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運命の覚醒

陣の試練の話は次で終わりです。

 ここは……

 そうか……これは夢か。

 あれは俺がレヴモスを殺した時の……あの時の俺はダサかったな~

 正直感情に身を任せてああやって人を殺めてしまうようになりたくなかったんだけどな……

 ゼラ殺ろうとした時もだ……あの時は周平が止めてくれたがもしあのまま止めてくれなきゃ感情に身を任せてあいつを殺していたに違いない。


 「まぁ周平から言わせれば誰しも通る道なんて言ったけどな~」


 でも殺したくなくても死んじゃう奴もいる、戦争なんかがあれば仕方のない話ではあるがいたたまれない話だ。

 周平達は元々前世で戦っていた過去があるからそんなに気にならないかもしれないが俺はまだそういうのには慣れていない。

 別に俺は善人じゃない、嫌な敵がいれば多分この先も殺めることになる、それは避けられないだろうし誰かを殺したことに対してもそのうち気にならなくなってはいく。

 それを考えれば気にする必要はないのかもしれない。


「でも自分にそれを少しでもコントロールする力があればな……」


 例えば相手を攻撃した時いい感じに攻撃が急所を外してくれるように誘導できるような都合のいい能力……真に死ぬべき人間とそうでない人間は分けるべきだ。

 逆に死ぬべき人には急所に当たる、そんな力だ。


 「でもまぁそんな都合よくはいかないいんだよな~」

 

 そもそもあの試験はこれで不合格だろうし二十柱になるどころか俺生きてられんのかもわからない。

 それでも俺は……


 「力が欲しいか?」

 「うん?」


 なんだこの声は?


 「大丈夫、あなたはまだ死んでいないわ」


 この声はまさか……


 「ゾーマンとアポロジーか!」


 すると二人は俺の目の前に姿を現した。


 「よう、ボロボロじゃないか」

 「そりゃあいつ強いし……というか二人一緒になれたんだな……」


 禁断の恋の末バラバラに引き裂かれ死後も会えないような状況だったが無事再会できたようだ。


 「お前のお陰でな」

 「ありがとうアロゲート」

 「そんな、二人のお陰で今俺はここに立ててますから」


 まぁ駄目そうだがな、しかしどうすれば……


 「あいつに倒す手段を知りたいか?」

 「あ、あるのか?」

 「当然、あなたは私達の子であり希望……あなたはまだ真の力を出していない」


 真の力?そんなものがあるのか?


 「真の力……でもあいついは二十柱じゃないと勝てない相手で……」

 「ならあなたも二十柱になればいい……あなたはもうその糸口を掴んでいるわ」


 掴む?俺はまだそんな能力は……


 「お前の望む先にに答えあり……お前はもうこの試練をクリアしかけている」

 「な、なんだって!」


 どういうことだ、でもあのスイッチを押さないと試練は……


 「ほらもう行きなさい、体はもう元気なはず」

 「アロゲート、後は望むだけですよ」


 アポロジーは俺の目を真っすぐ見て言う。


 「俺の望み……」

 「後はそれを強く願うだけです」

 

 最後にアポロジーがそう言うと二人は視界から消える。


 「えっ、ちょっと……」


 あたりが暗くなる、望むって一体何を……


 「はっ!」


 目覚めると俺の周りをバリアが貼っていた。

 覚めるとヴァダモスが門番のように立ちはだかっていた。


 「夢か……」


 体の状態を考えると何故か知らんが回復しているな、まだ希望はあるってことでいいのか。


 「だがどうすれば……」


 望む……力か、いや違うか……

 いや間違ってはいないか、どういう力か?

 ならこの試練を、あいつを倒す力か?

 いや具体的じゃない……俺が望むもんだ。


 「死の回避……」


 いや違う……クソもう少しなのに……


 「むっ……」


 ヴァダモスが目からレーザーのようなものをこちらに放ってくる。


 「ちっ……」


 飛翔し避ける。

 魔法も聞かないしあのスイッチは同時に押さないとだ、後見落としがあるかもしれんしこの異能を使うか。

 二つ目の異能である視魔眼、どういう能力かというと相手を見ると異能の数や力なんかがモヤのようになって見えたり、核となる部分なんかを覗くことができる。


 「さて……」


 発動すると一つの見落としに気付いた。

 どうやら核は三つあるようだ。


 「あの二か所だけでなくもう一か所あるのか……」


 三か所となるとキツイな……おそらく同時に狙わないといけないだろう。


 「うぉっ……」


 容赦なく飛んでくるレーザーを避けながら距離を縮める、だが近づきすぎればあの手も襲ってきやがる。


 「どうした?避けてばっかりでは一向に進まないよ!」


 横からいちいちうるさい奴め……近づけたら苦労はしないんだよ!


