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レガリアの迷宮攻略3

あと2、3話で迷宮の話は終わらせます。

 三〇〇層をソロで突破し最下層への道が開かれた。


 「どうだい?俺の作った機構魔具は?」

 「流石だよ、魔法ですぐに決着を付けず自分の所有する道具のデモンストレーションしてくれたのも良い演出だったよ」


 直樹ぐらいの実力があれば第八位階魔法を発動出来るはずだからな、わざわざ時間をかけて倒したのは自身の発明した道具のデモンストレーションだったのだろう。


 「ハハッ、流石にこれより下層のボスをソロでやるなら最初から本気になってしまうがね」

 「週ちゃん六〇〇と七〇〇のボスは貰いたい」


 椿が言う、そろそろ戦いたくてウズウズしてきたかな。


 「ハハッ、人が戦っているの見てやりたくなったんだな」

 「そそ、途中の雑魚じゃ斬っても何の足しにもならないし……」


 椿は戦闘狂だからな、ボス戦黙って見てるのに飽きてきたのだろう。


 「了解、その二つは任せるよ」


 といっても六〇〇層までけっこうあるよな~このペースだと入ってから出るまで一月近くは見ないとだしかなり長丁場である。



 ◇



 下までの道のりを進む、一層あたりは三十分もあれば突破できるがずっと進みっぱなしというわけにはいかないのでここいらで一旦休憩を取ることにした。


 「そういやレダさんに聞きたいことがあったわ」

 「なぁに?」

 「他の戦姫、特にヒルデの奴の安否はわかるかい?」


 それを聞いたレダさんの顔は険しくなり椿もしかめっ面を見せる。


 「他の戦姫の安否はわからないわ……この百年捜していたけど誰一人として会ってないわ」

 「周ちゃんあの女と何かあったかしら?」


 椿は実同様ヒルデと因縁があったんだったな。


 「いや、これよ」


 前に雑貨屋で見つけた槍だ、一見何の変哲もない槍だが戦姫が持つと力を発揮するヒルデ専用の槍である。


 「随分ぼろっちい槍ね」

 「周平それまさか……」


 魔力を無理矢理込めて形を変化させる。


 「ギャラントプルームの雑貨屋で見つけたヒルデの槍さ」

 「なるほどね……」

 「俺が抜けた後ヒルデはどうなったんだ?交戦しなかったのか?」


 戦場に出ていれば誰かしらと交戦しているはずだからな。


 「最後に交戦したのは私よ、大戦終盤だったからしらね……途中で邪魔が入って決着はつけじまいでそれ以来ね」

 「てことは戦死したわけじゃなさそうだな」

 「そうね、あの時点でこちら側でヒルデを倒せそうなメンバーは騎士団ぐらいだろうしあっち側での仲間割れでもない限りはやられることはないはずよ」


 大戦時四人の戦姫は一人がこちら側に二人が敵側、一人が中立となった。

 中でもヒルデはダーレ教団でも象徴的な扱いを受け偽神とも深い繋がりがあった。


 「今更アイツが出て来るような今度こそ私と実が殺るわ、借りはしっかり返してあげるわ……」


 椿は殺気をだしながら言う、レダさん的には少し複雑だろうな。

 戦姫の役目は世界の調和、元は四人共別の世界から調和を保つためにこの世界にきたという背景がある以上ヒルデともう一人の行動は立派な反逆行為……許せるものではないだろう。


 「まぁまぁそう殺気だてるなよ、また再会した時に決めればいいさ」



 ◇



 休憩を終え最下層へと向かう、ここからまた敵のレベルが上がるがなんなくこなすあたりが流石は騎士団メンバーだなと実感する。

 直樹、レイチェル、椿の三人が先頭で出て来る敵をだいたい蹴散らしてくれるので後ろをただ歩くだけである。


 「立花のその創世魔法は相変わらずチートね、迷宮が迷宮じゃないもの」


 この迷宮自体下に下がれば下がるほど複雑になり一層一層超えるのに時間がかかるが立花の創世魔法によって迷うことなく最短距離を進んでいるのだ。


 「一応大賢者ですからね~」

 「前に図書館ザ・マスターやラントスロット卿と来た時を思い出すわね~」

 「偽神の最初の反逆の時か……」


 元々迷宮の最下層は四体の偽神が守護していたわけではない、だが偽神が反逆したことでラントスロット先生達がこっちに来て偽神共を黙らせ偽神のリーダーガロピンを封印した。

 その四体をコピーしそれぞれ迷宮の最下層に配置した、エクリプスを出た後に行き来を封じられたことに初めて気付いた先生達は九兵衛さんやロードリオンにエクリプスから出ないように待機させたのだ。


