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迷宮攻略と苛立ち

久しぶりに投稿します。

「随分楽しそうな会話をしてるじゃない?」

 「今はただの面倒事に間違いと思うんだが……」

 「フフッ、そう言わないの。この街気に入らないし、折角だからその面倒事に参加して解決しちゃいましょう~」


 立花は楽しそうな表情を見せる。この顔は俺がやらなくても一人でもやるだろうし、諦めて参加しないとだな。


 「はぁ~わかったよ。だが明日迷宮入り予定だがそれはどうする?」

 「それは予定通り入るわ。より威厳を出す為に力は完全の方がいいわ」

 「了解、だがそれだと一月近くかかる。その間はこいつに待ってもらうという事になるがそれでいいのか?」

 

 迷宮をまともに攻略したら、いくら俺が全速力でやってもそれぐらいの時間はかかってしまう。何しろ一〇〇一層もあるからな。


 「そうね、だから少しでも早く攻略する為に私と周平の二人で攻略するわ。二人にはこの子に面倒を見て貰いましょう。それで大丈夫かしら?」

 「はい、私を九兵衛さんの元に連れて行ってくれるなら、その間の保護は手厚く行います」

 「成立ね、ついでにその反対派とやらをフルボッコにするけどその協力もしてもらおうかしら?」

 「それは私にとっても嬉しい話です!喜んで協力します」


 立花とアキーダが握手を交わす。結局こうなるか……どうせいつかはやらないといけない問題だし、しょうがないか。


 「さて明日は予定通り迷宮攻略だし寝ましょう。あなたもついでにここに泊まっていきない。朝に二人を保護してもらいたいわ」

 「わかりました。寝る前に一つ聞いてもいいですか?」

 「何かしら?」

 「私達の種族であなた方と同等の力を持つ、我らが王である人魚姫マーメイドクイーン様はどういう方なのですか?そして私達はその方と会う日が来るのでしょうか?」


 セプ姉は二代目、元人間で二十柱になってからこっちの世界に来た事がなかったな。本来セプ姉がいればこういう同族の争いもうまく収まるんだろうからな。


 「あなた達の王であるセプ姉こと人魚姫セプター・スペシオーサは時に本当の意味で優しく、下の者からは慕われるしっかり者のお姉さんってとこかしら。私が素直に尊敬して慕った、、数少ない女性の一人ね」


 そういや夫であり竜王のジェラードさんに対して、自分以外の女性を抱く事を許さず、二番目三番目がいなかったな。ジェラードさんモテたし女好きだから苦労しただろうな……立花はそんなセプ姉から色々学んだせいで、俺も今そういう方針をとられているという訳だ。


 「しっかりもののお姉さんみたいな方なのですね。いつか会ってみたいです!」

 「フフッ、いずれ会えるわ。私達はその為に戦っているんだし」


 

 ◇



 「それじゃあ、いってらしゃい~」


 次の日の朝、早速オルメタの迷宮の前まで行き、宮本、ヴァルドマイン、アキーダに見送られていた。


 「なるべく早く戻るからそれまですまんがよろしくな~」

 「任せてください、責任もって面倒を見ています」

 「フフッ、よろしくね。でも二人とも迷宮見学させてあげられなくてごめんなさいね」

 「ううん、私的にはむしろそれで良かったよ。二人の邪魔したくないし、ヤバそうな番人なんかみたくないし」

 「同感ですね。素直にお留守番していますよ」


 二人ともむしろ嬉しそうな感じだな。これだとむしろ連れて行きたくなってしまうな。


 「宮本~お前は後日連れてくから楽しみにしててくれな」

 「ハハッ……勘弁してください」

 「いってらしゃい!」


 迷宮の中に入る。なるべく最短での攻略をしないとだしどう攻略していくかだな……


 「ねぇ周平」

 「ん?」

 「今あなたは迷宮攻略をどう効率よく最短で攻略するかについて考えていたと思うんだけど……」

 「よくわかってんじゃん~」


 安易に変な事想像してたら刺されるかもしれんな。こいつだけは絶対に敵にできんわ。


 「あなたの嫁として当然ね。それでその方法でいい方法があるわ」

 「どういう方法だ?」

 「あなたが前にクラスメイトに嵌められて、殺されそうになって覚醒した時の事覚えてるかしら?」

 「ああ、そんな事もあったな」


 あれからそんなに時間は立ってないが、随分前の事に思えるな。尾形と月島と杉原と先生は元気でやってるだろうか……


 「その時迷宮が崩れたのは当然覚えているわね?」

 「ああ、ってまさか?」

 「そのまさかよ」


 まさか力任せに地面に穴開けて下の階にスキップするって事か?そういやあん時鉄巨人ごときの攻撃でよく地面に穴が開いたよな?あれ何でだったんだろう。


 「王の書によると迷宮の特性上、フィールドが劣化しないように、不定期でフィールド自体を変化させて劣化を防いでいるわ。つまりその変化の時、地面が崩れてその場面にいれば一気に下の階に行くことができるわ」

 「なるほどな。なら俺が本気出して地面を破壊すればいいってわけだな」

 「それは駄目よ。確かに地面に穴をあければ再生機能が働くけど、それで加減を間違えて迷宮自体が損傷して、機能に障害出て下に最下層にいけなくなったりする可能性があるから面倒よ。しかもそういうズルをしようとすると最下層への防衛機能が働くわ」


