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集結へ

そろそろ物語を動かさないとですね。

 ギルドマスター会議が終わる頃周平や立花は新たな組織のメンバー集めとして何人かをギャラントプルームに連れて来て、俺達専用になっているギルドの別館に集結させていた。


 「ギャラントプルームなんて来たの久しぶりですよ~」


 横でテンションを上げているのは二本柳祐二だ、前々から頼んでおいたので今回の招集には快く来てくれた。


 「でも僕なんかが入って良かったんですか?」

 「当たり前だろ~それにほらお前を待っていた人もいるしな」


 ドアを開ける音と共にレダさんがやってきた、平静を装っているがやや息が荒いのが話kる。


 「レダさん!」

 「祐二……よく来たわね……」


 レダさんはそのまま人目を気にせず祐二を抱きしめる、感動の再会だしいいことではあるんだがな……

 戦姫が選んだ相手が地球生まれの男の子ってのがいまいち様にならんよな……まぁ祐二をもっと強くしてやればいいだけの話ではあるが……


 「レダさん……会いたかったよ~」

 「私もよ……ほら男の子がそんな涙なんか流してみっともないわ~」

 「でも……嬉しすぎて……」


 何度も言うがこれが師弟や姉弟の再会とかならとても感動的なんだが……ショタコン戦姫とオバコン男子となると……祐二にレダさんは文字通り百年早い。


 「僕あれから強くなりました、後で是非見てください!」

 「ええ、二人でじっくり話しましょう。周平借りるわよ?」

 「ああ……好きにしてくれ」


 レダさんは祐二を連れて部屋を出た。


 「周平さん、今の美人さんは誰ですか?」


 と話かけてきたのはラシュカリの街のアドラーブルだ、隣にいるジュエラーも含めて立花がスカウトしたのだ。


 「戦姫ってのは知ってるよな?」

 「はい、世界の守護を任されている四戦姫フォースヴァルキリーのことですよね?」

 「あれはそのうちの一人だ、ちと若い男の子が好きだがとても強くて頼りになる」


 それを聞いた二人は驚いた表情でこちらを見る。


 「そうなんですね~まぁ愛は人それぞれですから」

 「そうそう、私達もあんな風に好きになれる人と出会いたいものです」


 二人は年頃の女の子だがずっと屋敷にいたからあまりそういう出会いがなかったはずだ、ましてやあんな事もあったしな。


 「周平君私も誰かいい人紹介して~」

 

