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革命軍のアジトへ

最近投稿のペースが遅くても申し訳ありません。

 縁談が無事終わり一度ギャラントプルームに帰還した俺達は連邦へ潜入しようとしていた。


 「お見合いの結果は意外だったわね、まさか向こうからプロポーズされるとはね~」

 「な、俺も予想外過ぎて一瞬どう対応しようか考えちゃったからな~」


 最終的には俺の圧力で難癖つけて断ろうと考えていた、それで敵対するような関係なら戦って潰すのもアリだと考えていたからだ。


 「でもオーケーして良かったの?」

 「ああ、フィッシャーマンの話してる感じからして嘘はついてなかったからな」


 反ダーレー教団の思想の持ち主で身分の高いものならサラにはうってつけの相手といえる、相手を見つける手間も考えれば棚からぼた餅だ。

 最終的にオーケーしたのはサラだしその判断に沿ってフォローしていけば良い。


 「いずれは滅ぶか大打撃をうける国から離れてファーガスに行ったのは彼にとっても運が良かったと見てくれるか……結婚式は一月先でしたっけ?」

 「ああ、一週間後にはファーガス入りして住むようになる」


 つまり獣人族の反乱はその直後ぐらいに起こするのがベストといえるだろう。

 式が終わるまでは反乱を予期した警備もキツいはず、やるならその直後で気が抜けている時がベストだ。


 「それで何人連れていく?私としてはあなたと二人でイチャイチャしながら仕事もこなしたいと思ってるけど……」


 立花は俺に寄り添うとそのまま抱き付き唇にキスをしてくる。


 「俺も本音を言えばそれがいいかななんて思うけど今回は一人連れていきたい……連れていくといっても基本はそいつは一人で行動させるがね」

 「団員?それとも追加メンバーかしら?」

 「シンさ、おそらく今回のキーマンになるかもしれない」


 昔シンから聞いた話がある、それを考えればシンを連れていくことがプラスになるかもしれないからだ。

 どのみち戦闘能力では申し分ないし連れていけばプラスはあってもマイナスはない。


 「何か考えがあるのね?」

 「ああ」

 「フフッ、シンなら問題ないわ、いても気にせずイチャつけるわね~」


 もう一度キスをしてくるので俺も負けずとキスをする。


 「というか誰がいてもイチャつきそうな感じがするんだけど……」

 「連れていくのが新しいメンバーとかだと流石に気を使うわ、里菜や椿とかもだけど」


 確かに考えでみれば椿や宮本にはけっこう気を使っていたな、たぶん恋したいけど相手がいない二人だからだろう。


 「シンの奴は入り口で待機させているしそろそろ行こーか」

 「あら、私とのイチャイチャをとるよりもシンをとるなんて妬いちゃうわね」

 「ハハッそう言わんでくれ、出来るだけ二人の時間をつくるようにするからさ」


 記憶がだいたい戻って改めて思い知らされたのが前世も今も変わらず立花の尻に敷かれているということだ。

 ただ戦争や戦いににおける判断は俺に一任してくれていたので口出しするとことしないとこを分けてくれている。


 「フフッ約束よ」


 俺達の住みかになっているギルドの別館の入り口にいくとシンとダルジナが立っていた。


 「待たせたなシン、それとダルジナもどうしたんだ?俺に用事でもあるか?」


 ダルジナがいることで横で立花から黒いオーラが見えた気がするので嫌な汗が流れた。

 立花の嫉妬具合は中々でまだ幼いダルジナの頭を撫でただけで浮気を疑われ妹属性とロリ属性は持ってませんとむくれてしまった。

 別に妹のように可愛がっているダルジナの頭を撫でたぐらいでいちいち目くじらたてなくてもと思うところだ。


 「友よダルジナも一緒に連れていっては駄目かな?」


 シンのその申し出に立花から見える黒いオーラが増す……


 「と、とりあえず理由を聞こうか?」


 ダルジナを見るとダルジナは真剣な眼差しでこちらを見る。


 「私もメンバーの一人として貢献したいなと思いましたし外の世界を見てみたいんです、周平さんが今撤回させようとしてる獣人族の奴隷制度を強いてる連邦がどんな国なのか自分の目で確かめたいんです!」


 自分が所属している組織がターゲットにしている国のことを自分の目で見るというのは大事なことだ。

 ダルジナのように俺や二十柱と無関係な人間は良く知らないで戦うより俺達と共に戦う事の正当性を自身の中で確立する必要があるだろう。


 「そうか……ちゃんと考えてて偉いな、そういことなら一緒に行こうか」

 「はい!ありがとうございます」


 明るくハッキリとした声で喜色の表情を見せる。


 「立花もそれでいいか?」

 「ええ、純粋で真っ直ぐな瞳にはお姉さん負けたわ……でもちゃんと私とイチャイチャするのが条件よ!」

 

