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シンVSラムタラ

暑いです……

 「暗黒空間ダークネスゾーン


 自らとラムタラの二人を別空間へと誘う、本気でやりあえば天地崩壊がおかしくないからな。

 ただギャラリーが多いのはちと気になるが……


 「楽しみだぜ~」


 友にその話をしたら見学の許可を求められた、万が一の被害も考えどのみち見届けてもらうつもりではあったが少しギャラリーが増えてしまったな。

 騎士団やその他組織の仲間に友のクラスメイトの一部だ、まぁ無様な戦いができなくなるといった緊張感ができるしそれはそれでいいがな。


 「友たちはそこで見ていてくれ、くれぐれもその結界を保持していてくれよ」

 「ああ、気にしないで本気でやってくれ!」

 「フッ、そのつもりさ……」


 ここではいくら暴れても大丈夫だろう、久しぶりに本気を見せようか。


 「いくぞラムタラ!」

 「おう!」


 その声とともに勝負が始まった、二十柱同士の決闘に小手先の技なんかいらない。

 迷宮で使った死の皇帝はあくまでも相手の吸収スキルを打ち破りたいが為の策……最初から黒い太陽を使えばすぐに片のついた戦いだ。

 二翼の翼と金の角に紅い魔眼……自身を悪魔帝モードへと変化させる。


 「来い、アポカリプス!」


 神黒剣アポカリプスを手に神速の斬撃を放つ。

 さてラムタラ、どう避ける?


 「フフッ、なつかしい……な!」


 ラムタラも翼を生やし獣王モードへと姿を変える。

 他を寄せ付けず獲物を必ずしとめる目と体の一部を獣へと変化させる。


 「獣王波!」


 口から放つ波動が全てを吸収する陰黒属性の斬撃を相殺し、その結果ものすごい衝撃がはしる。

 無重力空間といえど空間にヒビが入るかもと思わせるほどの衝撃だ。


 「いくぞアークル!」


 ラムタラの俊足ともいえる速さで一瞬で間合いを詰める。


 「嘘……見えなかった……」


 見学している嶋田が思わずもらす、当然だがこの速さは同じ二十柱でなければ見ることはできないだろう。

 特に獣王は二十柱の中では屈指のスピードを持つ、いくら無重力空間といえど関係ない。


 「当然だ、宇宙の頂点同士の戦いだからな……」


 実際にはどっちが強いのか……その優劣を決める戦いだと捉えられてもおかしくないだろう。


 「フッ……なかなかやるじゃないか!」


 宙を舞いながらこちらの剣と向こうの拳と足がぶつかり合いしのぎを削る。


 「まだまだ~」


 一秒間に百発以上の打ち込みを飛びつつ剣で捌く、近接戦闘では向こうの方に分があるかな。


 「ふん!」


 少し離れたところで無数の斬撃を放ちその隙に距離をとる。


 「魔力の海」


 まずは消費魔力を抑えつつ強力な魔法を放つ。


 「神宴の雷槍ランスオブゼウス!」


 巨大な雷の槍がラムタラに向かうさぁどうする。

 魔法を使って相殺するか、それともその拳か……


 「まぶしい雷だ……でも防げなくはないな~」

 「何!」


 ラムタラの腕に光が集まる、まさか片腕で打ち破るつもりか。


 「いっくぞぉぉぉ!」


 飛んでくる雷の大槍に対し向かっていく。


 「獣王槍ロンギヌス!」


 ラムタラの手から放たれる光の槍と雷の槍がぶつかる、この無重力暗黒空間でなければ空間全体に亀裂が入りワームホールが出来るほどの大きなエネルギー衝突したのだ。


 「す、凄い……ここまで余波が飛んでくるなんて……」


 月島のような人間では耐えるのは少しキツイか……ただこれぐらいでビビッては困る。

 まだまだ序の口……戦いは始まったばかりなのだから。


 「ふぅ~相殺か……」


 大きなエネルギー同士の衝突が終わり霧が晴れるのを待つ、さて次は……


 「おらぁぁぁ!」

 「ちっ……」


 ラムタラの奴躊躇ねぇな、すぐにこちらと間合いを狭め直接戦闘に入る。


 「なめるなよ……」


 これは読んでいたのですかさず剣を振りながら斬撃を放って間合いをとる。

 直接戦闘だけではこちらが少し不利か……


 「遥か高きマテンロウ!」


 立ちはだかる大きな塔を具現化して攻撃から身を守る第十位階魔法だ。

 

 「凍てつく氷国ニブルヘイム!」


 この暗黒空間をより過酷な環境へと誘う、対象を永遠に氷付けにする無慈悲の氷がラムタラの前にまとわりついては動きを封じ氷付けになる。


 「これならどうだ」

 「ふぅん!」


 だが氷付けになったラムタラがすぐさまその氷を内側から破る、獣王の持つ同調属性は他人状態をトレースして自らや任意の相手をその状態に持っていくこと。

 つまり呪いや拘束状態等を一切無効にすることができ、しかも自身でそのトレース範囲や対象を決めることができる。

しかもその力を使って相手のデバフ状態をトレースしても一切デバフステータスにはならないといった感じだ。

 だから氷状態を解きたい場合には氷状態ではない者と自身を同調させるだけで終わる。

 