 「そうね、あの時から始まり百年前の大戦があって今に至るのよね~」


 百年前の大戦はガロピンの復活に気付いたことによりそれを倒すのを目的として参加することとなった。

 エクリプスに派遣された俺達は先生よりでた偽神の殲滅指令の下、半分を殲滅しガロピンを封印した。


 「随分長くなっちまったし今回で終わらせるさ」



 ◇



 さくさくと下へ進み四〇〇層に辿り着く。


 「連続魔法ヴァイスシュバルツ&グランドクロス!」


 レイチェルは四〇〇層のボスキングバードを数分で片付ける、第八位階以上の魔法を無詠唱が出来るというのはそれだけで大量破壊兵器となりうるのだと実感する瞬間だ。


 「この世界に来る前同級生の魔女会のやつが第八位階より上の魔法を普通に使えるようにする為の研究をしていたがそんなことが実現したらヤバいだろうな」

 「世界に住む人々一人一人が兵器になっちまうからな~」


 その人は魔法の詠唱技術を進歩させたことで魔法学校時代の教科書にも載っていたしそっちの世界じゃ二十柱よりも有名だったりする。


 「様々な研究をし色々追求した結果そこまで実現しようと考えたあいつも立派だし尊敬もしているがな、まぁその研究自体は結局不可能で断念したさ」

 「それは良かったよ」


 仮に成功したとしても一般人が発動したらその時点で死が確定する、成功したら特攻隊が出来上がるな。


 ◇



 五〇〇層のボスアーリマンゼロはステータスが五万超え、これもレイチェルの魔法が炸裂すると余裕だった。

 風系統の敵が出現するだけあってそのフィールド内を飛び回るので剣士系には厄介だが魔術師系ならどうってことはない。


 「アイスサンクチュアリ!」


 周辺を氷で包み込む第八位階魔法によって闘技場全体が凍り付けになるとアーリマン自身が生み出した風まで凍り身動きが取れなくなったところをフレア系統の魔法で責めたら呆気なく決まった。


 「少し寒いわ~」


 椿が大きなくしゃみをする、ちなみに闘技場内の気温は氷点下まで落ちている。


 「氷系統の強力な魔法は場合によっては味方にも被害を被るからな~」


 反対の炎属性の魔法もしかりだ。


 「ここで食事を取る予定だったんだけどね~」


 レダさんは少し困り顔だ。


 「レイチェル!あんたこの後のこと考えなさいよね~」

 「すみません……」


 椿に言われたのは少し釈のようだが素直に謝る。


 「まぁまぁ魔神モードになってここを常温に戻すよ」


 魔神モードになり周りの気温を温める、流石に暑くしすぎるとブーイング間違いなしなので気をつけねば。


 「これぐらいでいいか?」

 「問題ないわ、魔神モードを解いてちょうだい」

 「了解~」


 五〇〇層を常温に戻したところでお待ちかねのご飯タイムだ、因みに外は昼でここに入ってから二週間弱が経っている。

 今回はある程度時間に余裕を持って進めているのだ。


 「今日は俊樹さんに用意してもらったあれをだすぜ」


 迷宮が長丁場なので前回同様俊樹さんのところに寄りご飯を調達して宝物庫にしまってから来ている。


 「今日はこれだ!」


 だしたのはアメリカ発祥日本では有名なファーストフード店マックのビックマックだ。


 「あら、これは懐かしいわね~」

 「昔地球の日本で食べたハンバーガーとフライドポテトね、身体には悪そうだけど美味しいかったのを覚えているわ」


 立花はもちろんのことレダさんも知っているようだ。


 「周ちゃん何これ?」

 「食事にしては少ない気もするが……」

 「俺が地球にいた頃はなかったやつだね」

 「サンドイッチみたいな感じですかね?」


 マックを知らない四人の反応はこんな感じだ。


 「これは地球ては老若男女が利用するマックの人気商品ビックマックとフライドポテトだ、食べると病み付きになる人もいるぐらいなんだぜ」

 「確かにいい匂いだな、早速頂くとしよう」


 シンはビックマックを一口かじる。


 「これは美味いな、肉と野菜とパンが見事にマッチしているな」

 「だろ~実際は他にもたくさん種類があるから良かったらまた今度頼んでおくよ」

 「是非お願いしたい、これは一人一個か?」


 シンの奴早速ハマったようだな。


 「このビックマックは一人一個だがプレーンのハンバーガーは一人二個用意してある、あとこのポテトも食べるといい」

 「周ちゃん私も食べるー」


 椿は横からポテトをつまみ食いする。


 「ヤバいわこれ……ハマるかも……」


 椿は衝撃を受けた様だ、だけどこれ食べ過ぎ危険なんだよな……


 「ハハッ、だけどこれ食べ過ぎは早死にのリスクあるから毎日とかは食べれないんだよな~」


 原因はよくわかってないらしいがじゃがいもを揚げて塩をかけた物については死のリスクが上がるらしく週二ポテトは危険なんていう専門家もいる。

 じゃがいもを普通に食べることに関しては死のリスクが上がるわけではないのに揚げてポテトにしたら死のリスクが上がるなんて不思議なものである、まぁほどほどにしろということだろう。


 「それは貧弱な一般ピーポーを対象にした場合でしょ?こんなんじゃ私は殺せないわ、しっかり片付けてあげるわ~」


 全く……口から涎でてるぜ。


 「まぁたまに食べるぐらないなら問題ないしそもそもそれは普通の人間の話だから心配しなくていいぞ」


 高血圧や糖尿病のリスクを上げる食べ物ではあるが騎士団メンバーはみな何かしらで年をとらない特性を持つし身体の免疫力が普通の人間のそれとは異なる、そもそも八位階より上の回復系統の魔法を習得しておけば病気の心配をする必要がない。

 地球に魔法が普及したら病気の心配をせずに暮らせる世界が実現できるかもしれないな。


 「そそられる匂いだ、早速いだたくとするよ」

 「周平さんがそこまで言うなら安心して頂きますわ~」


 直樹もレイチェルも二人に続きビックマックにかぶりつく。


 「美味しい、昔の日本はこんな美味しい食事はなかった……いい時代になったものだね~」

 「悪くない味ですね、周平さんありがとう」


 二人の反応も悪くないな、今度は俊樹さんにモスやケンタッキーも頼むとしよう。




次は椿の戦闘の回ですかね。


フライドポテトの食べすぎは気をつけてください(笑)


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