尾形の山越え2
もう少し尾形が続きます
山越えを中盤にを超え俺達は特に問題なく進んでいた。
山といっても長年かけて整備された努力の結晶とも言える道があるので馬車でいくことは可能だったので当初予想していたものよりもはるかに楽っであった。
「眠らずの地とはなんですか?」
この山は三つの国と1つの非戦闘地帯に囲まれているがその非戦闘地帯という単語が気になっていた。
「眠らずの地とは100年前の大戦における最後の激戦地であり戦争の終結を締結した場所です。そこには戦争で亡くなった者の墓標などもあり非戦闘地帯となったのです」
なるほど、しかしここで一番の疑問だ。
「そうなんですね~しかしならなぜ眠らずの地なんですか?眠りの地ならわかるのですが……」
「初めて聞くものなら確かにそう思うでしょう……」
「あそこは激戦地だったせいか悪霊がでるのとそれに影響されて魔物が強大化しているのよ」
「それもまともにあそこで武器を取ろうとすると悪霊がでるとか言われています。中にはおかしくなった者も何人も見ていますからね」
「こっちでも幽霊なんてもの存在するんですね~」
まぁ地球ではそんなものは証明できてなかったしいないとされていたがね。
ただそれは証明できなかっただけで東北地方にある飛行機墜落した森なんかは本気でヤバいとされていたしあそこにいった知り合いは車に大量の手形がついて帰ってきたという話を聞いたなー
つまり結論幽霊というものはいるのだろう。
「いるわ~悪霊が大量の魔力を受けて凶暴化して甚大な被害がでてことだってあるんだから~」
「だからこそ成仏させるべきなのでしょうがあそこは逆に霊を集めて弔い非戦闘地帯としてしまったことで今の現状を作り出しています。そしてあの付近にすむ白夜虎がより現状を悪化させています」
「たしかこの山からだと眠らずの地に行くには白夜虎の巣を通るんでしたよね?」
「そうよ、ジャジル王国から行くにしても絶望の森がファーガスからは怨念の霧道を通るのから基本は近づくことはないわね」
そういう場所を聞けば聞くほど怖さと好奇心が戦ってしまうんだよな~
強い人の後ろで金魚の糞をしながら行ってみたいものだ。
「ちなみに供養は誰が?」
「冒険者ギルドが毎年一回やっているわね。総長が直々に各国の使者を連れて白夜虎の巣を超えて墓標まで行き供養をするの」
「白夜虎は非常に好戦的ですがなぜか年に一回ある終戦締結日の冒険者ギルドの総長達が通る時は襲いません」
「それはまた不思議な……」
「そもそも白夜虎がここに住み着いたのは戦争の後らしいからそれも関係しているのかもしれないわね~」
俺達は途中で休憩をとった。
カーリンさんが調達した食べ物は日持ちのする乾燥したものがメインなので道中襲ってきた魔物を狩っていいた。
「今日はさっき倒したウェアウルフの肉といくつかとったフルーツに私がここに来る前に調達した乾燥系でいきましょう」
「けっこう調達していたみたいだけど思ったより狩る魔物に困ってないせいかあまり減ってないわね」
「そうですな~光一殿も思ったよりやれますし私のミスですな」
「いやいや、始めはカーリンさんの調達した食べ物メインで過ごしていましたし無駄なんてことはないですよ~」
俺はカーリンさんをフォローした。
実際俺がこの世界で生きていく術を身に着ける為にこういった日持ちする食べ物を把握するのは重要なことだしそれを勉強させてもらっている。
「光一殿はこの世界でどのように生きて生きたのでしょうか?」
「そうね、とりあえずはジャジルに来るとしてその後はどうするのか考えている?」
ジャジルについた後……とりあえずは少し休んで気持ちを落ち着けてからだが……
「そうだな~とりあえずは向こう着いて落ちついたら休むしそん時考えるかな」
どうせなら地球のいた時の知識を使って何か金儲けとかできたらいいなとも思うが……
「そっかーだったらさ私に仕えない?」
「スタセリタに?」
「うん、光一は強いし私の護衛になりなさいよ~悪いようにはしないから」
スタセリタは顔をニヤニヤさせながら言う。
