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ファウンドの冒険者ギルドにて

書く内容が思いついたのでなんとか更新できそうです(笑)

 アルマンゾールから馬車に揺られて数時間経った頃二人はファウンドに到着した。

 このファウンドはファーガス王国の中では王都アスタルテに継ぐ大都市で複数の領主が治める街でもある、ここが海に面していることから俺達は当初をここから船で連邦の港町ミゴリに行きそこから連邦の都市ファラモンドに入ろうと考えていた。


 「ここにはどれぐらいの滞在予定かしら?」

 「そうだな……何もなければ三日程度かな。一応サラ達には毎日顔を合わせんとだし」


 立花と二人で息抜きに来ているとはいえサラ達の所に顔をださないわけではない、向こうで緊急事態が起きた時にすぐにわかるようにシンには魔道具を渡してあるのだ。


 「わかったわ、そうと決まれば早いとこ挨拶に向かいましょうか」

 

 二人でファウンドのギルドに入り受付に声をかけた。


 「すまんがここのギルドマスターに用があるんだがいるかな?」

 「はい、ベーリングさんならいます。ただとりこみ中でして……」


 すると上の階の扉が開きお金持ちそうな男とそのボディーガードらしき人達が出てくる。

 金髪の若そうですらっとした体つきに金がかかってそうな剣を腰にぶら下げている。


 「まったく!ここのギルドマスターは話にならんな!」


 声を荒げながら下に降りてくる、なにやら不機嫌なご様子だ。


 「どけよ!」


 通り道にいる人を無理やりどかす。


 「嫌な感じだな」

 「ええ、ギルドマスターが取り込み中だったのはあれが原因ね」


 出口にそのまま向かうのかと思いきや俺達の方を一瞬見るとこっちに近づいてくる。

 

 「うん?君は美しい……ぜひこの僕の女にならないか?」

 「はっ?」


 金髪の坊ちゃんが突然立花をナンパしたので俺はあっけらかんとしてしまった。


 「どうだ?一生不自由はさせないぞ」

 「ふふっ、私この人の嫁だからごめんなさいね~」


 立花は俺と腕を組み涼しい顔でサラッと言う。

 身の程を知らずのガキが消えてしまえ。


 「待て待て!そんな男よりもこのファウンドの領主の息子であるマイク・オーサムアゲインの方が君を幸せにできるはずさ!」


 何こいつキモッ、自分の身分ちらつかせば靡くとでも思っているのだろうか。


 「あなたみたいなのはマジで無理だから消えて、それに私一生この人って決めてるから」


 立花は俺の頬にキスをする、周りが大きな声を上げるのでとても恥ずかしいがあいつの悔しがった顔は見ていて非常に気分がいい。


 「それじゃあ行こうか」

 「ええ」

 「待て……」


 マイクが立花に触れようとしたのでその腕をつかむ。


 「いてっ……何をする……」

 「あんまりしつこいのは迷惑だぞ」

 「こ、この僕に逆らってこの街で生きていけるなんて思うなよ……お前達!」


 二人のボディーガードが俺を取り押さえようとしたが立花が二人を威圧し動きを封じる。


 「ふふっ、私の旦那に手を出すなら私も手が出るわ」


 ボディーガードは立花の強さを感じとったのか動きが止まる。


 「女を落としたいならもっと内面的なことを磨いた方がいいぜ」

 「うっ……」


 マイクを少し突き飛ばすとそのまま尻餅をついて倒れる。


 「それじゃあな」


 倒れたマイクを無視して上の階へと向かった。


 

 ◇



 ギルドマスター室の中は少し派手な飾りが装飾されており扉を開けた正面にギルドマスターのベーリングがいた。

 

 「やぁ、僕がここファウンドのギルドマスターをしているアッシュ・ベーリングだ」


 少し小柄な体型で身長は一六〇センチといった感じで若い容姿をしている、どれどれ……


 アッシュ・ベーリング

種族:ハーフエルフ

レベル250

職業:魔法剣士

攻撃:32000

防御:20000

魔法攻撃:28000

魔法防御:26000

素早さ:30000

魔力:27000

異能:吸収玉(A)

