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あれは…?
あれはどういう存在だったんでしょうか…
「ゆう君!もうみんな帰るって言ってるよ!だからもう来ないとゆう君のこと大人の人に話しちゃうよー!」
私はこれでもし…ゆう君が来なかったら戻って本当に呼びに行くつもりでした。
ですがそのとき「待っててー!今からそっちに行くから!」と、今思えばですがあまりにもおかしいくらい明るい声が帰ってきました…その声はまるで、そう「遂に長年探していた何かを見つけた」かのような声でした。
そうしてゆう君が此方に帰ってきました。
ゆう君が草の影から出てきたそのとき「にゃー…」ほんの一回だけ猫の声が聞こえたのです。気の所為。そう思ってしまいました。
ですがそれが悪かったのです。
その日はそのまま山を降りられました。
「今日は怖かったね…ゆう君大丈夫だった?何ともない?」
私がそう聞くとゆう君は
「うん!大丈夫だよ?力も出せるしまだまだ動けるから!…夜も」
「え?最後に何か言った?」
「うん?元気だって言っただけだよ?」
そうしてその日はそれぞれ家に戻りました。
その日が私たちの最後となりました。