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レガリアの迷宮攻略

主人公達の話にまた戻ります。

無事迷宮へと入った俺達は下へ下へと進んでいた。


 「迷宮とは懐かしいね~」


 直樹が周りの壁を触りながら懐かしんでいる様だ。


 「百年ぶりの迷宮か?」

 「ああ、大戦が終わってからはもう立ち入ってはないからね。実と九十九と一緒にファーガスのクレセントの迷宮を攻略していたのが懐かしいよ」

 

 直樹も実と九十九同様初代勇者の一人だ、元々直樹が俺達に接近し助けを求めたことで九十九と実が騎士団に入ったんだったな。


 「レダさん達は入ったことあったよな?」

 「私はラントスロット卿や図書館ザ・マスターと一緒にずっと昔に来たことがあるぐらいね」


 レダさんは四戦姫フォースヴァルキリーの一角として俺達がこの世界に来る前からこの世界で影響を与えてきた。


 「私は一人で魔大陸にあるオルメタの迷宮で行けるとこまで腕試ししてたよ~七百層ぐらいまではいけたかな~」

 「やるじゃん!」


 流石は椿といったところだ、ステータスも九十九とほぼ同じぐらいだし後で腕を見るのが楽しみだ。


 「レイチェルは?」

 「私はこれが初めてです……」


 レイチェルはよそよそしく話す、昔はこんなによそよそしくなかったんだがな……


 「どうした?調子でも悪いのか?」

 「いえ……そういうわけじゃないのですが……」


 真面目な奴だったがこんなコミュ障みたいな喋り方する奴だったかな?


 「アレクサンドラよ、友が信用できないか?」


 首を傾げていると横からシンが口をはさむ。


 「そういうわけじゃないのです……ただ……」


 そうか……あの時の事か……レイチェルは幼少期にガルカドール卿に拾われずっとのガルカドール卿の元にいたんだったな……


 「すまないレイチェル……」

 「いえ、私の気持ちの問題ですから!それに何があったかは夢の中でガルカドール様と話したロードリオン様から聞いていますから……」


 気持ち的にはまだ不信感を持っているのだろう、自分的にも同級生だった椿や他の二十柱とともに俺や立花を導く役目を持ったレダとは違い少し壁のようなものがあるのだろう。


 「周平がゴメンねレイチェル」


 少し気まずくなったとこで立花が横から入る。


 「いえ、私こそ周平さんだけでなく立花さんの気まで悪くさせてしまったかもしれないのでごめんなさい……」

 「フフッ、気にしなくていいわ。この迷宮を攻略すれば魔神の欠片たる狂魔結晶が一つ手に入るわ、そしたら周平の記憶がまた少し蘇るわ。もしかしたらそこでその時の記憶も蘇るかもしれないわ」

 「はい、それには少し期待してます」


 早いとこ思い出してわだかまりを解きたいものだ、というか三人はもうロードリオンから聞いてるんだったら話してくれてもいい気もするんだがな……自分自身で思い出すことに何か意味があるのかもしれないな。


 「しかし面倒だな、地面を割って下まで行きたいね~」

 「それやっちゃうと外が大きな地震を起こすのよ……早くて手っ取り早いんだけど外が街だし兵隊もたくさん寄ってくるわ……」


 レダさんが残念そうに言う、そういうことなら自重しないとだな。



 ◇



 百層につきボス戦に入る、ツインヘッドウルフだ。

 さて誰で倒すか……


 「周平さん私がまずはいきますわ」

 「おう、よろしく頼むな~」


 レイチェルが立候補したのでレイチェルにやらすことにした、さてお手並み拝見というこうか。


 「瞬殺ですわよ……」


 レイチェルの周りに魔方陣が出現するとそこから光線が放出される。


 「ハハッ、そうだったな~」


 瞬時に自身の周りに結界をはり魔方陣をいくつも出現させるその速さ、瞬速の魔術師クイックマジシャン、北方の魔要塞の異名に相応しいだろう。

 レイチェルのスタイルはガードしながら攻撃をするだったが見事に体言している。


 「消え去りなさい!」


 無数の光線を受けたツインヘッドウルフの姿はそこにはもうない、文字通り跡形もなく消え去ったのだ。


 レベル:313

レイチェル・アレクサンドラ

種族:人間

職業:混色魔法使い

攻撃:80000

防御:100000

魔法攻撃:100000

魔法防御:120000

素早さ:100000

魔力110000

コントラクトスキル:大要塞

異能:白の風(A)

称号:俊速の魔術師クイックマジシャン、北方の魔要塞、盾の女王


 ステータス的にはエミリアと似ているし職業も一緒だが戦い方が大きく異なる、エミリアは攻撃重視だがレイチェルは防御から始まる。


 「流石はレイチェルだ魔方陣の発生速度と数に磨きがかかったな~」

 「大戦が終わってからずっと私が指導していたから当然よ」


 レダさんは自信満々に言う。


 「ハハッ、ありがとうな」


 そういいながら俺はレダさんに頭を下げた。


 「急にどうしたの周平?」

 「いや、俺や立花がいない間は九兵衛さんが残りのメンバーを支えてくれたんだなって……」


 二人がいたからこそ騎士団はこうやって集結出来たと言っても過言ではないだろう。


 「フフッ、お礼を言うのはまだ早いわ。全てが終わったらもう一回聞かせてね」


 レダさんは優しく微笑む。


 「ああ、あとレダさんに聞きたかったことがあったんだけど裕二のことなんだが……」


 するとレダさんは顔色を変えて俺の体を揺らす。


 「あの子に会ったの!?」

 「ああ、俺と立花で少しく鍛えてやったんだ。というかあいつに会ったお陰でレダさんの生存と俺に対して不信感を抱いているってのを早い段階で知れたんだ」

 「そうだったのね~」


 レダさんは少し顔を赤くする、まさにそれは戦姫の顔でなく恋するの乙女の顔と言えるだろう。


 「裕二達がこっちに来たのはレダさんが絡んでるんだっけ?」


 それを聞くとレダさんの表情は少しく暗くなる、どうやら後ろめたいことでもあるのだろう。


 「一度地球に戻れる機会があって戻ってた時期があったんだけど戻るときに一度しか使えないこっちの世界に行くことが出来る魔道具を使用した時裕二達を巻き込んでしまったの……」

