第7話 「ゲリ屁」
「……プゥッ!」
とても可愛らしい音で屁が出た。しかし感触的に湿ってて、完全に奥から出てきた感じがするヤバい屁だ。しかも太もも辺りから足を伝わってほのかに暖かいモノが……
(ややややややべぇポン!! これ……実っこまで出てまったゲリ屁だポンポーン!!! うぎゃあああああオシッコ漏らすわ実も垂らすわもう恥ずかしくてお婿に行けないポォオオオオーーーーン!!!!)
正直ポンタ、このまま死んでしまってもいいと思いました。(後日談)
「グルゥ!? ンッガァアアアアアアアアアアアアアアアアッーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!」
「ンポ!? ンポンポ!?!?」一瞬何が起きたか分らないポンタ。
「ゴォガァアアアアアッ……!! ガァア……アァ……」
巨体の化物はとても苦しそうにその場で暴れまわる。そしてそのまま、ドサッと倒れて動かなくなってしまったのだった。
(ま、まさかとは思いますがポンタのゲリ屁で倒したポン……?)
正直そうとしか思えない展開に真顔ポンタ。そりゃあコロコロした漫画とかじゃぁないんだから実際にこんな展開になったら誰だって真顔になるわw
「一体こいつは何だったんだポン……そしてなんて失礼な奴だポン!! ポンタの屁(ゲリ屁だったけど)は一族の中でも無臭でフローラルで実家のマッマには「ポンタのオナラってそよ風みたいね!臭くないわ」って褒められたことがあるんだポン! それを……!! それを……クンカクンカ、ヴッ!? ……ヴォォオオオオェェエエエエアアアアアアアアア!!! くっせぇーーーーーーチョーーくっせぇーポーーーーン!!!!!」メッチャ臭かったわ。
流れ的につい嗅いじゃったらあまりにも臭くて臭くて暴れまくるポンタ。目や鼻、口の粘膜系にも痛みが出始めてこれはヤバイと思ったが既に手遅れ。顔の穴という穴から汁という汁を垂れ流し経験したことの無い激痛がポンタの顔面を襲う!!!!!!!
「ンギャギャーーーーーー死ぬッ!!!! 自分の屁で、屁で死ぬポォォオオオンン!!!! ヒギィーーお助けポォオンッ!!!!!!!」
全身汚物まみれで哀れに転がりまくるポンタ。妖怪タヌ人間からただの汚物に降格した瞬間であった……
「―――未熟者めが」
どこからか女の子の声らしきものが聞こえたがもう限界だった為、汚物は気を失ってしまった。
「ハァ……素質があると思ったがワシの勘違いじゃったかのぅ……」
声の主はそう言いながら横の茂みから出てきて倒れた化物を見つめる。
「しかし出力の仕方は違えど、中級レベルの魔物を触れずに一撃じゃ……もう少し期待しようかのぉ……」
そう言うと女の子はカバンからゴム手袋とゴミ袋を取り出し装備して汚物を袋で包み、小さな体でそれをどっこらと抱え森の奥へと姿を消すのであった……。