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四人の道

投稿速度遅くてすみません、落ち着いたらまた戻します。

 ゼラは無条件降伏という形でこちらの要求の全てをのんだ、あえて部下たちの前で要求を突きつけることで後の反乱を防ぐことも出来ただろう。

 いくつか突きつけたが主な要求だったダルシ国の復活をまず第一に認めさせそれに伴う旧ダルシ国内からの撤退を受け入れた。

 次に半奴隷のように扱われた二年二組の奴らの解放だ、これは陣の願いでもあった。

 その他もろもろ要求したが全て受け入れられた、二十柱の介入を認めさせたことでダーレー教の影響力も弱まっていくだろう。


 「とまぁだいたいそんな感じだ」

 「なるほどな~周平が前世で境界騎士団の団長をやっていて、二十柱の一角の魔神だと……おまけに中三の時失踪した幼馴染は同じく二十柱で前世でも今も妻だと」


 ハイフライヤー城のとある一室、陣と二人になり今までの話をした。

 お互いに報告することもたくさんあり二時間ぐらいになってしまったが親友は変わらず親友だったということを実感できた。


 「来た時お前も一緒にいれば最初苦労しなかったんだろうけどな~」


もし陣がいればあんなに早く記憶を思い出すこともなかったかもしれないな、だがあの時点での俺は無能力者……もしかしたらもっと迷惑をかけて雪や美里を危険な目にあわせていたかもしれないな。


 「かもな~まぁお互い別れたことでこうして人間を辞めれたわけだがな」

 「ああ、お前のその力には期待せずにはいられないよ」


 ジェラードさんの言った新たな二十柱の誕生……もしかしたら陣である可能性は大いにあるからな。


 「おう、お前と対等になるぐらいには強くなりたいね~」

 「ああ、俺の背中にいてほしいから俺もそうなれることを祈っているさ」

 「任せておけ、それでお前の作った組織とやらに俺とアンもいれてくれないか?」

 「俺もお前を誘うつもりだったし歓迎さ」


 陣からの申し出はありがたいな、俺の思想や目的を話した上での申し出だからな。

 

 「ありがたいぜ、俺は何をすればいい?」

 「そうだな、俺はお前の可能性を信じている。だから俺とともにとある場所に行ってもらうかな」

 

 もし陣が俺達同様二十柱の力を継承する運命ならばあの場所に行くことが出来るはずだからな。

 現時点で継承が決まってないのは四柱……もし継承されるとすればパンドラと獣王とあれを除いたあれだろう。

 

 「そこに行けばお前と同じ二十柱とやらになれるのか?」

 「どうだろうな、その運命になければ弾かれるし仮にそうだとしても命を失う覚悟も必要だな」

 「ハハッ、何笑いながら平然と言ってんだよ~」

 

 何で笑ってるかって?当然さ、お前の可能性を信じてるしそのうえで死ぬわけがないと確信しているからさ。


 「当然、お前なら楽勝だからさ~それに……」

 「こんなこと言われて挑戦しないわけがない……とでも言いたかったか?上等だぜ」

 「ああ、その言葉待ってたよ」


 二十柱となる場合その力を継承するわけだが陣に継承させようしているのはかつてダークエルフが中途半端に得て世界を崩壊しかけた代物……一説には混血にその継承が認められているとされている。

 天使と悪魔のハイブリットは他のどの組み合わせよりも強いとされる、何故なら相反する力の合成にておこる消滅を乗り越えた証でもあり大きな爆発力を産むからだ。

 陣の場合は基礎が人間でがあるが故に光と闇の力を半々で受けて合わさることができたのだろう。


 「大船に乗った気でいてくれ、それであの二人はどうするつもりだ?」


 その話題にはつい目をそらしたくなってしまうな、陣の言う二人とはあの二人だからだ。


 「雪と美里か……陣はどうだ?俺以外で許せるのはお前だけだが……」

 「俺はてっきり雪ちゃんと美里ちゃんとよろしくやってると予想したんだがね……」


 甘いぜ陣、俺の嫁は浮気や二番手など一切許さないからな~


 「お前じゃなきゃとある奴に託すさ」

 「そうか、周平が嫁に交渉するのが一番いいんだけどな~」


 それは間違いなく俺の死だな、怖くてとてもじゃないけどそんな案は出せんな。


 「ハハッ、まぁ俺はあの二人とくっつく気はないさ」

 「そうか……それだけあのダークエルフの子にそこまで入れ込んでいるとはな~」


 それがダークエルフというのもまた運命なのかもしれないな。


 「そういうわけじゃないんだ、ただアンは放っておけないんだ……」


 放っておけないか……俺が月島に感じるそれと似ているものがあるかもしれないな。


 「いいことだ、そのかわりしっかり守ってやれよ」

 「勿論さ、それであの二人はどうするつもりなんだ?お前の組織にいれないのか?」

 

