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騎士団会議

とりあえず四章の出だしはこんな感じで。

 ここはとある場所………その空間は外界との接触は閉ざされておりいるのは一人の女性のみだ。


 「そう……目覚めは近いのね……」


 長い間その場所で眠りについていて時期目覚めることを悟りかつての記憶を整理していた……そう百年前の大戦だ。


 「ガルカドール卿……あなたが私の為に犠牲を受けたというのに私は……」


 戦争を終わらせることが出来なかったどころか迷惑をかけてしまった後悔の念に駆られていた。

 あの時洗脳を受けて偽神側についてしまったことによる戦争の泥沼化、そして最後は大きな犠牲の中の封印……眠りについた後もこの気持ちが晴れることはなかった……


 「周平君、シンさん……次こそは私も……」


 百年の間眠りについている女の子はその翼を羽ばたかせる準備をしていた。



 ◇



 ギャラントプルームに戻った俺達は集結した騎士団メンバー十一人で今後に向けて会議をしていた、一人は遅刻だ。


 「次の目的地は連邦だがその理由としてはレガリアの迷宮の攻略にある、そこで何人か俺に同行してもらいたい」

 「私はゲートを開くから当然行くとしてレダさんと他は誰が来てくれるかしら?」

 「ではまず俺が立候補するとしよう」


 シンが手を挙げる、シンが来ればエミリア達下位メンバーを連れていくことも出来るな。


 「他はいるか?」

 「周ちゃん立ちゃん姉さんシンさん来るなら私がいかないわけないっしょ~」


 続いて椿が手を挙げる、魔物相手なら椿のスピードが役に立つな。


 「これで五人か、他はいるか?」

 「俺は今後にむけてここで色々やることがあるからパスで~幹部連中が近々来るからね~」

 「俺と九十九ちゃんもパスで、今ギルドメンバーを鍛えて補強しているんだ」


 九兵衛さんに実と九十九はギャラントプルームで待機か、この三人は引き続きその作業をやってもらおう。


 「あとはエミリア、レイチェル、ロードリオンだな」

 「私は一度ジャジルに戻って光一をここに連れて来るわ~」

 「お前はジャジル王国でも要職についているんだったな、俺も会いたいし頼むぜ」


 成長してたくましくなったあのあいつとの再会も楽しみだ。

 

 「ええ、彼も今や大物になったわ。再会したらきっとびっくりするわ」

 「そりゃ楽しみだぜ、はははっ」


 さて一人はファーガスでサラフィナの見守りを任せたいが……


 「王女の護衛には僕が行くよ、その方が君も安心だろ?」


 ロードリオンがドヤ顔を決める、まぁレイチェルとの二択ならロードリオンの方が安心できる。


 「その言葉を待ってたぜ!」

 「うむ、リオン殿なら安心だ」


 シンも太鼓判を押す、一応この中じゃ立場や格式が一番上だ。

 なんで俺が団長なのかってのはガルカドール卿の指名があったからだが誰も団長って呼んでくれないんだよな……一人ぐらいは団長って呼んでくれてもいいんだが……


 「周平さん、私はあなたに同行してもよろしいですか?」

 「ああ、是非来てくれ」


 レダさん、椿、レイチェルは再会して間もなく、戦闘もまだ見ていない。

 今後の為にもしっかり見ておく必要があるだろう。


 「ありがとうございます」


 相変わらず真面目な奴だが綺麗で美人だ、地球風に言うとヨーロッパ美人って感じだな。

 日本人なら一度は西洋美人に憧れるはずだ、俺もよく憧れただけにたまに想像してしまう。


 「あら洋物に鞍替えかしら?」

 「お前はエスパーかよ……」


 俺の目を見て見抜くとは……恐ろしい奴め……


 「そんな目をしていたわ」

 「流石は俺の嫁だな……脳内の妄想は許せ……」

 「フフッ潔さに免じて検討してあげるわ」


 いや許せよ……椿なんかそれを見て爆笑してやがる……あの野郎……


 「二人共相変わらずで安心したわ」


 レダさんの温かい眼差しが痛い……


 「ほらほら騎士団会議名物痴話喧嘩はいいから次の議題に移ろうか」


 ロードリオンは呆れ顔で言う、俺のせいじゃないんだが……


 「いいじゃないかリオン~顔が少しにやけてるぞ~」

 「それは君じゃないかい九兵衛……まぁこうやってこのメンバーでまた会議ができるのは凄い嬉しいことだけどね~」


 その言葉に皆が頷く、俺もこの光景がとても懐かしく思う。

 いずれはガルカドール卿もここに……ってそういえば直樹の奴は?


 「そういや直樹は?」

 「もうそろそろ来るはずなんだけど……」

 

 そういいかけた瞬間ドアが開く。


 「待たせたね……天才な僕の登場さ!」


 渾身の決めポーズを決めて会議室に入って来たのは騎士団のブレインにして初代勇者の一人藤島直樹だ。

 スーツの上に白衣をきた黒髪のホスト風の伊達男は昔と変わらず元気な姿を見せてくれた。


 「お、おう……相変わらずだな……」

 

