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次なる依頼へ

忘年会に行きたくない……

 「いや~助かったよ、流石だね~」


 肩の荷が下りたのかアッシュはとても上機嫌だ。


 「ふふっ、あの程度の依頼なら余裕よ、それに倍以上のお金も取れたし上々ね」

 

 馬車に揺られギルドに帰還し、アッシュの部屋へ行く。


 「そろそろ夜飯か……二人とも俺と立花はアルマンゾールの俊樹さんとこで食べるが来るか?」

 「すいません……僕今日は今組んでいるパーティと約束してるんですよ……」

 「僕も貴族との話し合いがある……俊樹殿の食事が食べれると知ってたら先延ばしにしたんだがね……」


 二人とも残念そうな顔を見せる。


 「そうか、ならしょうがない」


 最後に聞きそびれた話だけしておくか。


 「そういえば港町ミゴリへの出入りは可能か?」

 「まだ完全に解けてはないがもうすぐ可能になるそうだよ、あれのせいで収益が減ってたしやっとだよ……」

 

 立花が首都ファラモンドに入ったことですぐにでも行くことができるようになったし今更だが様々な交易品を取引する港町ミゴリには興味があった。


 「そうか、完全に解除されたら教えてくれ、それと祐二?」

 「はい」

 「アッシュにはさっき話したが俺達は時機を見て大きな組織を創設し世界と戦うつもりだ、それはレダさん達も含めた境界騎士団が母体の組織にするつもりだがお前も入るか?」


 祐二は少し考えるとすぐに返事を返した。


 「はい、喜んで参加しますよ」

 「そうかそうか、詳しい話はいずれするから今はそれだけ覚えておいてくれ」

 「はい、それと周平さん……レダさんとの件……しっかり解決してくださいね」


 祐二は心配そうな顔で俺を見つめる。


 「ああ、それはちゃんとするから心配するな」


 レダさんとはその話が残っている、それを考えたら残り二つの迷宮の攻略も時機を見てやらねばいかんな。


 

 ◇



 二人と別れアルマンゾールの俊樹さんの家の前に戻ると俊樹さんが出迎えてくれて家に入る、あらかじめ言っておいた食材を準備してくれているはずだ。


 「お帰り二人とも」

 「わざわざすいません」

 「気にするな、君達は息子の師匠だからね」


 家に入ると美弥さん調理しており俊樹さんも持ち場に戻る。


 「あら……鍋が……」

 「ああ、取っ手の部分にひびが入ったか……そんなに使ってないはずだが?」

 「そうね……持ちにくいわね」


 すると立花は二人の前に行き鍋の取っ手に触れる。


 「リバース」


 立花の異能である大再生ザ・リバースでヒビの入った鍋の取っ手を再生させる。


 「ははっ、相変わらず凄いね~」

 「ほんとね~」

 「いえいえ~」


 そんな大再生の欠点だが完全に消滅したものの再生ができないのと内科的治療や先天性疾患には有効とならないことがあるというとこだな。

 元から足がない状態で生まれた人の足を生やすことができないと言えばわかりやすいだろうか。

 少しするとご飯が運ばれてくる。


 「さぁ、周平君頼まれた食材だよ」

 「ありがとうございます」


 今日の夜ご飯は鰻だ、それも利根川でとれた天然物の大鰻だ。

 

 「やはり高級なだけあって異能で交換した時金貨が結構減ったよ」

 「お金の方は払いますよ、いくらでした?」

 「前に結構な額をもらってるからそれは大丈夫だよ」


 ちゃんと希望通りご飯と鰻は別々にしてもらった。

 今日のお米は宮城県産ササニシキの新米だ。


 「このお吸い物ものキモも利根川鰻の物だ、というかなんで鰻をチョイスしたんだい?」

 「毎年食べてたんですけどこの世界に来る前に食べ損ねていたのをふと思い出したんです」


 立秋の土用の丑の日は少し過ぎてしまったが最低年四回はしっかり鰻を食べたい。


 「なるほど、だが産地まで限定するのが周平君らしいね。僕はどちらかといえば高知県四万十川の鰻派かな」

 「あっちは少し細いんですよね~、自分は大きいほうが好きなんです」

 「ははっ、年寄りになるとそういう方が良くなるよ」

 

 他にも養殖鰻だと浜名湖あたりが有名だ、天然物と養殖物の違いだが天然物は個体差が大きく泥臭さや野生の風味みたいなものがあり脂も養殖物に比べて少なく固めだが身の味は濃く凝縮された味わいだ。

 それに対し養殖物は個体差はなく平均しており脂の乗りも良い、どっちが美味しいかは好みでわかれるだろう。


 「それじゃあ食べようか」


 早速鰻を口に入れる。


 「うん、この味だよ。」

 

 身が引き締まっていて美味しい、養殖も美味しいものは美味しいが昔天然物を食べた時にこの味に憑りつかれたのだ。


 「養殖物はとはやっぱり違うわね」


 立花も喜んでいるようだしよかった。


 「そういえば今向こうはどうなっているですか?新聞とかとってますよね?」

 「ああ、アベノミクスはなかなからしいね。ISは勢いが弱くなってきたのと北の核開発問題は相変わらずかな」

 

