表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
47/280

実の実力

2日に1回は投稿する気持ちでやってますw

 素材を換金してギルドを出た。


 この街を拠点に動くのも悪くないと思う。何しろこの街に攻めてくる奴などいないからだ。


 「さて次の妖精の国では初代妖精王ロードリオンと九十九とちゃんと再会し、妖精の国にあるオンラクの迷宮を攻略し、二人の力の回収だね。おそらくあそこの迷宮には、立花ちゃんの力の一部である白皇結晶が眠っていたはず」

 「詳しいな」

 「まぁね、ファラモンドにあるレガリアの迷宮には狂魔結晶が、オルメタの迷宮には両方が封印されているってランスロットの奴が言っていたよ~」

 「なるほど、先生のお膳立てが予めあるわけだ」


 百年前、騎士団が散り散りになることを黒姫は予測していたのだろう。現存する神殺しのほとんどが現在この世界に来ることはできない為、予めその前に力の在りかを見つけだし、各迷宮に移したと考えられる。それこそが黒姫やランスロット先生のお膳立てだろう。

 そもそも九百層にいたマスターゴーレムは、この世界の技術での作成は不可能だし、あの感じからして作成したのは、神殺しの一人である図書館ザ・マスターだ。


 出発は明日と言うことで、今日は観光をすることにした。


 「とりあえず、今日は二人仲良くデートしてくれ。俺は単独で街を散策するよ」

 「すまないな」

 「実ありがとう~」

 「邪魔するわけにはいかないからね~それじゃあ俺は行くよ」


 実は一人行こうとすると、突然呼び止められた。


 「そこのお前達!」


 俺達を呼び止めたのは、転生してからお初となる獣人族の女性だった。所謂ケモミミって奴で、短い金髪に整った顔と、猫耳につい目がいき、見蕩れてしまいそうになる。だがその引き締まった体つきには力強さを感じる。


 「なんか用か?」

 「九兵衛さんを連れて行くのはお前達か?」


 獣人族の女はどこかご立腹な様子だ。


 「そうだがあんたは?」

 「私は九兵衛さん専属の万能秘書であるザルカヴァ・ストイコビッチよ。九兵衛さんを連れて行くなんて絶対許さない!」

 「俺達は九兵衛さんからその申し出を受けているんだが……」


 首を傾げて言う。九兵衛さんもこういう亜人種にはモテるんだよな。


 「そんなのはわかってる……でも昔の仲間だからって、私を差し置いていくなんて私は許せないわ!」

 「うん?好きなのか?」

 「う、うるさい!」


 この反応からして、どうやら九兵衛さんに惚れていて、俺達がその九兵衛さんを連れていくのが、気に入らないらしい。


 ステータスはこんな感じだ。


 ザルカヴァ・ストイコビッチ

レベル:202

種族:獣人族

職業:戦士

攻撃:28088

防御:22022

魔法攻撃:18008

魔法防御:22022

素早さ:28088

魔力:18008

異能:トライデントホーン(A)