 昔から自意識過剰な所があったがさらに酷くなったか……


 「おいおいそんな顔をしなさんなって……」


 立花が顔を顰める。


 「ははっ、久しぶりだね、ちょっと頭で僕の作った物に不具合がでたから直しに行っていてね」

 「ったく……まぁ元気そうで何よりだよ」

 「それはこっちの台詞さ」


 これで十二人が揃ったな。


 「今は会議していたのは俺と迷宮についてくるか来ないかの話だがお前はどうする」

 「周平について行くとするよ、次元エレベータの開発にいきずまってるし丁度いい」

 「了解、それで次の議題だが……」


 本題の新たな組織の設立だ、偽神共を殲滅すべき騎士団メンバーを母体とした組織を作るのが今回の議題だ。


 「わかっていると思うが俺達は今度こそ偽神共を完全に潰す必要がある、それに伴い騎士団メンバーを母体にした組織の作成をしようとしている、ここで反対する者がいたたた言って欲しいのと理由を聞かせてくれ」

 「話は耳にはいっているし賛成だけどある程度人は限定する必要があると思うわ、理由としてはスパイの存在ね」


 レダさん言う通りそこは慎重な人選ぶが必要になってくるだろう。


 「ああ、もちろん加入には制限を設ける、ただ既に一部加入が決まっているメンバーがいるがな」


 九兵衛さんの腹心のギルドマスター達や宮本や祐二やクロコルージュ達だ、流石に今加入が決まっているメンバーにスパイはいないと思うが……


 「敵のスパイなんて見つけたらもちろん断罪ね、この刀が赤く染まるわね~」


 椿が目を鋭く光らせる。


 「設立はどのタイミングにするんだい、うちの腹心たちにはだいたい話を通してあるしもう設立してもいいと思うよ~」


 人数は今んとこ二十人ちょいか……設立は迷宮攻略後にするか。


 「問題はいつ表舞台に顔にだすかだと思うよ、僕は連邦を抑え込んだ後か抑え込む瞬間が表舞台に出る時だと思う」

 「そうね、ならロードリオンの言う通りそのタイミングがいいと思うわ。どの道連邦を抑えないといけないし」


 そっちも課題の一つだな、立花が革命軍と繋がりがあるからそっちは立花に任せるか……


 「とりあえず設立宣言は迷宮攻略後だな」

 「オーケー、連邦をいつ抑えるかね……ファーガスみたく簡単にはいかないだろうし」


 ファーガスみたく都合よく潜入して内部を探るのはきついだろうな……革命軍と上手く協力したいが実態を上手く掴めていないだけにまだ難しいか……


 「そっちの方は迷宮攻略後だな、連邦の遠征がどうなるかでまた変わってくるからな」

 「そうね」



 ◇



 その頃魔大陸にある修練の里パールダイヴァーにて。

 ローブを被った一人の男が街の中にあるダンジョンから帰ってきたのだ。


 「流石ですね、ここのダンジョンも突破したのですか」


 同じくフードを被った女性が答える、どうやら戻るのを待っていたようだ。


 「足らない……」


 男はただ一言そう答える、召喚された後に地獄を見てから連邦内で反乱を起こして暴れた。

その時に出会った得体の知れない男に教えられて来たこの地で自身の力をコントロールする為の訓練をしていた。


 「フフッ、陣様の力ならこの程度のダンジョンでは話になりませんでしたね……」

 「他のダンジョンはないかジャッジ・アンジェルーチ」


 修練の里はいくつものダンジョンがあり種族問わず集まる場所でもある、といっても人間族はここまで来るのは現在の情勢では少し難しい。


 「私のことはアンと呼んでくださいませ陣様」

 「なんか慣れなくてな……努力はするよ。それとこっちも様はいらないぜ」

 「フフフッ、お互いよそよそしいのは時間が解決してくれますね」


 アンジェルーチは陣と腕を組む。


 「そろそろ一番難しいダンジョンに行きましょうかあなたとならあそこをクリアできるかもしれませんわ……」

 「あの奥の一番デカい所か……この里に来てお前と出会った時のことを思い出すな~」


 陣は最初来た時にそこに入って死にかけた……だがアンがそんな陣を助けたのが二人の出会いだった。


 「あの時のあなたを放っておけなかった私がいたからこそ今のあなたとの関係があります、忌み嫌われた私を素直に綺麗だと言ってくれた……」

 「俺はダークエルフが忌み嫌われた存在なんて知らないからな、助けてもらって介抱してくれて色々教えてくれた美女を拒絶とか周平が許してくれないぜ」


 関係とは共闘関係のことで二人が恋仲になっているわけではない、といってもアンは陣に恋心に近いものを抱いていた。


「周平様とは陣の親友ですね」

「ああ、ここでダンジョンをクリアしたら会うためにファーガス王国へ向かうさ」


 するとアンは少し寂しそうな表情を見せる、忌み嫌われた存在として迫害されたことで長い間この里にいるだけあって外の世界にはちょっとした恐怖がある。


 「もちろんアンも一緒に来てくれるんだろ?」

 「えっ?」

 「でも迷惑なら無理強いは出来ないけどな~」


 陣が見せた笑顔は彼女のその恐怖心をかき消す。


 「じ、陣がご……ごご迷惑じゃなければつ……ついていきますわよ」

 「ははっ、サンキュー。友達も三人ほどいるから紹介するよ」

 「でも私と一緒では陣に迷惑がかかるかもしれません……私ダークエルフですし……」


 魔大陸ならまだしも人間の住む街となると恐怖感から余計にそういう考えが強いのだ。


 「らしくないな~お前ほどの強さが持っていながら何をビビッてるんだか……」

 「しかしですね……」

 「安心しろって、俺の友達はそういうつまらないこと気にする奴らじゃないぜ~それにもしアンを迫害するようなことがあれば……」


 陣は強い殺意を込める。


 「そんな街はぶち壊すまでさ……」


 二人は奥のダンジョンへと足を踏み入れようと向かっていった。


陣を久しぶりにだしました(笑)


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