 そんな余計な機能まであるのかよ……それじゃあどうすれば……


 「それじゃあそのフィールドが自然に変化する時を狙うって事か?」

 「その変化は基本的には、、誰かがいる階では起きないようになっているわ」

 「えっ、でもあの時はあの階にたくさん人がいたはずだが?」

 「ええ、とある条件を満たせばその現象を起こす事ができるわ。その条件は罠に嵌まる事ね」

 「罠に嵌まる?」

 「そう、罠に嵌まった階ではその罠を新調する為にフィールド変化を起こすわ。その時に地面に強い力を与えれば崩れて下の階に一気にいけるわ」


 なるほど、だけどあの時は地面にそんな力を入れたりしなかったのに崩れた気が……地面を破壊したのは鉄巨人の攻撃だったし一体どういう事だ。


 「なぁあの時俺は地面に力を入れなかったんだが鉄巨人の攻撃で簡単に崩れた。それに関しては説明できるか?」

 「ええ、わかると思うけど、鉄巨人の攻撃で地面が崩れてたら、毎回罠に嵌まる度に行方不明者が増えているわ。だからそれは本来は起こりえない」

 「じゃあ一体……」

 「私が先に攻略した時に下に行って聞いた事だけど、あれは黒姫が事前に仕組んだからよ。周平が覚醒して魔神の力を迷宮が察知した段階で崩れる仕組みになっていたのよ。だからその鉄巨人の攻撃で地面が崩れたのは偶然ね。罠踏んだ段階でフィールド変化のスイッチが入るから地面を突き破ったりする事にペナルティはなくなるけど、実際に変化が起こるのはその階に人がいなくなった後だろうし」


 黒姫の差し金か……それなら納得はできるが、あいつの力をもってしても遠く離れた場所から、この世界に干渉できているのが気になるな。あの迷宮自体が特殊で、二十柱が外から干渉できないような状況下でも、多少の干渉を可能にしているというのは間違いないだろうが。


 「なるほどな~でも黒姫といい、ジェラードさんといい、図書館ザ・マスターといい何であいつらはここに干渉できるんだ?」

 「迷宮の管理を元々この世界でやっていないからね。どこでやっているかは王の書にも書いてないから流石にわからないけど」

 「それはあり得るな。元々遠隔操作で設定を変えてたから、干渉不可の状態でも多少は干渉できたってなら説明がつく。あの戦争後から百年も準備する期間があっただろうしな」


 二十柱が干渉する事を不可能にしているこの状況下で多少なりともそれを可能にしているという事はそこを解析すれば次元エレベータを完成させる手掛かりになるかもしれないな。後で直樹に伝えておくか。


 「そういう事ね、早速罠を探して急ぎましょう」

 「ああ、だがその前にこの先にいるの片付けてからだな」


 そう、この先に複数の気配を感じるのだ。しかもこれは人の気配であり殺気だ。つまりこれは十中八九俺達への妨害行為の為と考えて良いだろう。よそ者扱いするだけでなくこの振る舞い……流石に苛立ちを隠せんな。


 「フフッ、ちょっとはイラついてくれたかしら?」

 「ああ、なるべく穏便に事を済ませて、この街から退散しようと思ってたけどアキーダの件もあってそうもいかなくなったからな」

 「本来なら私達に気を遣うべきなのに、私達が気を遣ってこの扱い……傲慢ね」

 「ハハッ、ならそんな邪魔者は始末して先に進むだけだな」


 少し進むと十数人の魚人族の武闘派が武器をこちらに向けて待ち構えていた。


 「これは一体に何のマネだ?」

 「これより先は進むことを許可していない」

 「許可だ?」

 「そうだ、この迷宮は我が街の財産!管轄しているギュイヨン家の許可なしにこれより先に進むことは許されない」


 ギュイヨン家だと!?全くこうも俺をイラつかせてくれるなんてほんと都合がいいね~アキーダの依頼も力が入りそうだ。


 「おいおい、俺はコロネーションに挨拶をしたぞ?大体そのギュイヨン家ってのは何者だ?」

 「ギュイヨン家は魚人族の王に近し由緒正しき家柄、この迷宮は長でなくギュイヨン家の管轄だ」

 「それはコロネーションの許可を取ってんのか?」

 「長は迷宮の管理に無頓着な事から管理は我々が独自に行っている!」

 「長に全てを任せてはおけない!」

 「異論は認めな……」


 その言葉を聞く前に俺の身体が動き、魚人族の男の顔面を殴り飛ばしていた。


 「お、おい大丈夫か!?」

 「貴様……これは我等魚人族への敵対を意味するぞ!」

 「黙れ……ルナティックフレア!」

 「ぐあぁぁぁぁぁ!」


 この街に干渉する必要があるというのは、改めて実感したな。最初にこの街に来た時から、街での反応だったり、コロネーションの周りにいた奴らの態度といい、気になっていた。別に俺は気を遣われたり、敬られたいわけではなかったから、よそ者を嫌う態度も仕方ないと思っていた。だがこいつらのこの行為は明らかに二十柱に対する愚弄と反逆に値する。


 「迷宮攻略が終わったら、どういう立ち振る舞いが正しいかわからせてやるよ……狂炎舞!」

 

 十数人は為す術もなくその場で倒れた。少しは加減したし死ぬことはないだろう。


 「ささっと攻略して反逆者はぶっ飛ばしに行こうぜ」

 「ええ」


前に書いた部分も最初から見て微修正しています。

次の投稿は早めにいけるかもしれません(笑)

感想なんかもお待ちしておりますので気軽にどうぞ~

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