 「懐かしいな~お前は昔から氷属性魔法が得意だったな!」


 瞬速でこちらに接近しその拳が肩に掠る。


 「ぐっ!」

 「だが昔とは違い憎しみはこもっていないようだな」

 「当然!あの後一度世界を氷付けにして命を絶って以来それを超え、俺の力に更に磨きがかかったからな!」


 剣と拳と足のぶつかり合い、ラムタラの拳は固く並大抵の武器では容易に破壊されるだろう。

 昔剣士達の武器をことごとく破壊し絶句させたあの拳と足は今なお健在なのだ。


 「ふん、ならこれに耐えて見せよ!」


 ラムタラの周りに黒い渦を集める、呪術の最上級技の一つ……魔術と違い呪術は所謂デバフ、異常状態攻撃といった技が多く大量破壊攻撃はあまり存在しない。

 なくはないがそれらは長時間かけて発動するような物が多くすぐに扱える物で二十柱クラスとの戦闘に有効的な物は少ない。

 だが今発動しているのはその少ない中でも有効な技の一つ。


 「飲み込んだ対象を破壊する奥義……黒滅ブラックエクスターミネーション!」


 包んだ対象を異常状態の追加効果のある黒い渦が容赦なくまとわりつき破壊活動のい入り最後はその渦ごと爆発する。


 「どうだ?少しは聞いたか?」


 爆発の中から出てくる人影……今度は間合いを取られぬよう一瞬たりとも見逃さない。

 一秒何もしなければそれだけであの拳と足が俺を襲うからな。


 「フフッ、流石だな……外側の黒い渦が爆発を逃がさないようにすることで逃げ道をなくす、いい技だ」

 「俺のレパートリーも増えただろ?」

 「ああ……成長したお前とこうして戦えるのも光栄だがもうエネルギーも残りわずかだ……ダルシ国再建時にやろうとしているエネルギーは確保しただけにもうほぼガス欠さ……」


 確かこの戦いの前に一度エネルギーの一部を友に預けていたな、そうか……これが最後か……


 「承知した、では私の本気をぶつけるとしようか」

 「ああ、望むところだ!」


 俺とラムタラそれぞれにオーラが纏われる、俺は紅で奴は黄色だ。

 さて、飛び回るとしようか!


 「「いくぞ!」」


 暗黒の無重力空間を二つの光が飛びながらぶつかり合う。


 「凄い……何をしてるのか早くて見えない……」


 美里や雪や嶋田たちもそれを眺めているが飛び交う光を追いかけるだけで精一杯だな。

 だがそれぞれが剣と拳をふるってぶつかる一瞬だけで何十回と打ち合いその衝撃から大きなエネルギーが発生している。


 「あのぶつかる一瞬で何十回という打ち合いが行われているさ、俺には良く見えるが凄いラッシュだよ……」

 

 「なぁ神山揺れているがここは大丈夫なのか?」


 確かに無重力空間だってのに随分揺れるな……それだけあの二人が本気でぶつかり合っているということなのだろう。

 完全体となった二十柱が本気を出せば星一つ滅ぼすことなど容易ではないからな。

 シンも含め何人かは過去に星を破壊している、確かラムタラとシンの教育をしていた戦神ネレイデはラムタラを失ったことを悲しみから、その原因を作った奴らのいる場所に向かって自身を隕石のようにして空から流星のごとく襲いかかった。

 怒りのあまり加減を失ったネレイデはその街だけでなくそのまま突き抜け星を駄目にした。

 結局王によって元通りにはなったが結果王は力を使わざるを得なかったせいで復活が遅れるといった事態になった。

 

 「もしかしたらこの空間壊れるかも……立花結界の方はどうだ?」

 「一応この空間が壊れてもここは大丈夫なようにしているわ」

 「観戦が命がけとは流石だね~」

 「最悪僕たちがいるから問題ないよ」


 二十柱四人のサポートがあれば二人の戦いが激化してもサポートできるだろう。

 実際二十柱同士の本気の戦いはルシファーのやランスロット先生のいる天上神域で許可がないと認められていないからな。

 それほどまでに化け物だということだ。


 「そういうこった、大丈夫らしいぞ」

 

 それを聞いた嶋田達はホッと息をつく、だが俺を見る目が気になった……こいつが俺に持っていたであろう対抗意識が冷めていくような感じがしたのだ。


 「君は何処までも違う方向にいくんだな……正直城での出来事や君の振る舞いを見てわかったよ、俺と君とではそもそも土俵が違うんだなと」


 嶋田は恐らくクラスメイトでありながら共に戦わない姿勢や、それだけの力を持ちながら魔王を倒そうとしない俺に腹を立てていたのだろう。

 俺が雪や美里を守るといいながら協力しないだけに余計だ。

 だがこの二人の決闘を見てどういう土俵で俺達が戦っているかが少しわかったのだろう。


 「まぁな……もしお前が俺と手を取り合いたいのなら現状を受け入れるべきだろうがそれは今のお前達では不可能だ、それにあの事もあるしな」


 もう一つの可能性を考えればあの件がぶつかる、そうなれば手を取り合うことなどできないからだ。

 だから俺とこいつは手を取り合うのは難しく違う土俵でそれぞれ目標を達成するというのが一番いい。


「お前はお前の道で目標を達成するんだな、お前の才能は認めているよ」


 そう、こいつの人当たりの良さや統率力と能力を見ればわかるが選ばれた勇者そのものだ。

 嶋田は言うならば神に愛された勇者で俺はその神より上の魔神で陣はそれに認められたってだけの話だ。


 「君にそう言われると不気味だけど君に認められるのは悪い気はしないよ」

 「そうか……せいぜい頑張るんだな」


 今まで勇者は誰も帰還していない……それを達成できるかどうかだな。

四章長くなってすみません。

現時点だと7章まで書けばある程度満足ある形で終われそうです(笑)


更新できる時はなるべく書いて更新するのでよろしくお願いします。


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