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百年ぶりの会話

遅くなりました……

 水晶のある部屋に戻る。


 「起動するわ」

 「ああ」


 これで俺達は二十柱として完全体となった。これでこっちの計画も稼働できるが念には念をで話を聞いてからだ。


 「いくわ」


 立花が水晶に触れると光りだす。さて誰がでるか……


 「……聞こえるかのう」


 この低い威圧感のある声は一人……まぁ予想通りだな。


 「はい、お久しぶりですねランスロット先生」

 「久しいのう~周平もおるか?」

 「ちゃんといますよ、久しぶりですね先生」


 俺達の卒業したレインズ魔法学校校長にして二十柱が一角鬼神ランスロット・ガルティーモア。過去に何人もの優秀な教え子を排出し、優秀な指導者としての一面もあれば、世界を裏でコントロールするキングメーカとしての一面も持つ。まぁ頭が切れるすげー強いじいさんだ。


 「うむ、ここに来たということは力も完全になったという認識でよいかのう?」

 「ええ、私も周平も力は完全になったわ。あなたの想定通りの展開なはずよ」

 「ハハッ、確かにワシは黒姫が視た未来を元にお主らがどうなるか予測はしてるが、そっちの世界には邪魔な仕切りがあって正確には程遠い。リオンと夢の中で話したが想定外な事もたくさんあったぞい」

 「でも俺の事は概ね予想通りだろ?」


 そもそもこうなる事はこのじいさんや黒姫はわかっていただろうからな。


 「そうじゃのう~じゃがタイミングは全く読めなかった。少なくとも力が完全になる前にその事を意識するのは予想外じゃ」

 「てことは俺がこの後やる事のあれ関連は想定外だったわけか」

 「うむ、お主のあれで勇者達の今後は読めなくなったのう。そちらにいけないのが非常に歯痒いぞい」


 いつもわかった風であれこれ言ってたんだ。たまには黙って見てるのもいいかもな。


 「フフッ予想が捗りますね~たまには神域で紅茶を飲みながらゆっくりしているのも悪くはないかと」


 立花が皮肉を交えて言う。


 「ふっ、それは皮肉かのう立花?」

 「ええ、たまには教え子を信じてほしいものですわ~」

 「信じているさ、だがワシがつまらんのだ。まぁ今回は手出しもできないしそうさせてもらうがのう~」

 「任せとけって~それで何か俺達が気をつけることはあるか?」


 向こうでもこっちの助けになるべく動いているようだし、聞いておかないとだからな。


 「そうじゃ、お主達に伝える事がある……まず力が完全になっただろうし、しかるべき戦いに備える事、そして諸々の準備が終わり次第、パールダイヴァーの導きの間の祭壇に来る事じゃ」


 そういえば図書館ザ・マスターの奴が言ってたな。忘れた訳じゃないけどそれについてあんまり深く考えてなかったな。


 「勿論、そんなもんわかってるぜ」

 「うむ、では一つ勇者達の事で一つ伝える事がある……」

 「勇者?」

 「勇者達は今のお前達からしたら恐れるに足らない存在……じゃが甘くは見ない事じゃ」


 ランスロット先生が淡々とその話を始める。


 「何だと……」

 「そういう事じゃ、盲点と言えば盲点じゃが納得できる話じゃろ?」

 「確かに……」


 それを聞いて驚くと同時に納得した。勇者達の急激なパワーアップや考え方の変化などそれを考えれば納得だ。だがここで一つわからなくなる。俺を殺そうとしたあいつの思想はそれが原因だったのか、それとも元からなのか……今後勇者との接触で結局向き合うわけだが前者か後者かで俺の対応は変わってくる。まぁ今考えるべきではないな。