悪い話ではないしファーガスから脱走した俺の盾になってくれるかもしれないがそんな疲れることを俺はする気は当然ない。
「ははっ、それはちょっと遠慮かな~」
俺は自由を目指す陰キャラだしそんな将来が狭まるようなことはしない。
「何それ~即答とか酷いじゃん!」
「だってスタセリタの護衛とか着いたら疲れちゃうじゃん」
「カーリンもいるし大丈夫よ、それに他の護衛つけたくないし……」
んなことは知りませんぞ~
「なんと……今まで私以外を護衛に希望したことのないお嬢様が……」
「そうなんですか?」
カーリンは驚きを隠せない様子だ。
スタセリタは今まで他の護衛希望を全部けっていて実質カーリン一人だけらしい。
「光一はあの時私を信じてついてきてくれたしジャジルでのあなたがそれなりの待遇を受けてもらう為にも私の元に置いておきたいの」
スタセリタはいつになく真剣だ。
なら俺も俺でちゃんと真面目に答える必要がありそうだ。
「気持ちは嬉しいが俺もやりたいことがあってさ。スタセリタに元にいるのはやぶさかでないが護衛というのは少し重い」
俺の言葉に対して少し考えているようだ。
「なるほどね、だったらとりあえず私の庇護を受けるために私の部下ということにしておきたいのだけどいいかしら?どっちにしろファーガス王国の話を聞かれるだろうし私の父があなたを野放しにしてくれると思えない」
確かに俺の身分を考えてすんなり自由を約束してくれるとも限らない。
それを考えるととりあえずスタセリタの部下になっておいてある程度の自由を確保するのが得策だな。
「確かにそれを考えたら名目上スタセリタの部下になるのが得策かもしれないな。カーリンさん客観的な意見をくれたりします?」
「そうですね~これに関してはお嬢様の言い分は正しいですな。敵国の勇者を自国で野放しにはしないでしょうし光一殿にある程度の自由を保障させることができる」
「まぁそうですよね~しょうがない、ここはスタセリタの口車にのっておくか~」
「ちょっと光一言い方!私はあなたのために言ってるのよ~」
スタセリタは少しご機嫌斜めな様子だ。
ちょっと意地悪なこと言いすぎたかな。
「ごめんごめん、スタセリタのことは信用してるよ。だからその話は素直に受けさせてもらうよ」
「まったく……初めからそういえばいいのよ~」
「ははっ、頼りにしてるよ」
スタセリタは少し機嫌を取り戻す。
完全に信用するにはまだ早いが今はこの2人についていくしかないのが現状だ。
「ふふっ、あなたは私の家来なんだからこれからは私の言う事には従うのよ~」
上機嫌なスタセリタがちょっとムカつくな~
「それとこれとは話は別だからね、そう簡単に言う事を聞くと思ったら大間違いだ」
「むっ、お仕置きね」
スタセリタはまたも俺にヘッドロックをかけられる。
「い、痛い……」
おっぱいの感触で力が抜ける。
「どうかしら?これでその生意気な口は塞ぐ気にはなったかしらね~」
「ふん、生意気なのはスタセリタの言動だね~」
俺は抵抗を続ける。
いい匂いだ……
「ふふっ、いいわ~時間をかけてゆっくりと調教してやるわ」
「の、望む所だ」
そんなやり取りにカーリンは少し呆れながらも嬉しそうに見ていたが何やら気配を察したのか俺達のじゃれあいを止めた。
「2人共ストップです!」
「えっ!?」
「何やら大きな気配を感じます。ここを離れましょう」
カーリンは馬車の進路を変更し近くにあるスポットへと移動した。
スポットへ移動し馬車から降りるとカーリンは疲れが一気に来たのかその場に座り込む。
「カーリンさんいったい急にどうしたんですか?」
「白夜虎の気配がありました……」
それを聞き俺とスタセリタはさっきまでとは一転、不安を顔に出す。
「昼は動かないはずじゃ……」
「そのはずですがここは眠らずの地につながる白夜虎の巣の近くだけあって昼の時間でも動いているというのは報告がを受けています」
「それでどうする?」
「私と光一殿で様子を見に行きます」
「へぇっ?」
俺は事態を呑み込めないままカーリンさんに連れられ白夜虎を見にいく羽目となった。
来週あたりから投稿ペースが戻るはず……




