異世界召喚は突然に
ども~初投稿ですが温かい目で見守っていただけたら幸いです。
「はぁ~」
溜息をつき家を出て学校に向かう。
俺はとある場所に住む高校二年生の神山周平だ。
いつも通りの朝を迎え学校へ登校だ。
自己紹介をすると身長178㎝で割と引き締まった身体にそこそこの容姿で友達想いだと自分では思っている。
ただ今の学校生活は決して楽しいものではなくいつも気だるそうに俺は学校へと通っている。
教室に入るといつも通りクラスメイトからは白い目で見られる。そう……俺は現在クラスで孤立している立場にある。原因は色々あるがスクールカースト上位のせいだ。俺はあまり群れる方ではないのでそれまでは一年から仲良くしていた女子二人とつるんでいた。だがその女子二人はクラスのアイドル的存在であり、ハブられた後も変わらず仲良くしているせいかクラスメイトからより敵意を集め今やクラスの大半が敵となった。
まったく迷惑な話である。
「おはよう周平君」
と話しかけるのはクラスのアイドルの一人である月島雪だ。
クラスで三番目の子を集めて大ヒットしたアイドルグループの上位ぐらいの容姿で過去に芸能関係者からのスカウトを受けたことがあるぐらいに可愛い。
右目の下にある泣き黒子が特徴で黒髪セミロングでスタイルも良しで優しい奴だ。
こうしして仲良くしてもらってるせいで今より状況がが悪化しているとは言えないし、このクラスには現状雪と杉原美里ぐらいしかフレンドリーに話しかけてくれる生徒がいない。だからこそ俺はこの二人との関係を大事にしようとしている。
そもそもどうせ孤立してるし周りの敵意なんざ今更どうでもいいのが現状だ。友達想いだと自負しているがクラスには友達がほぼいないので説得力の欠片もないがな。
「おはよう月島ー」
いつも通り眠そうながらもしっかりあいさつを交わす。月島や杉原と話すのがこのクラスでの数少ない楽しみの一つだ。
「ほら、また髪の毛がぼさぼさだよー」
「あーすまん、遅刻しそうになってな~」
月島は俺の髪を触り寝癖を矯正する。それと同時に嫌な視線を感じる。
ああ、クラスメイトの視線がとても痛いが同時に来るが、今の現状だとこの優越感も悪くない。痛い視線と同時に来るこの優越感こそ俺を外す男子クラスメイトへのささやかな精神攻撃だ。というか外されたのも元々ハメられたからだし何度も言うが迷惑な話だし嫉妬は醜いものだ……
「授業は寝ないで聞くのよ~まぁ周平君は授業聞かなくても余裕だろうけどね~」
月島はクスっと笑いながら言う。
「ははっ、そんなことはないよ」
実際は余裕だがここで勝ち誇ると回りが面倒なんだな。かかってきたらボコボコにするだけだが物を隠したりするような嫌がらせは非常に面倒なんでな。
「またまたーこないだのテストの点だってそんな悪くないしさ、あっ私席に戻るね」
チャイムが鳴り月島が席に戻り先生が来てホームルームが始まった。
いつも通り適当に流し聞きして後半寝ていると時間が過ぎ起きる頃には授業が終わる。
「ふあぁ~」
退屈なホームルームを終え大欠伸をする。次の授業は退屈だし授業中ゲームもありだな……
ホームルームが終わると今度はクラスの中では一番ガラの悪い金髪のヤンキー、菱田隼人が話しかけてきた。金髪で耳にも穴をあけているクラス一の問題児だ。何が問題児かって俺に突っかかってくるところだ。ちなみにこの学校は偏差値が高いが校則はかなり緩い。
「よう神山、今日も月島と仲良くおしゃべりとはいいご身分だな」
そんな菱田の言葉を無視して俺は淡々と答える。このクラスに入ってから執拗に俺に絡んでくるガラの悪い男だ。外される前は一方的に絡む菱田の方が白い目で見られていたが、今はその行動も正当化されている。
大半が直接絡んでくることはないがこいつは違う。そのせいで最低一日一回はこいつの相手をしないといけない……しかも一回で済む日など皆無だ。
「なんか用か?」
「そろそろ屋上裏に呼び出されたいか?」
「俺は何されるんだ?」
「言われなくてもわかんだろ!」
まぁ例え呼びされても俺は絶対に行かない自信があるし、行っても負けない自信もある。だが揉め事を大っぴらに起こすのはリスクだしやらない。