 「まぁ油断しなければ取るに足らんさ。偽神を倒せば済む話だしのう」

 「だな、早くそっちとのルートを確立させたいな」


 偽神殲滅して次元エレベーターを完成させれば、あっちの世界に戻す事が容易になるからな。そうなれば先生を含めた他の二十柱も介入できるようになる。


 「待ち遠しいのう……それとガルカドール卿の方はまだ復活にもう少しかかると聞いているが、必要なら強硬策も許そう」

 「それはつまり街を一つ無に帰してもいいという事ですか先生?」

 「おい、立花流石にそれは……」


 勿論手っ取り早いが故意にやるというのは流石に気が引ける。というかやりたくないしやって欲しくもない。


 「向こうの親玉とやる時、こっちの戦力がアクシデントとかで著しく減少するような事態が起きたらそうせざるを得なくなる……その時は手段を選ぶなという事じゃ」

 「はい、その時は周平に邪魔をされようとやりますわ。この百年を無駄にしない為にも……」


 立花は俺の方を見て、釘を刺すように言う。そんな事態にならない事を祈るばかりだ……


 「流石にわぁってるよ立花、そうなったら仕方ない」


 責任を押し付けるのは良くないしダサいからな。


 「ならいいわ、大丈夫……その時は二人でやりましょう」

 「了解……」

 「むっ、そろそろ時間か……まだ話したい事があるが、それは導きの間祭壇に来た時にするかのう」

 「そこでも話せるのか?」

 「図書館から聞いてないのか?あそこも最低一度は繋がるようになっているし、つないだ時の時間が長い、他の者も集めて会話ができるじゃろう」


 確か原初の聖域とかの事も言ってたな。準備を整え次第向かうとするか。


 「ではさら……ば……じゃ……ま……た……」


 通話が切れ、水晶の輝きがなくなる。


 「終わったか、久しぶりにあのじいさんの声が聞いたが相変わらず変わらんな」

 「フフッ、老人なのは見かけだけだからね~」

 「さて、話が終わったしちょっと向こうの部屋で済ませてくるわ~」

 「了解、こっちは少しでも影響を軽減するわ」


 大掛かりな儀式というわけではないが、全ての迷宮と連動するのを併せてやるので少し外の世界に影響があるかもしれないからな。外で立花にそれを抑えてもらう感じだ。四つの迷宮を攻略すると四つが繋がり攻略者にとっては便利な転移装置となる。こっちのあれはそれと連動させる事で場所をあそこに移す。


 「さて……さよならなか……」


 思えば昔雪とのあの一件の時、あれが最初だったんだな。それから何度か……意識に溶け込むようで深く考えはしなかったが今はハッキリとわかる。


「さて頼んだぜ……」


呪文を唱え、祭壇で儀式を行った。



 ◇



「ん?」

 

 それは世界に今に拡散した波動、その微弱だが星全体を包むように放たれたその波動を一部の者達は感じ取った。


 「九兵衛さん今……」

 「そうだね~きっと力の回収は無事終わったという事だろうね~」

 「やっとだね。こっちも忙しくなるね」


 それは戦いの始まりの合図でもあった。今までは二人の力を完全なものとするというのを優先してきたが、もう違う。過去数百年の因縁に終止符を打つべく本格的に動き出すだろう。

 