称号:ギルドマスター、魔力の達人


 まぁまぁか、魔法剣士だけどエルフの魔力親和性の高さから魔法の詠唱にも秀でているオールラウンダーといったところだな。


 「どうも、俺は神山周平でこっちが嫁の神明立花だ」

 「うん、魔神と大賢者だよね。よろしく」


 握手を交わしソファーに座る。


 「あんた、混血かい?」

 「うん、ハーフエルフさ。体型が小柄なのもそのためさ」


 ハーフエルフは妖精族の間ではあまり好ましくないものでだいたいのハーフエルフは妖精の国を後にする。


 「変なこと聞いてすまないな」

 「ははっ、別に気にしてはいないよ。それに君達はそういうつまらないことを気にしない人達だと総長から聞いているからな」

 「周平が失礼したわ、それで今回ここに来た要件なんだけど……」

 

 俺達がベーリングの元をこうして訪れた最大の理由はいずれ創る団体への協力要請だ、ファウンドという街は海沿いにある街であり交易が盛んなのだ。

 そしてファウンドのギルドはその交易にも一枚絡んでおり独自の資金運営を行っている。


 「九兵衛さんから聞いていると思うけど私達は百年前世界と戦った境界騎士団、そして今回こうして転生しメンバーも再集結しつつあるの」

 「つまりまた戦う為に君達側について支援をしてくれってことかな?」

 「話が早いな」


 おそらく俺達がこの世界に来る前から九兵衛さんから今後起こりうる展開をある程度聞かされていたのだろう。


 「結論から言って協力はするつもりだよ、でも具体的な案を聞けていない現状では素直に首を縦には振れない」


 頭はそれなりに働くようだな、確かにごもっともだ。


 「そうだな、この世界をあるべき姿に戻すというのでは抽象的だな、まずダーレー教団が信仰する偽神が俺達二十柱をこの世界に入れなくしたことから戦いは始まったが結果世界に何が起きたと思う?」

 「その話は総長からは詳しくは聞いていない、ただダーレー教団の文献にある人々を導いたとされるという部分は妖精族の言い伝えでは規律で縛ったととれるというのを聞いたことがある。それが何か関係しているのかな?」


 規律で縛っただけならまだ聞こえはいいがそんな生温いものではない。


 「この世界で生まれた人間族が死んだ時魂がすべて自分達の元に行くようにしたのさ、つまり死んだ人間の魂は奴らが管理する、無理やり復活させて自身の手駒にすることもできるのさ」

 「待ってくれ!それじゃあ僕も死んだら……」

 「妖精の血を持つあなたはわからないけどこの世界で生まれて死んだ人間は全てそうなるわ、昔はそれで反逆する者達に忍び込ませて殺害したりなんてこともしたみたいね」


 だが奴らの目的はそれで終わりではない、もしルシファーさんが目覚めれば奴らの守りは一瞬で破壊され蹂躙される。


 「死んだ魂たちを一つに集めこの世界を舟とするのが奴らの真の目的だ、そうなればこの世界は崩壊する」


 俺達が星舟計画と呼んだそれは偽神共の主神であったヘロドがそれを遂行しようとしたが当時自身の力を過信した為に殲滅部隊として派遣されたランスロット先生、ジェラードさん、図書館ザ・マスター、戦神の四人によって消滅させられた。

 結果その星舟計画は白紙に戻すことに成功はしたが死の間際に戦闘で発生したエネルギーを使ってその四人を追い出しその他二十柱クラスの存在をこの世界に入れなくするバリアをはることに成功した。