 それが出来たら苦労しないんだよな……あの二人の立場を考えればクラスから引き離すことは出来ない、だから今は時期を待つしかない。


 「色々あって今は難しいな、ただあの二人は守るべき大事な存在だ。だからいずれは手を打つ」

 「そうか、なら今は何も言わんさ、お前を信じるよ」


 この先内部崩壊はいずれ起こる、あいつらが魔王城に向かうのであれば絶対にだ。

 その時二人は必ずこちらに来ることになる、そして俺はあいつに報復をすることになるはずだ。



 ◇



 二人の話し合いが終わり雪と美里を部屋に入れる。


 「待たせてすまんな」

 「遅いよ二人とも、あんまり遅いからあっちの想像をしちゃったよ~」

 「それで美里ちゃんと盛り上がってたんだよ~」


 想像すると吐きたくなってしまうな、どっちが攻めでどっちが受け……いややめよう。


 「ハハッ、周平が受けで俺が攻めかな~」

 「陣君流石~二人の絡み見てるとそうなるわね~」

 「フフッ、露骨に嫌がらないの~」


 顔に出ていたのだろう、雪に指摘されてしまった。


 「想像したらつい……」

 「気持ちはわからなくないよ~」

 「後で立花ちゃんにも聞いてみようかな~」

 「ハハッ勘弁してくれよ~それでどうだった?あれが俺の立つ場所と景色さ」


 大国だろうが圧倒的な力をもって相手を従わせ意のままに要求を突きつけそれをのませる。

 今や俺達に敵対しているのはダーレー教団ぐらいだろう。


 「凄かったよ、あの書記長に頭を下げさせて全ての要求を認めさせるなんて流石周平君だね」

 「あの反乱も全て裏で糸を引いていたらしいし、今や世界の半分以上が周平君たちの息がかかってるってのが凄すぎだよ~」


 美里に続いて雪も言う、二人とも俺を称賛してくれてはいるが何か言いたそうな顔だ。

 二人が言いたいこともなんとなく想像がついているがな。


 「でも……何か思うところがあるんだろ?」

 

 すると美里はすぐに口を開く。


 「うん、雪も同じこと思ってると思うけど……」

 「周平君らしくないかな」

 「確かにそれは言えるな~」


 陣にも言われてしまったか、まぁ言われてもしょうがない。

 記憶が戻る前の俺はああいう風に自分からガツガツ行く感じではなかった、記憶が完全に戻ってなければああいう風に自ら出ることはしなかっただろう。

 ファーガスの時は九兵衛さんや立花に任せたからな。


 「前世の記憶がほぼ戻ったからかな、前は自ら前線に出るパワープレイを好んだんだ」


 勿論しっかりと考えたうえでだ、団長という立場ではあったが前はガルカドール卿が後ろにいてくれたこともあって気にせず動くことができた。

 

 「そうなんだ~あそこまで圧倒的ならあれでよかったんだろうけど周平君のスマートさが持ち味だと思ってたから」


 確かに美里の言う通りか……個人的には百点満点に近い出来ではあった気もするがそれ考えると少しマイナスかもしれないな。


 「でもちゃんと考えてああなるも予想したうえだと思うから凄いとは思うよ、強引な周平君もありだし」

 「ハハッ、次はスマートにいくのも考えてみるよ」


 今こうして四人で揃って前のように話している、本当はすぐにでも二人もこちら側に引き込みたい。

 だからこそ二人に問うべきだろう。


 「二人は今後どうしたい?」

 「私達は本当はそっちに行きたいけどクラスのことがあるからね……」

 「うん……魔王を倒すぐらいは協力するべきかなって……」


 二人のこれは本音であって本音ではない、だからこそここでこの話をするべきだろう。


 「それは建前じゃないのか?」

 「「えっ?」」

 「さて未来の話をしようか」



 ◇



 シンとラムタラは城の屋上にいた、屋上から見る景色は絶景だった。

 それは半壊した街の様子を一望でき、それを目で見ることが勝利と自由の証だからだ。


 「終わったな……」

 「ああ……国を取り戻し奴隷となった全ての同胞も救うことができたからな」


 獣王の能力によって隷属の輪をはめられた全ての獣人族は解放された、獣王の同調の力によってあの一瞬でこの世界に住む全ての獣人族はラムタラと同じ状態となり、呪いによって対象を縛る隷属の輪の効果全てを打ち消しただの鉄くずと化した。


 「本当に良かったさ、それであとどれぐらいこちらにいれるんだ?」


 同調の力を世界全体に広げたことでかなりのエネルギーを消費したはずだ、アリダーの体のこともあるしそろそろ限界なはずだ。


 「察しがいいな……あと数日が限界だろうな、本当はこの世界を二十柱の手に取り戻すまでこちらにいたかったんだがな」

 「そうか……」


 獣人族を救うことできたわけだしこれ以上の求めるのは欲張りというものだろう。

 ただそれはあくまでも全体の目的であり俺の目的は果たされていない、俺がこいつを呼び寄せた真の理由は別にある。


 「あの時の約束を覚えているか?」

 「約束?」

 「ああ、あの街で別れてそれぞれの任務に向かっただろう」


 あの時ラムタラと同じ方向に向かっていれば……いやそもそもネレイデの留守中にあそこに二人で向かったのがミスだった。

 結果ラムタラを失うこととなったからだ。


 「ああ、あの仕事が片付いたら真剣勝負をしようという約束をしたな~」

 「覚えていたか」

 「当然、忘れるわけがないだろ?俺も凄い楽しみにしてたんだ……」


 ラムタラから殺気がにじみ出る、常人ならその場で気絶してしまうだろう強烈な殺気が屋上全体に広がりボロくなっている塀にはヒビが入る。


 「っ……衰えてないようだな」

 「当然、お前もちゃんと開放できていて安心したよ」

 「とうとうあの約束が果たされる日が来たんだな」

 「だな、というか俺を呼び寄せたのはそれが理由だろ?」


 涙が流れる、やっとだ……心待ちにしながらもずっと待ち望んでいた戦いをすることが出来る。

 体の震えが止まらない……久しぶりの武者震いは興奮の証だ。


完結するまで絶対書き上げますのでよろしくお願いします。

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