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迷宮攻略

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 俺はこの日変な夢を見た……いやいつも見ていたが今日は妙に鮮明だった。今いる異世界のような場所で知らない奴らと一緒に有り得ないほどの力を使って敵を殲滅する。


 そしてそこにあいつもいて……

 

 この世界に来てからその夢を徐々に見始めるようになっていた。だがあいつが隣にいて俺は強大な力を使って敵を殲滅する度に夢だというのを実感するんだ。

 

 それは何故かって?

 

 答えは簡単だ、力とあいつを今俺が一番望んでいるからだ。欲しい物を手にした光景を見せるなど夢に決まっているからだ。そして最後は金髪の男が俺に何かを言う。その囁きが何て言ってるのかやっと今日分かったんだ。見知らぬ男は俺に一言……目覚めよと言っていた。



 ◇ 



 こちらの世界に来てから一ヶ月……とうとうクラス全体での迷宮攻略が始まり、クラスメイト達は張り切っていた。騎士団長代理であるタピットを含む精鋭達が、生徒達とともに迷宮を進んでいく。このクレセント大迷宮を攻略したのは過去に召喚された初代勇者とその一行だけとされている。そもそも何年前にできたかわかっておらず、推定で千年以上前としかわかってないのだ。

 

 過去にタピット騎士団長は単独で百層まで攻略している。もっとも召喚されたクラスメイトはギフトを持っているので、一人を除けばソロで五十層ぐらいまでの攻略は可能なぐらいに成長している。それだけ成長力が違うのだ。


 ちなみに魔物を倒せば魔石が手に入りその魔石で武器や防具を作ることができる。当然魔物の死体も素材としての価値が発生するし、それはファンタジー世界が舞台のゲームと同様だ。こないだはタピットさん、嶋田、木幡、月島、杉原、菱田チームで百層まで楽々攻略したらしい。


 俺はというと一応後衛としてついてきているが、それは一人だけ連れて行かないのは不憫だったかららしい。まぁこんなお荷物攻略の邪魔でしかないからな。朝こっそり月島と勇者カードのパーティ登録をしたので、月島は勇者カードを確認しながら俺が後ろからついてきていることを確認しているらしい。ちなみにパーティ登録機能は五人までという制限がある。

 

 まったく月島は面倒見が良すぎるぜ~


 「この時間こそ図書館に行くべきなのだが……」

 「周平、お前も召喚された勇者なんだし一緒に来るべきだ」

 

 横で俺に話しかけるのはタピット騎士団長代理だ。クラスメイトからないがしろにされている俺を不憫に思ったのか、いつも俺のことを気にかけてくれている。タピットだけでなく兵士の人も俺の訓練に付き合ってくれたりしてくれている。 隠れて訓練できる場所を俺に教えてくれたのも兵士達だ。


 「なぁにステータスが低くても周平は一般人レベルってだけだ。別に生きていけないわけじゃないだろ」


 前から話かけてくるのは騎士団員のトラスト、タピットの直属の部下の一人だ。


 「周平は頭がいいから戦闘面よりも別の方向で成功できると思うけどな~」


 同じくタピットの部下のガルボだ。騎士団員達はけっこういい人が多くかなり助けられた。俺も完全に見放されたわけではなさそうだ。


 「まぁトラストさんよりは頭が働くかもしれませんね」

 「ははっ、違いないな」


 タピットが笑いながら言うと周りの兵士達も笑う。トラストは顔を真っ赤にして俺の頭を軽くたたいた。


 「こんにゃろ、生意気いいやがって~」

 「でもそれだけ余裕がでてきたってことだな。よかったなトラスト、お前も相手してくれる人ができて」


 今度はガルボが茶化して言う。


 「うるせぇ、でもまぁお前が他の奴等にやられている時は本当に心配だった。だからこうやって頼ってくれて嬉しいぞ」


 トラストは少し照れくさそう顔をする。


 そう言って手を差し伸べてくれた俺こそ感謝いっぱいだってのに……いつか恩返しをしないとだな。


 「まぁ何にせよ周平、お前には色々感謝しているよ。騎士団員やその他兵士達が世話になっているのも聞いているからな」

 「いえいえ、俺としても助けられっぱなしじゃ気分が悪いので」


 俺が兵士達と仲良くしている姿を横目でクラスメイトのほとんどは内心いい気はしていないだろう。だからこいつは弱いから同情されているんだなと勝手に解釈して気を紛らわす生徒が大半だ。だが俺とてただ手を差し伸べられて兵士達と親しくなったわけではない。毎晩本を読みそれを字の読めない兵士達に説明したり時には計算を教えたりとクラスメイトの知らない所で生きるための努力を重ねた結果だ。


 「おらぁ!」


 前衛として一番前を歩く菱田与えられた剣で軽快に魔物を倒す。あいつに剣を持たしている以上ちょっとした不安がよぎるが、今はそんなこと気にしてもしょうがない。


 「さすが隼人君」

 「へっ、これぐらい屁でもないさ」


 さすがは菱田といったところなのだろう。ガラが悪く訓練なんかもサボるのかと思いきや、強くなることに貪欲でどんどん強くなっている。


 「俺達も菱田達に遅れをとるわけにはいかないな」


 嶋田達四人も負けずと前にでて魔物を倒して進んでいった。


 予め百層まで攻略しているメンバーがいたので百一層からのスタートだったがサクサク進み百二十五層を突破した。迷宮は二十五層ごとに転移魔方陣があり、それを守るボスがいるが百二十五層にいたメタルタイガーも余裕だった。


 嶋田の異能である元始の爪は腕を恐竜の腕に変化させて攻撃するものだ。恐竜化した腕の攻撃は高い攻撃力を持つだけでなく、高い防御力と魔法も弾くことができる。さすがはAAランクの異能といった所である。もちろん嶋田だけでなく月島の魔法も凄い。魔法は第十位階まであり人間の到達は第七位階までが最高とされている。


 七位階の攻撃魔法であれば種類にもよるが、大きなお屋敷一つぐらいなら簡単に吹き飛ばせるし、もっと広範囲での殲滅も可能となるらしい。七位階魔法は最上級魔法として扱われ、人類単体では発動できないその上の魔法は、未知の魔法インビシブルマジックと呼ばれている。第八位階魔法は超級魔法、第九位階魔法は絶級魔法、第十位階魔法は極級魔法に分類され、これらの魔法の中には魔道具を使用したり複数の詠唱等で成功したのも一部あるらしい。


 勇者の大半はもう第三位階魔法に到達しており、中でも月島はもう第四位階をほぼマスターしたのだ。


 「よし休憩も済んだし、もう少し先に進もう」


 タピット騎士団長の掛け声のもと進んでいく。


 俺はこの時嫌な予感がした……

 

 何故かと言えば問題なくさくさく進みすぎているからだ。さくさく進むクラスメイトも同行するタピット達も慢心し始めていたのを俺は薄々感じていたのだ。


改稿許してください…


2019年3月10日修正


・魔法分類

第一位階魔法→初級魔法

⇒一般人間族は皆習得する

第二位階魔法→下級魔法

第三位階魔法→下級魔法

⇒ここまでは誰でも習得可能

第四位階魔法→中級魔法

第五位階魔法→中級魔法

⇒魔法適性なしの限界

第六位階魔法→上級魔法

⇒適性者のみが辿り着く領域

第七位階魔法→最上級魔法

⇒人間の限界

第八位階魔法→超級魔法

第九位階魔法→絶級魔法

第十位階魔法→極級魔法

⇒限界を超えた超人の領域



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