 二年二組で同じ中学だった宮本里菜だ。


 「うん?お前の相手は立花の目も気にしないといけないからな……そこにいるクロコルージュなんてどうだ?異種族だが強いぞ?」

 「ハハッ、私のような老骨でよければいつでもお相手いたしますぞい」


 まぁクロコルージュからしたら宮本は曾孫のような感じだろうがな。


 「冗談辞めてよ~そこのエルフ君ぐらい若くないと~」

 「ぼ、僕ですか?」


 振られてアタフタするのはエルフの国行った時に世話になったダリウスだ、俺が無理やり連れて来たのだ。


 「うん?人間じゃ不服か?」

 「いや、そういうわけじゃなくて……」


 ダリウスは顔を赤くする、前はわからなかったけど結構シャイボーイなんだな。


 「フフッ、私に夢中になってくれるなら考えちゃうぞ~」

 「ハハッ、そんなにからかってやるな」


 周囲が笑う。


 「周平君の集めるメンバーだけにどんなメンバー来るのかと思ってたけど予想通り風変りな顔触れだね~」

 「お前もその一人だけどな、ジャジル代表として頼むぞ尾形」

 「うん、まぁトリプティクもいるけどね~そっちの小さな女の子と獣人族の三人も周平君が?」


 ファーガス王国王都アスタルテの武具屋の娘のダルジナと立花が連れて来た獣人族のシスオンバイとフィダルゴに元奴隷のヴィエナだ。


 「そこにいるダルジナは俺が連れて来たけど獣人族の三人は立花だ」

 「シャーガーさんは実は召喚された勇者の周平さんで……」


 どうやらまだ混乱している様子だ、立花のゲートでアスタルテに行った時にスカウトした。

 まさか二つ返事で来てくれるとは思わなかったけどダルジナはとある種族の末裔、俺達の力になってくれるはずだ。


 「ハハッ、あの時は変装しててごめんな~シャーガーの方がお前好みか?」

 「い、いえ!シャーガーさんと周平さんは同一人物で私のお兄ちゃんであることに変わりありませんから!」

 「お、おう、そう言ってくれると嬉しいな」


 随分と俺になついてくれて妹ができたみたいで嬉しいんだが立花が変な対抗意識を出してくるんだよな~


 「そっちの三人もよろしく頼むな」

 「ええ、こちらこそ大いなる至高の存在からこのようなお誘いを頂き嬉しい限りです」

 「俺はそんな大層な者じゃないぜ~」


 立花が一目置く存在だけに警戒心を覚えてしまうがそれに見合う能力があるのは間違いない。


 「複数の二十柱が我々獣人族の後ろ盾となってくれるならあっしは喜んでご協力いたしますぜ、それにここに集まった面々を見ても他種族が混在する組織であることは間違いない」

 「俺達に差別意識を持つ人間は多い、そういうのはいなそうではあるな」

 「そこは安心してくれ、そういう差別意識を持つ奴は今んとこはいないしそんな奴がいたらしっかり追い出すさ」


 希望としては他の希少種族なんかもをメンバーに入れておきたいところだ。


 「それじゃあもう少しここで待っていてくれな」


 別館をでて九兵衛さんの元に向かった。


 「設立宣言は夜になりそうだな~」

 「おい誰だ!こんなとこに荷物を置いたのは?」


 歩いていると大きな声をだす男がいたので見ると馬車の通り道を塞ぐ荷物にイラついている様子だ。


 「ごめんなさい……今荷物を運んでまして……」

 「馬車が傷ついたらどうするんだ!」

 「すいません……」


 どうやら穏やかな感じじゃないな……


 「わぁ高級そうな馬車だ~」


 獣人族の子供が馬車に触れると男はその手を弾き飛ばした。


 「おい!このクソ餓鬼!獣臭さがつくだろうが!」

 「ぐすん、ちょっと触っただけなのに……」


 するとその母親が割って入る。


 「すいませんこの子が……」

 「全くだ……汚い獣の臭いがうつるだろうが!」

 「ちょっと触っただけじゃないか~臭いなんかうつるもんか~」

 

 子供も負けずと言い返す。


 「やめなさい……」

 「黙れ!汚い獣が!少しお仕置きが必要だな」


 男は獣人族の子供に攻撃をしようと構え、親が子供庇う体制に入る。


 「おい、流石にそれはまずいんじゃねぇ」


 男の腕を止める。


 「なっ……」

 「まったく……子供にそんな手を上げようとして恥ずかしくないのか?」

 「何だお前?お前には関係ないだろ?」

 「どんな理由があろうとさっきの発言もその行いも見過ごせないわ」


 これを見て見ぬふりしたらみんなに失望されちゃうからな。


 「ぐっ……この……」

 

 振り払おうとするのでもっと強く腕を握る。


 「いっ……痛い……離せこの……」

 「イキるのは女子供の前だけか?」

 「お、俺をファラリス連邦のペブルスでギルドマスターをしているトムロルフと知っての狼藉か?」

 