称号:死槍鬼デスランサー


 「ザルちゃんやめなさい~」


 するとイネーブルが追いかけてきた。


 「ぐっ……止めるなイネーブル、私は……」


 イネーブルがザルカヴァに飛びつき抑える。


 「すいませんね、悪い子じゃないんですけど総長にホの字なもので~」

 「ハハッ、見てればなんとなくわかるよ」

 「ううっ……私を差し置いていくなど……」

 「ザルちゃん諦めなさ~い」


 そんなやりとりをしている中、実は口を開きザルカヴァを挑発する。


 「だったら俺と勝負して勝ったら連れてくってことにしたらどうだ?」

 「おい実、いきなり何言いだすんだよ」

 「この人を納得させるならそれが一番早いんじゃないかな。四人の中で一番弱い、俺に負ければ

旅に付いて行く資格はないということになり、この人も諦める……そうだろ?」

 「まぁ案としては悪くないわ。そこのあなたもそれでいいかしら?」

 「わかったわ……その細い人倒したら私も付いていく……それでいいかしら?」

 「ふふっ、成立ね」


 決闘のできる場所へと移動する。

 冒険者ギルド総本山の裏庭だ。

 ルールはどっちかが負けを認めるまでで、重傷を負うような事態になったら、即ドクターストップといった感じだ。まぁ実の奴は俺に似て、女には甘いから手加減するだろう。


 二人は武器を構える。


 「しかしザルのやつもしょうがないな~」

 「誰かさんがちゃんと言ってくれれば、こんなことにはなってないんですがね~」


 立花は嫌味ったらしく言う。


 「まぁそう言わないでよ立花ちゃん~でも迷宮の深層に潜るなら、最低実ぐらいないと連れてはいけないからね~」


 迷宮の最下層じゃ、ステータス十万超えがざらに出てくる。

 二十柱を除けば、最高クラスの戦闘能力を持つ実でさえ、ギリギリである以上、ザルカヴァを連れていくことは難しい。


 互いに武器を持ち、構える。

 実は日本刀でザルカヴァは槍だ。


 「ではいきますよ……」


 戦いの開始のゴングがきられると、ザルカヴァは同時に武器を構え直し、襲ってくる。


 「さて、遊んでやるか~」


 実は虎徹零式を手に取り構える。


 「はぁぁぁぁ!」


 ザルカヴァの槍の猛追を、刀の鞘の抜いていないまま捌く。ザルカヴァも相当の実力者ではあるが、実の刀の鞘を抜かすには実力が足らない。まぁあのステータス差なら当然だ。


 「なかなかだな」


 実は槍を捌きつつも、鞘の収まったままザルカヴァを狙い突く。


 「くっ……」

 「だけそど、俺達と行くには足らないね!」


 実が猛追を始めると、ザルカヴァは防戦一方となる。ザルカヴァが後ろに大きく下がった所で、実はコントラクトスキルを発動した。これは特殊な魔法を用いたもので、純粋に一定以上の力のあるものが行使することで、自身よりも下の者にスキルを与えるというものだ。神魔法の使用なので、最低でも戦姫のレダさんぐらいの力がないと行使することはできない。


 「賤ケ岳七本槍!」


 実の周りに七本の槍が出現し、ザルカヴァに向かって飛んでいく。昔からこの技を良く使っていたのでなつかしい。

 ザルカヴァはなんとか避けたが、大きな隙が生まれた。実の戦国統一絵巻は、俺達の世界での戦国時代の戦いをモチーフにしたもので、複数技が存在する。


 「神速居合抜き!」


 実は鞘を抜き、ザルカヴァがとらえきれない速さで間合いに入り、首元で寸止めした。


 「チェックメイトだ……」

 「嘘……」


 ザルカヴァはその場から崩れ落ちた。


 「勝者実!」

 「腕は衰えてないようね」

 「久しぶりに拝見したが、安心の腕前だ」

 「これで諦めがついたかな。君も強いが、まだまだ上には上がいるからね。今回の敗北を糧にこれからも……」

 「ううっ……総長そんな私のことが嫌いですか?」


 ザルカヴァは顔を真っ赤にして、今にも泣く寸前だ。


 「そ、そんなことあるわけないだろ~」

 「だったらなんで私を連れて行ってくれないんですか?」

 「それは危険だからだよ。実ですら倒せない魔物がでてくる迷宮に行くからね~」

 「でもあいつの遥か上を行く総長や、そこの二人がいれば私を守りながらいけますよね?」

 「いい加減我儘を言うのは……」


 九兵衛さんの言葉選びが悪かったのだろうか、ザルカヴァはその場で泣きわめく。


 「うわぁぁぁぁぁん。総長の馬鹿~ぐすん……なんでそんなこと言うんですか~」


 ザルカヴァは泣き出し九兵衛は慰めるようにフォローに入る。


 「ごめんごめん、そんな泣かないでおくれ~」

 「どうしても我慢できない事があったら、自分に言いなさいって言ったくせに~」

 「それは確かに言ったけどね……ほら今回は本当危ないからね……」

 「ぐすん……昔何があっても守るからなんて言ったのに~」

 「それも確かに言ったけどね……それとこれとは話がだね……」

 「総長の嘘つき!うわぁぁぁん」

 「落ち着きなさい~」


 ザルカヴァは泣き止むどころか、さらに大きな声で泣く。一生懸命なだめている九兵衛さんの額からは冷汗が止まらないのか、だらだらと流れている。九兵衛さんの優しさと、駄目男っぷりが見事に合わさった結果とも言える。


 「俺達はとりあえず出かけるが後はちゃんと収集つけておけよ」

 「まったく九兵衛さんは相変わらず女性には優しいね~」

 「君たち?まさか見捨てないよね?」


 俺達を見る九兵衛さんの瞳は、本当に二十柱の一角である巨人王かと疑いたくなるぐらいの、弱々しい瞳だ。そんなすがるような九兵衛さんを助けてあげたいとこだが、横で立花が俺を睨んでいる。


 すまないが自分で対処しておくれな。


 「周平、俺を見捨てるとか嘘だよね……」

 「周平は私とデートなので九兵衛さんは自分で対処してくださいね~」

 「そ、そんな……」


 すまない……俺は後ろを振り向くことなくその場を後にし、実も同様にその場を離れたのだった。


とある知り合いから設定が細かいんじゃねなんて言われたのですがわかりにくいですなんて思う方いたら是非とも感想までお願いします。感想書いてくれたのに消された方がいたのでどんな感想であれ残していただけたらしっかり返信もしますのでよろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