表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
174/280

試練の洞窟

陣の回です。

 「ここは?……」


 ついたのかはかつて番人のいた場所。

 

 「少し待ってな……」


 するとデュラハンであるダークアヴェンジャーが姿を現す、だがあの時やつを倒して手に入れたこの狂剣アヴェンジャーを見せると奴はエルダーリッチへと姿を変える。


 「オマエハ……」

 「よっ、今日は話があってきたぜ」

 「ハナシダト……」


 相変わらず威圧感のあつ骸骨だこと、話ずらそうだし受肉でもしてもらうか。


 「こいつをつけてくれ」


 エルダーリッチに投げたのはこういう奴らがつけると一時的に肉体を受肉することができるスカルチェンジという魔具だ。

 作ったのはエルダーリッチになることもできるシンだ。


 「コレハ……」


 番人がつけるとみるみると肉体を受肉しかつての姿になる、上品な顔立ちと紫色の長髪。

 たしかこいつ貴族だったよな。


 「ほう、これは肉体を受肉する魔具という奴か」

 「ああ、ご無沙汰だなダークロナルド」

 「こいつそんな名前があるのか……」


 陣からするとデュラハンが骸骨になってそっからの肉体受肉だ、驚くのも無理はない。


 「魔神よ、この男は?」

 「ああ、俺の親友の宗田陣、二十柱にさせるためにここに来た」

 「よろしく~」

 「ほう……この男を……見たところ力はありそうだしこの感じからするとあの一枠か?」

 「そうだ、ヴァダモスとやらせろ?」

 「ヴァダモス?」

 「二十柱が作った三大兵器の一つで神造魔鋼体ゴッド・ドールってやつだ、ルシファーさんか図書館ザ・マスターがいれば外でも使えるがいないからな、この遺跡の奥にある」


 最後の一枠をここに保管しそれを守る為の兵器というわけだ、偽神どもがここに来てもあいつがいれば絶対に防衛できるからな。

 

 「本気か?確かにハイブリットとしては最高峰の力を得たのはわかるがあれは……ガルカドール様もキングルシファーの完全復活と偽神の殲滅までは絶対に守れと言っていた」

 「責任は俺が持つ、あんたに挑戦を止める権利はないだろう?」

 「まぁそうだが……」


 無理もないか……九兵衛さんから話は聞いたがこの男も二十柱を目指し断念した猛者。

 彼はあれだったからヴァダモスとはやってないが二十柱に挑戦することの過酷さを身をもって体験しているからな。


 「へっ!どんな困難だろうと乗り越えて見せるさ、ああいう形で勇者を召喚させない為にも俺は二十柱になるんだ」

 「若いな小僧、だが私もそういう意思があったな……パンドラズファクターとしてパンドラによる悲劇を起こさせないという強い意志がな……」

 

 そう……ダークロナルドはパンドラの因子を得てしまい、その力に飲み込まれないように力を制御しようとパンドラに挑戦したと聞いている。


 「なぁあんたが最終的に断念したのは今のあんたを見ればわかるんだがあんたは何で消滅してないんだ?」

 

 パンドラに飲み込まれれば支配欲の塊となり二十柱の討伐対象に入る、それに勝てればはれてパンドラになるわけだからな。

 

 「パンドラの支配欲に負けぬ為に鍛錬を積んだが限界はきた……飲み込まれそうな私が選んだ選択肢は感情を抑えることができるリッチだったわけだ。事実リッチになればパンドラの因子による力を得たままその支配を抑えることが出来る」

 

 そうか……リッチになれば人間味がなくなってしまい感情の起伏が薄れる。

 結果パンドラの支配を無効にできるということか。


 「でもそれじゃあ駄目だったからここにいるんだろ?」

 「ああ、支配欲に打ち勝ちそれをも支配するのがパンドラになる為に必要なことだ。リッチになれば支配欲に呑まれることはなくなるがそれを支配するチャンスもなくなる、すなわちこれは逃げだ。だが肉体を完全に受肉すればあの支配欲に襲われる……だから私はこうして番人になったのだ」


 あの姿じゃ表の世界で生きていくのは厳しいだろうからな……死ぬ意志がないところを見ると誰かがパンドラに適合するその日を待っているのかもしれないな。

 誰かがパンドラを得れば支配欲から解放されるし自分が因子によって得た力はそのまま使える仕組みだ。


 「まぁパンドラは難しいな……あんたがもし獣人族かハイブリットならまた違っただろうし」

 「お世辞は結構だ、まぁパンドラじゃなきゃ違ったかもしれないというのは自分でも思うがそうじゃなければ目指さなかっただろうからな……」


 パンドラの因子を持つ者でパンドラになれないままその呪いとも言える支配欲から逃げた存在といえばこいつが初めてだろうから凄いことは凄い。

 だがリッチになることが出来るのも才能だし有用な対策としては言い難いな。


 「それじゃあ始めたい、あんたを解放するための手助けにもなるだろうし」

 「了解、それじゃあ行こうか」


 ダークロナルドは転移魔法を唱えると俺達ごと異空間に移動した・


 「ここは……」

 「試練の洞窟ってとこか……三人でいくが基本的には挑戦者が一人で戦闘を行ってもらう。助言や休憩をとる時や自分に襲って来た時の援護は認める」

 「了解、それで一応こいつを見せておこうか」


 陣を二十柱として認めるという賛成票だ、俺、立花、ロードリオン、九兵衛さん、シンの五票と消える前に貰ったラムタラの票をいれた六票だ。

 