 立花はややむくれた顔を見せる、前にも言ったがダルジナは俺の中では妹のような存在だ、もちろん五年後が楽しみではあるが……


 「立花さんも無理言ってすみません……その私もお二人の邪魔をするつもりとかないので……」


 どうやら立花が少し怖いようで少し怯えた表情を見せる、すると立花はそのままダルジナを抱きしめる。


 「ううん、いいのよ……悪いのは全て周平だから。よろしくねダル」


 ダルジナの目を見て微笑む、何故俺が悪いんだと突っ込もうとしたがあえてスルーした。


「は、はい!お姉ちゃんって呼んでもいいですか?」

「ええ、構わないわ~」


 シンもやれやれといった感じの表情を見せる、最初は黒いオーラが出ていてどうなるかと思ったが問題なさそうだな。



 ◇



 ゲートの先はアエロリットがマスターを務める冒険者ギルドがあるタウィーの街だ。

 同じく組織に入ったシスオンバイとフィダルゴが裏でこの街の獣人族の糸をひいており秘密のアジトもあるという。


 「ここが連邦……というか立花お姉ちゃんのこの魔法凄すぎですよ~」


 ダルジナは立花に感心する、前に王国からギャラントプルームに移動したときは何が起きたのかわからずポカーンしてたけど今になってこの魔法の凄さがわかったらしい。


 「フフッ私しか使えない唯一無二の便利魔法だし突然よ~」


 行ったことのない場所や異空間の世界には移動出来ない制約はあるものの大量の魔力と手間のかかる空間移動系の魔法を存在意義をなくしてしまうような魔法だ。

 使えるのが立花だけで本当に良かったと心底思う。


 「くぅ……羨ましいです~」


 ダルジナと立花がじゃれあう、仲良し姉妹のように仲良くなってくれると嬉しいものだ。


 「立花その秘密のアジトとやらはどこなんだ?」

 「この先よ」


 今いるはタウィーの街の裏通りともいえる場所で昼間でさえ怪しい感じがするので夜ここを通るのはかなり危険だ。

 

 「もしかしてここを一人で調査したのか?」

 「ええ、深夜のこの通りはスリリングね~」


 まったくうちの嫁は……女の子がこんなとこ一人で歩いたらあかんな。


 「立花みたいな美女がこんなとこ一人でうろついたら色々危ないぜ」

 「あら心配してくれるのね、嬉しいわ~」

 「当然だろ」


 もちろん立花のことも心配だが襲った奴は立花の虫の居所が悪いと痛い目見るだけじゃすまなそうだからそっちの心配をしてしまう。


 「フフッ、私と離れている時はちゃんと私の心配をしててね」


 いかにも怪しそうなバーの中に入るとフィダルゴが立っていた。


 「よっ、待ってたよ」

 「ご苦労様、立地条件がもう少し良ければお客さんがもっと入るんだけどね~」

 「ハハッ、従業員が少ないから今のままで充分さ~」


 店の奥に案内されるとフィダルゴが仕掛けを作動させ地下への隠し通路が部屋の地面から浮き出る。


 「これはまた古典的な……」

 「案外バレないもんでな、そもそもここいらの地下は下水道になっているだけに変な勘繰りをされないんだ」

 「地下に空間があっても下手に疑われることがないってことか」

 「ああ」


 フィダルゴについて行き地下に降りると下水道が広がっており獣人族の男が一人待ち構えていた。


 「じゃあ俺は店に戻る、ヴェットーリ案内を」

 「はい、それじゃみなさんこちらに」


 フィダルゴと別れまだ十代だと思われる獣人族のヴェットーリについて行く。


 「いつから革命軍に?」

 「五年ほど前です、父と母が参加しておりその流れで入ることになりました」


 聞くと奴隷ではない獣人族の革命軍率は過半数を超えているらしい、それだけこの国の自分達の扱いに不満を持っているということだろう。


 「そうか、お前の目から見てこの国はどう思う?」

 「この国の人間たちは魔大陸に住む魔族達を忌むべき悪魔と言い遠征をしています……でもこの国の中枢を担う者達はそれ以上に悪魔で僕達の暮らすこの国はそんな真の悪魔が巣食う国です……」


 真の悪魔か……自分達よりも下の種族と位置づけそれを奴隷にすることで自分達は優秀な民族だと位置づけたいのだろう。

 人間という種族はどの世界でもそういう傾向にある、地球でも白人が黒人を下に見て黒人動物園なんて作ったぐらいだ。

 妖精なんかは自分達で固まってむしろ他種族を排斥する傾向にあるからそういうことはない、もっとも代わりにプライドが高く自分達を高位の種族と自負する者が多いがな。


 「いい例えだ、それこそが人の心に潜む闇であり俺達が倒すべき敵だ」

 「はい!よろしくお願いします」


 俺も魔神とはいえ元は人間、だが同族だった人を殺すことに違和感はない。

それもまた人間の特徴かもしれないな。


 「傲慢だな……」

 

 シンがつぶやく。


 「確か傲慢が許されるのは自分が許可した者だけだったな?」

 「ああ、俺の許可なく傲慢な行為をするのは俺に対する背信さ。背信行為にはそれ相応の報いを与えるまでさ」


 シンは昔のとある事から獣人族に対しても友好的だ、今回シンを連れて来たのも立場を気にせず容赦なく獣人族の為に人を斬れるからだ。


 「ここら辺ですかね」


 ヴェットーリに連れられ下水道を進んで行くと途中で石壁を触りだした、するとその石壁が回転し隠し部屋が現れた。

 

 「どうぞ」


 隠し部屋に入り奥へと進むとシスオンバイが手招きをしていた。


 「よっ、ここが革命軍のアジトか?」

 「ええ、ここが砦です。タウィーの街は元々あっし達獣人族の街ですしあっし達の方がこの地下道には詳しいですぜ」

 

 シスオンバイは得意気に語る。


 「なるほどな、それで早速そっちの指導者に合わせてくれないか?」

 「ええ、周平殿や姉さん達が来るということで今日は幹部陣も総集結ですしどうぞビシッお願いします」

 「ハハッ緊張させんでくれよ」


 これでも人前では多少の緊張はする、リーダーとしてはまだまだな。


 「すみませんね~こっちについてきてくだせえ」



革命軍というのは獣人族が連邦を倒し独立する為に設立された軍ですね。

それに主人公達が協力すると言った感じです。


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