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会議

暑すぎて死んでしまう……

 あれから数日が経った。

 二十柱の一角となった陣を連れて帰りその日は宴となった、陣は自分が主役ってので恥ずかしそうだったがしっかり抱負を目の前でスピーチしてもらった。

 ここでのことが終わったらランスロット先生からのキツイしごきが待っているだろうがそれはずっと後の話になりそうだ。


 「そんじゃあ会議を始めますかね」


 今回は二十柱プラスレダさんでの会議だ。


 「おーけー~早速だけど三つに分かれるって話だよね?」

 「ああ、正確には待機するのもいるから四つかな」


 まず一つにオルメタの迷宮攻略、これは俺と立花になりそうだが他が問題だ。


 「迷宮攻略、ペブルス潜入、眠らずの地、待機と六人を四つに分けるつもりだが異論はないか?」


 周囲はみな頷く、さてここからどう分けるかだな。


 「迷宮攻略は当然俺と立花だ、最後の欠片を回収にいく必要があるからな」

 「となると残りの三つをどうするかって話だね、僕か九兵衛が待機になるかな」

 「そうだね~今回は俺は待機でいいかな?」

 「なら僕は眠らずの地に行くよ、流石にペブルスにはいけないからね」

 

 九兵衛さんが待機か、どっちにしても二人は顔が知られていてダーレー教団の本拠地ペブルスには行けないな。

 眠らずの地の巡礼の下準備のこともあるし二人のどちらかが行くのは丁度いいな。


 「今回は頼んだよリオン、毎年やる巡礼の下準備をお願いして大丈夫?」

 「ああ、前に君と行ってやったことがある大丈夫さ」


 眠らずの地の巡礼とは毎年九兵衛あの地に霊を鎮める為に行っている、理由は勿論それだけではないがな。


 「オーケ~もしあれに近づいた形跡があったり誰か怪しいのがいたらその時はよろしく~」

 「ああ、たぶんそんなのいないと思うけどもしいたら容赦なく始末するよ」


 あの地にはいくつかの秘密がある、勿論あの地に関する悪い噂は本当だがそれだけでなく近づかせないようにしているのだ。


 「オーケー、エミリアと直樹を連れていくだろ?」

 「うん、その二人は連れて行かないとだからね」


 エミリアはいつも九兵衛についていっているのと直樹はあの地に設置した装置のメンテナンスでいっているのだ。


 「なら眠らずの地はそれでいいとしてぺブルスの方だな、この感じだと……」

 「俺だろうな、スパイラルは当然行くとして追加で神代を連れて行く」

 「シンなら安心だな、レダさんはそれでいいかい?」

 「構わないわ、追加で裕二とレイチェルも持ってていいかしら?」


 レダさんの奴最近裕二の奴とベッタリなんだよな~

 それも毎日一緒にいない時ないし……まぁ許可出さないで拗ねられても困るな。


 「ああ、どうせ許可出さなくても連れていくだろうからな……シンはそれでいいか?」

 「構わん、あっちについて二つに分けて行動したりする場面も出てくるだろう」

 「フフッ、二人ともありがとう」


 となると最後、俺達は誰を連れていくかだな……


 「俺は誰を連れていくか……立花誰かいるか?」

 「そうね、里菜連れていきましょう~」

 「宮本かい!」


 まぁ一人ぐらいは守れるけど……


 「あそこは水の迷宮だしね~あの人いれば何とかなったけど下手にたくさん連れて行き過ぎない方がいいね~」

 「セプ姉はこっちにはいないわ~」


 セプ姉とは二十柱の一角で魚人族のトップである人魚姫マーメイドクイーンの座につくセプターのことだ、竜王であるジェラードさんとは同時期の人で二人は夫婦でもある。

 立花はセプ姉のことを良く慕っていただけに俺の女事情に対しての方針を決めた、ジェラードさんもモテるが女はセプ姉一人、立花もセプ姉も浮気や二番目に凄く厳しいのだ。


 「あの人いたらオルメタの迷宮の最下層は楽だったな~」


 水を操ることに関しては二十柱で一番長けているのであの迷宮の障害も避けて進むことが出来ただろうからな。


 「そうね……まぁいない人の事を言ってもしょうがないわね、誰か連れて行きたい人いるかしら?」

 「いや別に、その場合三人になるけどそれで不都合なら誰か連れて行くよ」

 「里菜と三人なら不都合はないわ、それで行きましょう」


 宮本は俺と立花がイチャイチャしても気にせずの間柄だからな、指名したのは何か理由があるのだろう。


 「なぁ俺はどうする?別に周平達について行ってもいいぞ」

 「ああ、お前は今回待機だな」


 陣はまだ力のコントロールが完全ではない、九兵衛さんに訓練してもらわないとだ。


 「力のコントロールの為だね~俺トレーニングに付き合うよ~」

 「なるほど……少し残念だが了解です」


 陣も力を色々試したいのだろう、まぁ連れて行ってもよかったがアンジェルーチの奴も一緒にって事になると人が増えて面倒だからな。


 「実と九十九は引き続きここに待機で俺達組織のメンバーの訓練だな」

 「二人のお陰でザル達の能力も上がってきてるからね~」


 配置はそんな感じでいいな、後は戦争の事だな。


 「次は魔族と人間族の戦争についてだな」


 中立でいるつもりであるがどういうスタンスでいるかだな、今後の情勢の変化によっても変えていかなくてはならない必要も出てくるだろう。


 「戦争の状態は今の所は膠着かな~少し人族が押してたけどあのドタバタで少し後退したからね~」

 「魔族達の上位のメンバーは桁が違う、今の人間族の戦力だとあの上位陣を殺れる力を持つ者はいないわ」

