「そうですね。みんなそろそろバテてくると思いますからね~」


 前を見ると菱田達三人はいち早く先を進んでいるのが見え、小部屋を開けて入っていくのが見えた。菱田達三人が小部屋を見つけて入るとそこには宝箱があり、三人は宝箱に目がくらみ近づいた。

 

 だが見るとその宝箱には髑髏のマークのようなものが見える。


 「おっ、宝箱じゃん。ラッキー~」


 大野はその場ではしゃいだ。少し大きめの宝箱でおそらくレアなアイテムが入っているではないかと想像を膨らませたのだろう。


 「ちょっと待てって大野。これはいかにも罠って感じだな……」

 「確かに……よく見るとこれは危険かもね」


 秋山ははしゃぐ大野を止めると大野も冷静になる。宝箱自体は鍵穴はなく普通に開けられそうな感じであるが、刻まれた髑髏の紋章が二人を躊躇させているのだろう。

 

 遠目で見ているが俺なら普通にスルーだ。


 しかし菱田はそれを見て躊躇するどころか、より好奇心にかられているのか宝箱を開ける気でいるのがわかる。


 「でもこういう宝箱ってその分レアなアイテムの可能性もあるんじゃないか?」

 「隼人君?」

 「考えてもみろ。確かに罠っぽいがここまであからさまというのは、逆にこれを開けてレアなアイテムをゲットしろってことなのさ」


 その安易な考えは駄目だろ……


 「さすがは隼人君。そこに気づくとは……」


 いや、止めろよ……


 「だろ、どうせ後ろにたくさんいるんだし、ここはとりあえずアイテムだけ回収して俺達の物にしようぜ」

 「「了解~」」

 「それによ、この俺がいるんだし開けて魔物がでてきても撃退してやんよ!」


 どうせ開けるなら菱田がボコボコになるぐらいの奴がいいかな。


 「隼人君頼もしいな」


 そんな菱田の強気な発言に安心したのか、二人は心置きなく宝箱を開けたのだ。俺自身も止めることなく三人のやり取りを後ろからそれを見ていた。


 「あれは……」


 だが共に歩いていたタピットがその光景をを見て、開けようとするのを止めようと声をかけ、急いで向かったが一足遅かった。タピットの声が三人に聞こえた同時に宝箱を開けたのだ。


 「なんだこの音は!?」


 大きな轟音が響くと同時に宝箱から大きな巨人が召喚され、三人の目の前に現れたのだ。


読んでくれて感謝です。頑張って投稿するので感想お願いします。



2019年3月10日修正

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