 俊樹さんは新聞を毎日読み向こうの世界の情報をしっかり仕入れている。


「周平達のことはニュースになっているんですか?」

 「ああ、都内の高校にて二クラス謎の失踪っていつかの新聞で大きく取り上げられていたよ」


 まぁ当然か、あんだけ失踪してニュースにならないわけがないよな。


 「でも週刊誌とかもとりよせて見ているけどでもメディアでの関心がだんだん薄くなってはきてるわね~」

 「どういうことですか?」

 「何て言うのかしら?もみ消されている感じがするのよね~徐々に小さくしていってるいような感じ」


 もみ消される感じか……ランスロット先生とかが向こうにいるしそういう力が働いてもおかしくはないか。


 「全員帰還できる見込みはあるのかい?」

 「それはまだわかりませんね、戦いで誰かしらが戦死する可能性もありますから」

 「確かに……難しい問題だね……


 現時点でその手助けは一切してやれない以上こればっかりはわからんところだ。

 


 ◇



 次の日もファウンドのアッシュの元に行く、一度立花がゲートでファーガスに戻り様子を見に行ったが変わりなしの様ですぐに戻ってきた。


 「一つ依頼を頼まれてくれないかい?」

 「またか……今度はなんだ?」

 「ラシュカリの収容所で大きな動きがあってさどうも収容されている魔族が奇声を上げたりしているみたいなんだ」


 魔族の収容所がある殺風景な街だと聞いているな、行きは四時間ぐらいかかるが帰りはゲートで帰ってこれるし行ってもいいかな。


 「奇声?」

 「ああ、それに加えて収容所の魔族も活発的みたいでさ。そこの領主も怖がっちゃってギルドに依頼してきたのさ」

 「なるほどね、周平どうする?」


 何か嫌な予感がするな……


 「デートがてら様子を見に行こうか」

 「了解~」

 「その返事をもらえると思って馬車はもう用意しているからすぐに出発できるよ」


 さっきギルドに来た時随分高級な馬車が止まっていると思ったがこの為か。


 「馬もキングホースで頭もいいし道もわかっているから手綱いらずだ」

 「おおっ、それは嬉しいな」


 大型の馬で頭がよく勇気のあうことで知られるが乗せる相手によっては機嫌を損ねるのが難点である。

 どういう相手が嫌なのか個体によってらしいが相手の強さを感じ取って強い者には従うといった感じなので俺達は問題ないと思われる。


 「それじゃあよろしく頼むね」

 「ああ」


 アッシュに見送られファウンド後にする、南へ行けばアルマンゾール、西へ行けばラグーサの大森林、東へ行けば海、北へいけばラシュカリというのがファウンドの街だ。

 北へ向かうにつれてファウンドの街にあったような活気が消えて行くような感じだ。


 「なんか殺風景だな、一本道で魔物も出てくる気配もない」

 「キングホースを襲うような魔物はそうはいないはず、そしてキングホースよりも強い魔物は私達の強さを感じとるはずだからね」

 

 外は平原だがどこか暗い、まるで心霊スポットいくかのようである。


 「強い個体じゃないとこの先には行きたがらないみたいね」

 「だろうな~魔物こそ出ないけど雰囲気が怖いからな」


 立花は俺に体を寄せてくる。


 「ふふっ、怖いわ周平」

 「ははっ、俺がいるから安心しろって~」


 どんな場所だろうと俺と立花が二人で何処かにいけばそれはデートになる、戦場だって例外ではないのだ。

 

 「何だ?」


 突然馬車のスピードが落ち動きが止まった。

 外に出てみると川の上にある橋の前で馬は首を傾げている。


 「どうしたんだ?橋を……」


 よく見ると橋の木の板がボロボロになっていることに気づく。


 「立花、あれを見てくれ~」


 立花も馬車を降りてこちらに来る。


 「腐っているわね、それも急激に腐らせた感じかしらね」

 「つまり俺達が来るのを見越してってことか?」

 「それはわからないけ私達云々じゃなくて誰も来れないようにってことじゃないかしら?」


 つまり来られたらまずい物でもあるってことかな?


 「周平気をつけたこの橋、渡ろうとした瞬間崩れるわ。腐らせた上に魔法で細工しているわ」

 「へぇ~随分面倒な真似してくれるじゃないの~」


 それに気づいて馬に感謝の意を込めて頭を撫で撫でする。


 「だったらエアをかけて渡ろうか」

 「そうね」


 馬車にいったん戻り浮遊魔法のエアを使用し馬と馬車ごと数センチ浮かせて橋を渡った。


 「この先に小さな町があるようね」

 「立花その街まではあとどれぐらいだ?」

 「あとに二キロ圏内ってとこね」

 「なら馬車ごとゲートでどっかに置いて街に向かおう、あの橋といい怪しいからな」


 俺達が大抵のことではやられることはないが馬は違うからな。


 「そうね、だったらアルマンゾールの俊樹さんの家の庭に置かせてもらいましょう」


 馬ごと馬車をアルマンゾールに移動させ街まで歩くことにした。


 「何ていう町だ?」

 「ヘキラクの町ってとこらしいね、確かアッシュは移動で入るけどギルドからの依頼でラシュカリまで向かっていると言えば問題なく通れると言ってはいたけど……」


 どうも臭いんだよな~


 「とりあえず進むしかないか……ここいらはあの橋で臭った腐臭があるな」

 「なんかの薬剤をここに持ち込んで橋にかけて魔法で腐敗を促進させた感じね」

 「やった奴も相手が悪かったな」


 そんな罠にはまるわけないだろ~なんて自信もって言いたいとこだが完全に馬のお陰だ。

 キングホースじゃなかったら今頃川の中に入ってびしょ濡れだ。

 

 「とにかく引き締めて行きましょうか」

 「だな~」


どうやったら面白く書けるか←それがわかったら苦労しませんね(笑)

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