 「周平……」


 陣にとって今感じた波動は戦いの合図というよりも前に話した計画の始まりの方が頭によぎる。偽神との戦いは勿論重要だが、彼はもう一つの方もより気にしている


 「周平ならどうなろうと上手くやってくれるさ」

 「はい、勿論信じてますよ。ただあっちに参加できないのが少し残念だなと」


 元々勇者である陣としては混ざりたいという気持ちがあるのだろう。だが陣は今や二十柱、偽神との戦いがあるし立場がそれを許さない。


 「君も周平みたいなことができれば良かったけどね~」

 「ハハッ、あれは偶然の産物だって言ってましたし、同じこと仮にやると百年以上かかるし成功するとも限りませんからね」


 だが陣はここで一つ安心していた。杉原と月島がこれで報われるからだ。


 「さて俺はそろそろ向こうに呼ばれる気がするから準備するかな~」

 「あれ、出禁喰らってましたよね?」

 「そうなんだけど恐らくあの二人がそれを不憫に思いそんな現状を変えるため動くだろうからね~」

 「それじゃあこっちは結界の準備にはいるか、陣手伝ってくれるかい?」

 「はい」



 ◇



 こっちはファラリス連邦聖地ペブルス、シンやレダもまたその波動を感じ取っていた。


 「回収を終えたようだな……」

 「そのようね、これで始まるわね」

 「ふっ、そうだな。もっとも俺達は若干フライングで動いてるがな」


 聖地ペブルスに潜入してもう一月近く、周平達のファラモンドを制圧してからこの地は混乱していたが、それのおかげもあって順調に教団の内部に入りこんでいた。


 「レダさん~」

 「どうしたの祐二?」

 「神父が用があるらしいんですが……」


 それを聞くとレダが舌打ちをする。その神父とやらに気に入られたのか愛人の打診を受けているからだ。


 「あのハエ……そろそろ殺っちゃいましょうかしら?祐二の前であの発言をしたにあの時に殺しておけば良かったわ~」

 「僕もあの人は嫌いです……」

 「なら俺もともに行こう。まだ使い道があるし、衝動で殺されてはあれだからな~」

 「あら、洗脳でもしてくれるのかしら?」

 「ふっ、そのまさかさ」


 ペブルス入りをした後は二つに別れて行動していた。レダと祐二は教団の内部に入り、シンとレイチェルはペブルス内部に潜む反対派をまとめてあげていた。


 「変身するなら教団の偉い人に化けてちょうだい」

 「ああ、ここに来てからいくつもの顔になっているから任せてくれ」


 顔を変えて裏工作に使って、教団内部を混乱に陥れているシンからすれば朝飯前だ。反対派の集会の時はまた別の顔を使って顔を出してと、教団の刺客の目もかわし続けていた。


 「それじゃあ、早速いきましょう」

 「うむ」



 ◇



 「ふぅ~」


 色々とこれで準備を整ったか。儀式は成功したがあれが動き出すまでは暫く時間がかかるな。まぁ一回ギャラントプルームに戻って情勢を把握する必要があるし、その後の方が都合がいいな。


 「さていくか……」


 立花の待つ中央の部屋に移動する。


 「お疲れ様~」


 部屋に入ると立花が抱きつく。


 「思ったりより時間がかかってすまんな~」

 「問題ないわ。それよりも身体の方は大丈夫?」

 「ああ、むしろ元気一杯だよ。力が完全になったからか体の不調が嘘のようにぶっ飛んださ」

 「フフッ、無理は禁物よ」


 立花がキスをしてくる。


 「チュ……ンッ……ちゃんと変わらず周平ね」

 「ハハッ、元から俺は俺だよ」

 「そうだったわね。それじゃあ上に戻りましょうか」

 「宮本やヴァルドマインも待たせてるからな。里の問題もちゃっちゃっと済ませようか」


 転移陣に向かう。俺も立花も今回の回収で完全体となったのだ。


 神山周平

レベル:999

種族:魔人族

職業:魔神

攻撃:1220000

防御:1200000

魔法攻撃:1200000

魔法防御:1220000

素早さ:1210000

魔力:1200000


 固有スキル:魔神の戒律

異能:アイスショット(C)、チャッカファイア(C)、粘着弾(B)、チャージショット(A)、天の糸(AA)、物質具現(AA)、不死鳥の橙炎フェニックスフレイム(S)、完全記憶パーフェクトメモリー(S)、砂のデザートロード(S)宝物庫シャツカンマー(S)

 称号:神殺し、煉獄の王、クレセントの悪魔、オンラクの悪魔、レガリアの悪魔、オルメタの悪魔、迷宮王


 神明・Fフォルモサ・立花

レベル:999

種族:エデン

職業:大賢者

攻撃:1200000

防御:1200000

魔法攻撃:1225000

魔法防御:1225000

素早さ:1200000

魔力:1200000


 固有スキル:大賢者の叡智

異能:スタンボルト(C)、ハンドカッター(C)、物質硬化(B)、認識阻害(A)、熱線砲(AA)、溶解液(AA)、麒麟の蒼雷キリンライトニング(S)、大再生ザ・リバース(S)、雪のスノーロード(S)、王のルールブック(S)

 称号:神殺し、魔法神姫、クレセントの悪魔、オンラクの悪魔、レガリアの悪魔、オルメタの悪魔、迷宮王


次もできるだけ早くあげます。

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