 「となると前のように人族の強化か?だが十万の壁は厚いぞ」

 「わざわざそこまでやる必要はないよ、ただきっかけみたいなのは与えてもいいかもね?」


 ロードリオンのこのきっかけという言葉は犠牲は問わずというのも入っている、リオンは同族と仲間以外には厳しい。


 「ハハッ、お前のその言葉は怖いが犠牲や悲しみは人を強くするからな」

 「待て周平お前まさか……」

 「ああ、直接手を出したらしないよ、ただ一部を除き魔王を倒すという道を選んだ者の命は保証はしないってだけだよ」


 陣には前にもこの話をした時に少し口論になった、陣はクラスメイトみんなが被害者だという考えがあるからだ。

 一方俺は命を狙われ殺されかけたしクラスでも外されていた、当然一部を除いて助けようという気は起きない。

 地球に帰る為の魔王城の転移装置の使用にも犠牲が伴う、今勇者達は連邦でも手厚い保護と安全な生活にどうするかの選択権が与えられているのでそれを踏まえて死に行くやつの面倒までは見きれないということで落ち着いたのだった。

 

 「まぁそれは仕方ないな、その魔王城の転移装置ってのは安易には使えないんだもんな?」

 「ああ、あれはきついな、使えなくはないけどまず全員は無理だし俺達がストックしてる分使うとガルカドール卿の復活が遅れるからな」

 「すまないね、君だけの都合であのエネルギーは使えない、もしそれを自前で集めて来るのであれば直接出向いてその者だけの帰還の手配はできるけどね」


 リオンの言うそのエネルギーというのはかなり問題で自前で集めるのは相当むずいしもしその為に正攻法で集めた者がいたとしたらそいつは違う意味で帰還することは出来ないだろうな。


 「はい、周平に一度聞いてます、その次元エレベーターの作成次第なんですよね?」

 「そうだね、仮にエクリプスを倒してもあの忌々しいバリアはすぐには破壊できないだろうからね」


 直樹クラスの天才が他にもいればいいんだが……


 「すまんな陣……」

 「いやいいんだ、わがまま言ったのはこっちだし」


 陣の理想は立派な物だ、まだ人を殺したり死んだりした場面にそこまで出くわしてないというのもあるが何よりあいつの人格がしっかりしているからこそだろう。


 「そういえばガルカドール卿の復活の方はどうなっているのかしら?」

 「もう少しだよ、戦争のお陰もあってかなり回収できてるからね~確か……」

 「九割ぐらいは溜まっているよ、こないだ僕が確認したからね」

 

 エクリプスとの決戦になる前に復活を果たせるといいがどうだろうか……

 九割なんて言っても百年かかっているからな。


 「それに関しては二人に任せるよ、取り合えず大きな動きがあるまでは引き続き中立維持ってことで会議もこれぐらいにしておこうか」



 ◇



 魔大陸に進出した嶋田達二年一組は仲間に加えた二組の一部と共に連邦軍の占領拠点で休んでいた。


 「ここからどうするかだね……」


 リーダーの嶋田は考えていた、このまま大所帯で進むより分けた方がいいのではと。

 だがそれによる戦力の分断のリスクも考え言えずにいた。

タピットがいればいいが彼には彼の使命があり連邦で別れた、勿論魔大陸には遠征しているが別の場所にいる。


 「ここからは戦地を避けて進む二通りの道と戦地に入る道がある、まず戦地を通るか通らないかだね」


 戦地を通るというのは戦いに参加して魔族達を軍の人と共に倒すことを意味するがそれには消極的な意見が出ていた。

 当然直接的な危険を伴うリスクがあるからだ。


 「その戦地を通らない二通りのどちらかじゃないかしら嶋田君?」


 美里が意見をすると周りも頷く、嶋田としては覚悟をある程度決めており戦地で戦いを経験したいという気持ちがあった。


 「そうだね……今俺達は三十人いるし分けて進むのはどうだい?」


 次の街に行くにはその二通りの道がありこの大人数での移動には少し疲れていたところだ。


 「ならクラス別に行くのが妥当ね」


 と美里が言いかけると二組の生徒が異論を唱えた。


 「折角の交流も兼ねてごちゃまぜのがいいんじゃないか?」


 二組の石川隆文、あまり目立つ存在ではなかったが今や二組の主軸の一人だ、連邦にいる時は里菜とは別の諜報部隊に所属されそこで力をつけた。

 性格はフランクだがずる賢い部分を持ち、自分より強いとわかっている人には下手に出るタイプである。

 二組を引き連れて一組と合流したが嶋田に負けていることを自覚しており二組時代も陣には逆らわなかった。


 「それはまだ早いんじゃないか?」

 「この先一緒に戦うなら早いもクソもない、俺達に必要なのは連携だろ?」


 この言葉に他の二組のメンバーも頷く、決して間違いではないがこの男の言葉というのが引っかかっていた。


 「別にそれでもいいが一部固定で決めさせてもらった上でだね」


 嶋田は警戒する、雪に告白し振られた過去を持つ彼だが遠征中もしつこく話しかけたりしていたのだ。 当然自分も狙っている子だけに一緒にしてはいけないと考えていた。


 「了解、その上でくじ引きにしようか」


 彼もまた陣と周平が二人と仲良くしているのを指を加えて見ていたうちの一人だった。


 「それじゃ一旦休憩にするからその後にくじ引きをやろうか」


 この後一組での話し合いが行われたのは言うまでもない。


次から迷宮潜入ですかね。

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