第一話
子供のころに夢見てた。
タイムマシン、タイムトラベル、タイムパラドックス、ワームホールパラレルワールド・・・。
思い出せるのはこれくらいなところをみると、すまないが実はそんなに興味なかったのかもしれない。
頭の中に思い浮かべられるヴィジョンは丸型のロボットが自己主張の激しいライトのついた一畳ほどの乗り物に乗って時計がたくさんうねる空間を楽しそうに動く、つまりそうアレぐらいだ。
あぁ、無駄に煙を吹かせてやって来るようなお決まりもあった、ほんとにこれで最後。
つまりというかやはり僕は大して興味がなかったようだ、誠に残念なことにこんな僕には映画や漫画、アニメ、小説で見るようなドキドキワクワクのタイムトラベルはできないだろうし、歴史の偉人を助けるか否かの戸惑いも体験するはずがないだろう。
そうだろう?そのはずだ。
じゃあこの話に何の意味があるのか、実は何の意味もない残念だけどね。これは僕が落ち着くための小話、言い聞かせてるんだ僕に。
頭がおかしい?いやこの状況でこうならないやつの方がおかしいね。
誰だって驚くさ、テレビを見ていたら目の前にいきなり点が現れ次第に人の絵になる正確にはぺらっぺらの人だ、そして僕達と同じ感じになると僕に言い放った。
「やぁおじいちゃん、若いね。」
突然、いろんな段階をふんで目の前に現れたので突然ではないかもしれないがとにかくその男はさも知り合いだかのように僕にそう言った。
確かに僕はそうイケてる男でもないしただのサラリー26歳、でも若い方だと思うし何しろお爺さんだなんて・・・なぜ僕はこんないきなり訳の分からない登場された奴に馬鹿にされないといけないんだ。
しかし察しはついている、いや想像力があるのかもしれないし前に見た映画にこんなシーンがあったのかもしれない、だからこそさっきの小話が出るのだと思うし。
タイムトラベル・・・僕の頭の中はその単語でこの状況を理解し・・・できるわけない!ありえないだろこんな・・・・
「ねぇ、さっきから何を一人でぶつぶつ言ってんの?」
置き去りにされているのを不満げにスーツを着た僕と同い年くらいに見える男は問いかけた。
「あぁ、・・・すまない・・だって混乱するだろ?いや君は現れた側だからしないだろうけど僕にとってはもう何が何だか・・・。」
そうあたふたしながら言うと、
「でも察しはついているんでしょ?流石それこそ僕のおじいちゃんだよ!素晴らしいよ!。」
「そのおじいちゃんって何なんだよ、確かに仕事から帰ってきたばっかしだし顔は疲れてるかもしれないけどそんなに老けてはないぞ。」
そう言い返すと彼は笑顔で、
「タイムトラベルまでいったのならわかるはずだよ、江野木 繰叶。僕の名前は江野木 毎修君の次の次の世代の人間さ、こんばんは。」
「・・・・。」
しばらく僕は考え込み、疲れてそのまま倒れた。