 トムロルフ?確か白金ランクのギルドマスターで九兵衛さんの腹心じゃない奴だっけか。


 「そのギルドマスターが大層な狼藉だなおい!」


 トムロルフのおでこに向かって頭突きをするとそのまま倒れる。


 「いってぇ~この……」

 「ここは他種族が混在する街ギャラントプルームだ!今度俺の前でそういう発言をしてみろ?ただじゃおかねぇぞ!」


 すると馬車から一人男が出てくる。


 「騒がしいですな」

 「アニリン、こいつが俺に……」


 アニリン……ってことはこいつがもう一人のギルドマスターか。


 「あんたの連れか?連れの面倒はしっかり頼むわ~」

 「誰だかご存知ありませんがあまり我々を甘く見ない方が……」


 甘く見る?誰に向かってそんな口を聞いてやがる……


 「うん?やるか?」


 二人に本気で威圧をかけるとアニリンの口が止まり起き上がろうとしたトムロルフが再び崩れる。


 「失礼した、こっちの道からでもここを出れますかな?」

 「ああ、ここを曲がらなくても真っ直ぐ行けばラグーサの大森林さ、少し遠回りになるがな」

 「わかりました、行きますよトムロルフ」

 「お、おい……」


 アニリンはトムロルフを無理やり起こし馬車の中に詰め込むと馬車はそのまま去っていった。


 「ふぅ~二人共怪我はないか?」

 「はい、ありがとうございます」

 「いや気にすんな、ああいうのはここでは珍しいが気をつけてな」


 周りからも拍手が上がり少し恥ずかしいが人助けをしてお礼されるのは悪い気はしないな。


 「兄ちゃん強いんだね、かっこよかったよ~」

 「ハハッ、坊主もお母さん守れるぐらい強くなるんだぞ~」

 「うん!それと兄ちゃん……俺臭いとかするかな?」


 坊主の顔が少し憂い顔になる、さっきのことを気にしているのか……


 「何言ってんだ、さっき言われたのが気になったのか~」

 「う、うん……俺獣人族だから……」


 こういうのを聞いてしまうと心がグッと動かされてしまうと同時に自身の不甲斐なさや今の世界への憤りを覚えてしまう。


 「ハハッ、坊主は立派な獣人族じゃないか、臭いだって坊主の臭いだ」

 「それじゃあ俺臭くないよね?」

 「ああ、そんなくだらないことに気にするんだったらもっと親孝行してやれ。お母さんが悲しむぞ」


 坊主の表情が明るくなる、これで少しは元気を取り戻してくれたかな。


 「うん、ありがとう兄ちゃん!」

 「ありがとうございます」


 

 ◇



 ギャラントプルームを出てラグーサの大森林に入ったトムロルフとアニリンは馬車の中でさっきの話をしていた。


 「なぁ、さっきの奴……」

 「ええ、おそらく本気でやり合えば私達など簡単にやられるだろうね~」

 「総長と同じ感じがしたぜ……あれは人間じゃねぇ……」

 

 トムロルフは周平の人間離れした威圧に恐怖を感じていた。


 「最近総長が昔の仲間と合流したと周囲に言っていたらしくそれでしょうな、何にせよ油断はできませんね~」

 「ああ、だけどあの変態総長が本当にダーレー教団の敵二十柱の一角だってのか?確かに人間離れした底知れなさはあるけどよ~」

 「おそらくは……ただ確証はありません。ただ今はああやって大人しくしている以上は我々にできることもこういった監視ぐらいしかないのも現状です」


 二人はダーレー教団員として高天原九兵衛の動きを監視していた、それは教団の情報網で彼が二十柱の一角であるという疑いがかけられているからだ。


 「初代妖精王の方は確実に黒なんだけどな~」

 「閉鎖され中立を貫く妖精の国へは行くことが難しいしですしあそこでは信仰する宗教も違いますからね~」


 初代妖精王が二十柱の一角であることは知られているが顔をだして表舞台に出てくることがないのとエルフの国の閉鎖性から二十柱を忌み嫌うものとしているダーレー教団も何かしようということはしない。


 「まぁあっちは問題ないでしょう、本国に帰ったら大司祭に連絡ですね」

 「だな~最近は奴隷の獣人共も騒がしいし全く面倒だね~


 ギルドマスター会議は年に三回、周平の組織設立には実にいいタイミングだったと言えるだろう。


白金ランクのギルドマスター関連のステータスを少し改変するかもです。

というのも十人しかいない白金ランクのギルド職員なのでステータスがちょっと低いかなと思うので。


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