 なので俺や立花のような不完全者を派遣する方法に至ったわけだ、もともと二十柱の専用武器がこの世界に置いてるのでどの道くることにはなっていたがな。

 ガルカドール卿やロードリオン、九兵衛さんは戦いに参加してなかった為追い出されることを免れたが帰還することができなくなった三人でもあるのだ。


 「それは聞いていない……」


 アッシュは絶句してしまったようだ。


 「九兵衛さんは時が来るまでそれを伏せていたんだと思う」

 「今がその時だと言いたいんだね?」

 「ああ、その為に俺は騎士団を母体とした大きな団体を創設する為に協力を申し出ているわけさ」


 ここからの資金援助は絶対に外せない、いずれは全てのギルドから協力を得るつもりだからな。


 「わかった協力しよう、君達のそれに嘘はないと判断したからね」

 「そうか、感謝するよ」


 まぁ断られるとは思ってなかったし向こうも断るつもりはなかったはずだ。


 「だがどうするんだい?ギルドはともかく大国を従わせるのはまだまだ難しいんじゃないかい?」

 「邪魔する奴らは全部潰すから問題ないよ」

 「各地で私達が直接手を下すのを減らそうと色々裏で進めているわ。そもそも私達が武力で負けるはずがない、こういう交渉や裏工作はあくまでもなるべく直接手を下す回数を減らし平和的に事を進めるという私達の慈善事業の一環なの」


 俺達のその言葉に少し恐怖を覚えたのかアッシュは一瞬顔を引きつり苦笑いをする。


 「ははっ、君達にそんなことを聞いた僕が間違いだね。君達は間違いなくあの総長が背中を預けられる存在なんだね」


 アッシュは少し寂しそうな表情を浮かべた、察するに九兵衛さんと自身にある天と地の差ほどある戦力差を卑下しているのかもしれないな。


 「それじゃあよろしく頼むわ」

 「ああ、でもその前に一つ君達に頼みたい依頼があるんだけど頼まれてくれるからな?」

 「依頼?」

 「ああ……」


 アッシュは少し罰が悪いのか少し言いにくそうだ。


 「さっきここに来たこの街の領主の息子がいるんだが……」


 嫌な予感しかしない……


 「丁重にお断りしたいんだが……」

 「それじゃあお金の融資は……」

 「うっ……」


 そう来たか……


 「立花にしつこく言い寄ったから軽く脅したんだが……」

 「もう一悶着あったんだね……」

 「ああ……」


 アッシュは頭を掻きむしり肩を落とす。


 「どういう依頼なのかしら?」

 「一応金貨五百枚、つまり白金貨五枚の依頼でさ……僕としては何度もお断りしてるんだけどしつこくてさ……頭悩ませてるんだけど依頼の内容は女性冒険者限定でクローズキラー複数と闘技場で戦うという内容さ……」


 俺はそれを聞きアッシュの前で拳を鳴らす。


 「アッシュく~ん、俺の嫁に何ていう依頼をさせるつもりかな~下手すればそいつごと街を吹き飛ば……」

 「お、落ち着いてくれよ……あいつが死ぬのはいいがそれは流石に困るよ~」


 怒ったら加減なんかそうできるもんじゃありません、全財産貰っても気が済まないかもしれない。


 「まぁまぁ落ち着いて周平、その依頼はそれ以外にどういった制約があるのかしら?」

 「美女限定で制限時間は三十分、数は十体でギブアップしたら嫁になる……」


 おい……


 「アッシュ君……命はいるかな?命を取るのは簡単だぞ?」

 「僕は今内容を教えているだけじゃないか~」


 こいつ意外と面白い反応するな。


 「ふふっ、他にはあるのかしら?」

 「他にはないよ……みんなこんなふざけた依頼は受けるわけなくてさ……前にイネーブルやザルカヴァやアエロリットに声を掛けたら袋叩きにあいそうになってさ……総長に相談したら「そいつを殺してギャラントプルームに来るといいよ~ちゃんと匿うから~」って言われたよ……」


 あら……まぁ当然か……それを聞くと少し同情したくなるが……


 「わかったわ、それ受けてあげるけど周平の立ち合いを許可してくれることと報酬は倍くれれば引き受けるわ」

 「本当かい!半分はこっちで払うからお願いします」

 

 こいつ今ならジャンピング土下座しろとか言ったら涙を流して喜んでやりそうだな。


 「本当にいいのか?」

 「ふふっ、問題ないわ」


 まぁ戦いの結果は見えているが問題はその後だろうな。


今週は出来る限り更新したい……


あ、前回で100話分アップしました~

まだ続きますが良かったら見守ってくださいな~


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