「勉強はできてもそういうとこに頭は回らねぇんだな~」
と馬鹿にしたような口調で言い、そして周りの取り巻きもまた俺を見て笑う。
まったく面倒くさい……頭回ってるからとぼけてんだろ。
「やめておくんだ菱田、そうやって彼のことを悪く言うのはよくない。彼は授業中の態度は悪いがそれに見合う点はとっているんだ」
と今話に入ってきたのはこの零明高校二年一組のイケメントップの一人でクラスのリーダー的存在である嶋田浩二だ。こうして止めに来るのは結構な事だがその必要は皆無だし、「お前いちいち話に入ってこなくていいよ」って感じだ。
そそいて嶋田と一緒にいるもう一人のイケメンの木幡竜也が俺を睨み付ける。こいつはなんか知らんが俺を敵視しているんだよな。
「チッ、覚えてろよ」
嶋田が邪魔に入った事で菱田は去り、そのまま授業が始まる。俺はゲームをしようかと思ったが急に眠くなったので眠りに入る。ちなみに俺は一度見たこと聞いたことは基本忘れない体質で授業なんざ聞かなくても問題ない。まぁそんなこと人に言ってないしテストの点も満点はとらないようにしているがな。
寝ているといつの間にか昼休みになり俺はすぐさまいつもの屋上にいく。
クラスの奴に絡まれたらたまったものではないからだ。
「ここが俺の安息地……」
いつも俺が昼を過ごす屋上、クラスの奴はこないので俺の住処とも言えるだろう。いつも通り一人でと思いきやそこには俺を待つ男がいた。当然クラスメイトではない。
「よっ、周平~元気か~」
「陣か……びっくりさせないでくれ」
こいつは二年二組の宗田陣、俺の親友とも呼べる数少ない内の一人だ。一年生の時は同じクラスで基本一緒につるんでいて、クラスの変わった今でも放課後とかは基本一緒にいる。
「お前が寂しそうにしてるかなと思って毎回来てるんだぞ~」
「それはどうも」
まぁこいつとは去年同じクラスで一緒につるんでいたから同じクラスだったら孤立することは基本なかったのだろうな。
「俺が同じクラスだったらな~周平と一緒にあいつらボコボコにするんだけどな」
陣は俺同様喧嘩はそこそこ強いし、二人でゲーセンで絡んできた複数のヤンキーをフルボッコにした記憶がある。
「俺はそんな面倒起こす気はないよ」
学校でそんなことすれば当然何かしろの処分が下る。菱田ですら学校でそういった問題を起こさないたただの見かけ倒しだ。
「ははっ、だろうな。まぁ雪ちゃんや美里ちゃんがお前にお節介するせいなんだろうけど仕方ないよな。去年の俺やお前を見てて少なくともほっとかないだろうし」
「ああ……仮に月島や杉原のお節介と、クラスメイトからハブられるのをどっちをとるかといったら俺は前者をとるからな」
月島と俺と陣と杉原は去年同じクラスでつるんでいて、仲がよかったのだ。まぁ二人のせいでクラスから外されたというのはおおよそ間違ってはいない。だが二人と縁を切ったところでクラスの輪に入れるわけではないし入りたくもない。二人との縁の方は一年時から大事にしていることだからな。
「ははっ、だろうな。だからお前は変わらず二人と仲良くし続ける。どうだ?いっそどっちかと付き合ったらどうだ?」
「お前こそどっちかと付き合ったらどうだ?俺はあいつが忘れられんから無理だ……」
そう中学三年の卒業と同時に失踪したあいつが……その時何かを失った俺の穴を埋めてくれたのがこいつらだった。
「ははっ、俺もだがお前もそんな気がないからな~」
「だな」
陣との昼食を終え教室に戻り授業の準備を始める。先生が教室に入りチャイムが鳴り始まるといつもと違うチャイムが教室に鳴り響く。
「なんだ?」
クラス全体が困惑する中、教室を囲うように青白く光る魔方陣のようなものが発現した。魔方陣は光と共に大きくなり、その光り輝く魔方陣はやがて教室全体に広がり外の風景を完全に遮断した。
「これは?」
クラスメイトの中には教室を出ようとした者もいたがそれは当然できず、魔方陣はさらに輝きを増し魔方陣内にいる俺達は全員光で包みこまれた。
包み込んだ光が消えるとさっきまでいた教室ではなく大きな広間のような場所だった。
周りを見渡すと王様と王女様らしき人とたくさんの兵士や役人らしき人が立ってこちらを見ていた。
2019年3月10日修正しました。