 「うるせぇ!」


 二か所に剣を同時に投げそれと同時にもう一か所に近づくか……だがあのレーザーがそれを難しくしている。

 あの両目はそれぞれ不規則に俺を狙って来る上速い。

 

 「うぉぉぉぉ!」


 こうなりゃ多少のダメージは覚悟の上だ、とにかくいくしかない。

レーザーを避けつつ間合いを詰めさっきと同じ場所から両腕がくるのを待つ。


 「よし、そこだ!」


 振り下ろした瞬間下に加工する。

三か所目は股間部分、スイッチは見えないが視魔眼の反応から股間部分を攻撃すればいいだろう。


 「おらぁぁぁ!」


 剣二つ胸のスイッチに向けて飛ばすとそれがスイッチに接触する。


 「よし!」


 それと同時に股間部分に近づくがレーザーが容赦なく飛んでくる。


 「マスターシールド!」


 レーザーがシールドに当たると止まることのなくシールドを削りに来る。


 「しかもレーザーに押されやがる……」


 速く攻撃をしなければ……股間部分をよく見るとスイッチが見えた。 

 だがそれはこの状況下では絶望的だというのがわかった。


 「スイッチが不規則に移動してやがる」


 巨人のような体格といえど股間部分はそんなに広いわけではないしモノがついているわけではない。


 「スイッチ小さすぎやろ……」


 難易度たけぇ……


 「おらぁぁぁ」


 インフィニティシールドでは自身の周りを覆われてしまう為にスイッチが押せなくなるので発動できない、あれなら余裕で耐えれるがマスターシールドでは限界があった。


 「そこだ!」


 スイッチに手をかけようとしたその瞬間だった。


 「うっ……」


 レーザーがシールドを貫通する、肩を貫かれ手を伸ばした右腕は機能しなくなった。


 「くそっ……」


 そのままヴァダモスの腕も飛んでくる。

 これじゃさっきと一緒じゃねぇか。


 両腕で俺を潰そうとするがそれを猛スピードで避ける。

 だがレーザーが容赦なく俺に向かってこようとしていた。


 「どうする?」


 この状況を打開する力……回避か?

 それじゃあこの試練のクリアにはなられねぇ……俺の望む物に力……そして試練。

 考えろ俺……

 死の回避、いやコントロールだ!


 「そうか……」


 レーザーが飛んでくるその瞬間俺は願った。


 このレーザーは俺の横を通り俺には当たらない!


 「何!」


 レーザーは見事俺の横すれすれを通った。

 高みの見物のあのガキは少し驚いた様子を見せている。


 「はっはっはっ~」


 そういうことか……この試練はもうクリアしているってのはこういうことだったんだ!


 「考えてみたらおかしな話だよな?」


 あん時俺は死んでもおかしくないダメージを受けた、だが何とか生きていた。

 つまり俺はここでは死なない、そして今の力……


 「俺はもう選ばれた、そして能力も発現していたんだ!」


 どの時点かはわからない……でも俺はとっくに認められていたんだ。

 この先に二十柱となるべく力があるとして俺はそれともうつながっている。

 人が力を選ぶ場合もあれば力が人を選ぶ場合だってある、その力とつながった俺はあの攻撃じゃやられはしない。


 「そのレーザーは俺の真横だ……」


 俺が念じるとレーザーは真横を通るがかすかに体を掠った。


 「まだ不完全だな……」


 だがこれでも十分クリアは可能だ、一時的に運命を捻じ曲げる俺のこの力の前では意味を為さない!


 「ここだ!」


 そのレーザー、一つは俺の顔の上を、もう一つは右肩すれすれだ。


 「ふふっ、目覚めたようだね~」


 レーザーは俺の思った通りの場所を通る。


 「おかげさまでな!」


 その両腕の攻撃は俺を狙うがそのまま二つのスイッチを自分で押してしまう。

 流石に起こりえない事象に関しては発動しないようだ。

 闇雲に腕を動かしてスイッチを押すとか、転んで倒れるとかは無理らしいな。


 「ちょろいね~」


 ヴァダモスの撃を避けるとそのまま二つのスイッチに直撃する。

 そのレーザーも俺には当たらない。


 「ついでにそのスイッチは俺が触れた場所に丁度来るのさ!」


 俺が股間部分に攻撃を加えると見事スイッチに直撃、三か所のスイッチをほぼ同時に押すことが出来たのだ。


 ゴゴゴッ……


 ヴァダモスはそのまま動きをとめ目や体の線の光がなくなった。

 おそらく機能停止したのだろう。


 「これでどうだ?」

 「見事だよ、だが体は思った以上に無理をしているよ」

 「ぐっ……体が……」


 確かに体が酔ったように体が重い、能力の反動ともいえるのだろうか?

 いきなり強力な能力を連発して使ったのを考えれば無理もない話だ。


 「それはとても強力だ、運命の天魔と歪曲属性とでも名付けておこうか……自分が視認できる事象を無理やり捻じ曲げる力……二十柱にふさわしい力だ」

 「運命の天魔に歪曲属性か……この能力は先代も本来これを発現するはずだったのか?」

 「いや、先代がもしこの力で能力を発現しても同じにはならないさ、これは君が望む世界の為に求めた力なんだ、他の二十柱と違いこの力は能力を発現で出来てなかったからね……もちろん天魔というハイブリットであることも考慮されての能力だがね」


 俺は不当な扱いを受けたり死んでいくようなそういうのが許せなくて、変えたくて……

 これが俺の願った先にある物だったんだな。


 「ということはこれで試練は終わりか?」

 「合格は合格だがまだ終わっていないよ」


 少年が手で音を鳴らすとヴァダモスが守っていた奥の壁が開く。


 「まだ君は力を完全に入れてない、そうしないと完全な二十柱にはなれないよ」


 あ、そういえば力と同化したといってもまだどこか遠い場所にあるような感覚だ。

 

 「おう、そういえばあんたは一体何者なんだ?」


 奥の壁を進んでいくと少年は答えた。


 「そうだね……試練も合格したしこの姿はやめようか……」


 子供から大人の姿になる、黒の長髪に整った顔立ちとオーラを見せる。


 「改めて紹介しょう、私はルシファー、二十柱の王だ」


陣の能力は相手の強さに応じて効力が変わる感じです。

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