 「もう六票か、現在の有効票のうちのほぼ大半だから絶対必要なキングルシファーの票を得れればほぼ確定だな」

 「票に関しては問題ないだろう、俺は贔屓目に見ているが他の奴はしっかりと見極めた上で認めてくれたからな。陣の最低限の資質や人格は保証する」


 パンドラやその対になるあれは別として残りの空席である獣王に関してはこの票がかなり重要になってくるだろう。

 票に関してはルシファー以外の票は一票だが最古参で見識あるロードリオンの票なんかは他の二十柱がいれる票にもかなり影響する。


 「まぁ私に見せたところでだがそこまで太鼓判を押されているようなら期待しようじゃないか」



 ◇



 「暗いぜここ……」

 「明かりをつける魔法ぐらいは援助しても?」

 「ああ、かまわんよ」


 明かりをつけて洞窟内を照らす、どうやら四大迷宮と造りが似ているな。


 「あいつ……カイザーウルフか……」


 しかもたくさん群れでいやがる、うん?あの真ん中のは見たことないが……


 「あの真ん中はレインボーウルフさ、あんまりいないから見るのは初めてかな?」


 ふむステータスがオール八万か……こんなん序盤からとかヤバすぎやろ。


 「へっ見せてやるぜ、プリズムアーク!」


 まぁあの集団一掃するならそれがいいだろうな。

 棺からでる光がウルフどもを消滅させる、だが親玉は残っていた。


 「マジ!」


 どういうことだ、ステータス八万程度じゃプリズムアークに耐えれるわけが……いや属性か!


 「陣!プリズムアークは光属性だ、奴は全ての属性を吸収するんだ」

 「なるほどね~ならこれだ、セロディメンスィオ!」


 無属性で空間ごと消し去るその魔法なら一撃だな、だがそいつがそこにいたままでいてくれるほど甘くはない。


 「まぁそう簡単に終わらせてはくれないか……」


 発動時に動いたことで背中の一部を消滅させるだけとなったがそれでもかなりのダメージのはずだ。


 「ちょこまかと……」


 陣に向かって襲い掛かる、どうやら試練を受けている者以外には極力攻撃してこないシステムなのだろう。


 「ならこれならどうだ!ヴァイスシュヴァルツ!」


 白と黒の弾丸による攻撃、無属性だし十分有効だ。


 「ヘッ、止めだ、ギガフレア!」


 ヴァイスシュヴァルツを受けたことで動きが鈍り、ギガフレアは避けれずもろに被弾、そのまま動かなくなった。


 「陣よ、なるべく効率よく魔法を当てていこう。魔力量は無限ではないからな」

 「ああ、流石に少し舐めてたし気をつけるよ」

 「この洞窟はそんなに広くはない、五層クリアすれば終わりだしお前の実力なら配分を気をつけていれば問題なかろう」


 五層か……ならそこまで時間はかからなそうだな。


 「随分親切だな」

 「道中は身の程知らずを追い出す為の道に過ぎないからな、あくまでもメインは最後の五層にいるヴァダモス……そこのハイブリットの実力なら道中は簡単にクリアできる」


 陣のステータスなら迷宮もソロで九百層までは行けるだろうからな、しかしハイブリットがそこまで強いなら今後の支配階級の育成として視野に入れておきたいな。

 量産に関してはあまり褒められた行為ではないから推奨する気はないが、世界のどっかには少なからず存在する。

 大体が迫害なんかで腐っていくこと考えれば拾うのが得策だろう。


 「よしどんどんいくぜ~」


 しばらく進んでいくと大きな空間に出た、下に続く道があったがそれを守る魔物として今度はフェンリルだ……ステータス十二万の化け物だ。

 ステータス十万超えは神獣に分類される、迷宮でも九百層に図書館ザ・マスター作の人形は設置されることから八百層でしか見れないので中々に珍しい。


 「強そうだな……今まで戦った魔物の中じゃ間違いなく一番強いわ~」


 当然、これにソロで勝てるのは数えるほどしかいなしそこら辺にいたら大問題だ……大都市一つ簡単に滅ぼせるだろし。

 エミリア、直樹、レイチェルにはいずれ神獣をソロで倒してもらう為のパワーアップをしてもらわんとだな。


 「陣やれそうか?」

 「当然!俺を誰だと思ってるんだ~」


 負けないとは思うが油断は禁物だぞ……神獣クラスは第九位階魔法にも耐える力を有しているからな。


 「お前にはまだ見せてなかったな……」

 「えっ……」


 陣のもとに魔力が集まる、これはまさか……


 「リオンさんや立花ちゃんに教わったやつを見せてやるよ……魔力の海!」


 これは第十位階魔法か、あの時随分と面談が長いと思っていたがしっかり教わっていたということか。


 「そしてこれよ、滅風アネモイ!」


 ここは大地の層、それをしっかり見極めた上でその魔法を発動するとは流石だな。

 大いなる風が全てを飲み込む、風属性では最大級の威力を誇る第十位階魔法だ。


 「いっけぇぇぇ!」


 神獣といえど第十位階魔法を受ければかなりのダメージだ。

 風に切り裂かれ壁に打ち付けられたフェンリルはかなりのダメージを受けている。


 「止めだ!」


 直接向かっていく。

 あれは俺が教えた体技:縮地か、早速使っているな。


 「光闇剣ハイブリットブレード!」


 愛剣であるアベルに自身の力を込めた剣技だ、相反する二つの力を凝縮させた技は剣への負担も大きい……二十柱になったら幻神級の武器を与えないとだな。

 陣の剣はそのままフェンリルに突き刺さると動かなくなった、第一層はクリアだ。


ブクマ1200突破しました。

これからもよろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