 「それで裕二達の支援をしていたんだな~」

 「ええ、そしたらあの子が可愛くてね……小さい頃から私を見て照れる姿を見てると体が反応して……」


 レダさんが顔を赤くしながら声を少し荒げる、これさえなきゃな……


 「フフッ、乱れていますよレダさん」


 立花が笑いながら言うとコホッコホッとしながら平静を取り戻す、まさかと思ったが裕二の事本気なのは間違いないらしい。


 「ごめんなさい、つい乱れてしまったわ……戦姫がはしたないわ……」


 戦場を血に染める戦姫が時より見せる恋する乙女の顔ってやつか。


 「ハハッ、別に恥ずかしいことじゃないさ。恋するのは良いことさ」

 「友の言う通りだな、俺も昔の事を思い出す……」


 シンは昔の事を思い出したのだろうか、少し悲し気な表情を見せる。


 「シン……これが終わったら探すのか?」

 「ああ……魂は消滅していないはずだからな、王が目から覚めればそれも出来るはずだからな」


 シンはかつて最愛の女性の為に転生前にいた世界を一度滅ぼしている、流石にそのことを問題視したラントスロット先生がジェラードさんを派遣して戦ったんだったな、結果途中で女が自ら命を絶つ形で戦いは終結……シン自身も自ら死後の世界へ行き転生をした。


 「そうだな、応援してるぜ!」



 ◇



 百層を楽々と突破し下へと駒を進める。


 「さて次のボスは誰にやらすかね~」

 「二百あたりで俺がいくよ、それ以外は任せるよ~」


 立候補したのは直樹だ、確かオールランダーだったイメージだがどうなってるか楽しみだな。


 「それじゃあとりあえず二百層のボスは直樹でそれまではレイチェルで」

 「直樹ってずっと部屋に篭ってブツブツ言ってガラクタを発明してたりで全然戦闘に参加してなかったから椿ちゃん不安しかないでーす」


 椿が直樹を見てニヤニヤする。


 「フフッ、馬鹿にしないでくれたまえ。この天才が二百層程度でつまずくわけがあるまい」


 直樹は余裕の笑いを見せる、まぁ確かにブレインだっただけあって騎士団メンバーの中でも前線に出る機会が一番少なかったのも事実だ。

 能力的に二百層程度では問題ないとは思うが最近は全然戦ってなかったと聞いているだけに少し不安だ。


 「まぁ二百層程度なら問題ないはずだ、直樹だって初代勇者の一人だしな」

 「その通りさ、そんなとこで遅れをとるようではこの先の戦いへの参加資格すら問われてしまうさ~」


 当然だが二百層程度のボスを瞬殺出来ないようではこの先の戦いではやっていけない、設立する組織のメンバーも事務方を除いたメンバーには高い戦闘能力を要求したいところだ。


 「ふぅん~まぁ問題ないか~」



 ◇



 一九九層まで進め二百層が近づいていた。


 「次は直樹さんに任せますのでよろしくお願いしますわ」

 「任せて~」


 二百層までは二十五層ごとにボスが、三百層までは五十層ごとにそれ以降は百層ごとにボスエリアがあるのが迷宮の特徴だ。

 さてお手並み拝見だな。


 「頼んだぜ、レイチェルもありがとな」

 「いえいえ、少しは上達したところを見せることが良かったですわ」


 ここに来るまでに少しでも気まずさをなくす為にレイチェルとコミュニケーションを多く取った、そのお陰もあり迷宮に入る前よりは少しはマシになった。


 「下の層に行ったらパワーアップした周平さんが見れるのを楽しみにしてますからね~」

 「おう、頑張るぜ~それで三百層までの二つはレイチェルがやるかい?」

 「はい、その先もいけることはやるつもりです」


 随分と張りきっているな、こっちとしては有り難いことだ。


 「頼もしいな~それと裕二の奴がお前が教えた連続魔を使っていたよ」

 「裕二君が?ふふっ……基礎魔法を教えず教えた甲斐がありましたね~」

 「でも基礎もまだの奴によくあんな高等技術教えたな?」


  連続魔なんて上級技術は早々習得できるものではないからな。


 「懐かしいですね~一度見せたら習得したいしたいとごねてきたんですわ。師匠が彼は魔法をイメージするセンスはあるからきっと習得できるって言うもんですから」


 連続魔は連続して魔法を唱えるので脳内での発動魔法を明確にするのがコツだ、地球で見るアニメやドラマのCGなんか見ていたりするとイメージしやすかったりする。


 「あいつは何でも万能にこなすし今後が楽しみだよ」

 「そうですね、何処までいくか私も興味深いです。あの諦めずにひたむきに努力する姿勢が彼をより強くしていくでしょう」

 「ハハッ、あっそろそろ二百層だな」


  進んでいると大きな扉が見えた。


 「ボス戦ですわね、直樹さん頼みましたよ」

 「まっかせなさい~」


 扉を開けると直樹は真っ先に進んで行き、中の闘技場の真ん中に一人立つ。


 「久しぶりに腕がなるね~」


 直樹が構えると闘技場に大きな魔獣が出現した。



迷宮攻略が終わったらまた少し尾形編を書きます。

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