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「ドラゴンスレーヤーって、何したんだお前は」

マーカスに個室に移動して報告をしたときに胸の紋章を見せると何の紋章かわからないようで悩んでいるのでライネルが、

「ドレーク殿は私の騎士になってくださり邪悪なドラゴンを討ち果たしドラゴンスレーヤーの紋章を得ることができました」

私はその横ですでに高揚感はないので胸を張ってではなくただ頷くとつかみかかり上記の言葉を顔の前で言われた。


「ライネルの知略とカシナーテの機転でたまたま偶然に勝っただけです」

ソードオブロードを使ってなんて面倒が起こることを口に避けても言えずライネルにも2人にも固く口止めしている。

「秘密と言うことか、まあ普通の冒険者には逆立ちしたって無理な話だからな」

マーカスはそう言って自分を納得させ紋章はここにいる者だけの秘密となった。

「ところで婿から聞いたのだが妹が不在と言って冒険者を我が家に誘導したのは真か」

「そうじゃおかげで大切なおも…いや宝が熔けてしまったではないか」

アポロニアもカシナーテもさほどではないが怒りを向けアポロニアは息を飲むほどの美しい妖艶な太ももを見せるとそこには赤く筋が入った傷が見え薬草を傷口に塗った場所だなと思いながら、

「みろ婿どのだけの玉体を傷つけさせおってその王子を出せ」

照れて良いのかでもマーカスは青ざめこちらを見る。

「そうじゃ、可愛いライネルを嫁がせるとか許さんぞ」

カシナーテも大きく頷き王子の居場所を聞き出そうとしておりマーカスは国際問題になりかねないので調べてお伝えしますと泣きそうになりながらこちらを見ているので、大臣を呼ぶしかないと言うと時間をくれと言ってアポロニアの館で待っていてくれと言われ、宿でゆっくりしたいと思ったが大臣が来るには相応しくないというので仕方無しに国からあてがわれている館に向かった。


「誰も来てくれなくて寂しかったです」

館の管理人、マーカスの娘マメが嬉しそうに出迎えたが私にだけボソッと言う、

「冒険者は宿に方が落ち着くし、そうそうカシナーテとアポロニアの服一式を頼みたいから洋服屋を呼んでくれるかな」

そう言って頼むと久しぶりに湯船のあるお風呂に入る。水浴びでも良いがゆっくりしたい時には貴族社会しかないお風呂を使いたいので館も良いなと思いながらゆったりしていると、

「婿殿入るぞ」

アポロニアが嬉しそうに入ってきた。


「しかしレオニウスを倒すとは見直した。この様に力が宿るのか」

紋章を撫でられくすぐったいが次の瞬間凍る。

「父上も母上もこれなら納得しよう、近日呼び寄せるから楽しみにしておれ」

そう言われ顔を沈めると勢いよくドアが開かれ、

「これが風呂か、ライネル入るぞ」

カシナーテが湯煙の向こうから声をかけ、ライネルの悲鳴が上がる。

「湯に入る前に体を洗え」

アポロニアが言うがそこじゃないだろと思いながらも湯煙の影を思わず追ってしまう。

ライネルが石鹸とスポンジの使い方を教えカシナーテはくすぐったいと暴れている。

「しかしドラゴンの姿のまま来るのかい」

面倒が増えてマーカスの頭が白くなるのを想像しながら人の姿で来るように言うと言ってくれホッとした。

「終わり入るぞ」

声と共に空中に影が浮かび悲鳴と共に落ちてくる。

呆気にとられていると目の前にはライネルが胸を隠して丸くなりながら飛んできており私を見てさらに悲鳴のオクターブが上がった。

「おふざけがしすぎじゃお湯が減ってしまったではないか」

怒るところが違うと言いたいが胸のなかで丸まって震えているライネルを横に下ろしてカシナーテに梅干しをくらわせた。

「地味に痛いぞそれ、わかったライネルを泣かせてごめんなさいゆるして」

「私、大丈夫ですから見られても私の騎士であるドレークさんですから」

ライネルがとりなしたので許すとゆっくりと沈んだ。


「しかし王子との婚約はさっさとこの国から出したいと姉達の勢力の策略かなやっぱり」

疑問に思うことを質問していく、元々皇帝も婿養子で他国の王子を迎えており問題はないのだが、よりによってあのバカ王子であり貰ってやると言う態度が今回の騒動の発端を生んだので好意的には絶対見れなかった。

しかし有力な後ろ楯がないライネルには拒否するには難しいと言うことでアポロニアの力を借りて脅すしかないかなとも考えるが暗殺がこわい、

「面倒だな焼き払うか国ごと」

ライネルがあわてて大丈夫ですありがとうと言っておさめる。

「ご先祖様のあれを使ってだろうな、先ずは断ったら暗殺を防ぐために迷宮に入るのが一番だな」

自分に宿題を出してのぼせる前に風呂からでた。


「これも可愛いなどうじゃ、この赤いラインと黄色のフリフリが気に入ったぞ」

来たのが街のじゃなく貴族御用達ので服の代金は天井知らずであり、ここもギルドと言うか国が支払っているのでそちらにつけて青くさせてやれと好きなのを選ばせホクホク顔で商人は帰っていった。

なん着買ったのか気にしないことにして次から次へとファッションショーさながらに着替えては嬉しそうにしている3人、私は自分の装備とご先祖様の鎧と剣を綺麗にしてバックパックにしまいこんだ。



数日後、マーカスとクファールム男爵と国務大臣であるレデジア公爵が館を訪問してきた。

「今回の事、帝国でも遺憾であり王子についている貴族に抗議を申し入れ厳重注意をしてもらった」

クファールム男爵が報告をしてアポロニアに謝罪をする。しかしライネルとの婚約破棄については頑として譲ろうとせずアポロニアもだがカシナーテもいらつかせる。

「これは国同士で決まったことで公女や貴女方から言われても変更することはありません」

きっぱり言い切る男爵に敬意を評したいがそれがあの二人に通用するとも思えないが男爵で帝国の中枢に居るだけはあり言葉でのらりくらりとかわしていく、

「妹をやらんと言っておる。そっちの都合は知らぬ」

アポロニアがとうとう切れたが男爵も、

「わかりました、もし破棄されるのなら公女としての資格を剥奪してしまいますがよろしいですか」

言ってしまったよなと思いながらアポロニアが、

「勝手にせい、我らも今回の件納得しておらぬ勝手にさせてもらうぞ」

そう言ってライネルとカシナーテを連れて出ていってしまった。


「クファールム男爵不味いですぞ」

マーカスがあわてて言うが公爵も含め政敵を排除して天狗になっているのか何かあれば押さえ込めると思っているのか、

「公女に何ができる。ドラゴンが政治のなんたるかをわかっているわけでもあるまい、初代皇帝であらせられる英雄王バルトから数百年、ドラゴンを追い払ったことも何度もあるわ、いざとなればあれを動かせばよい」

「何れにしろ公女の件は皇帝に話をして進めようぞ」

レデジア公爵が締めくくり私を一別すると行ってしまった。

「何とか押さえてくれこちらも大臣と話をするから頼む」

マーカスはそう言うと二人をおって出ていった。



「さて、ライネルは暗殺の危険があるからマーレスの所へ居てもらうことになるかな」

そう言うとカシナーテも一緒に行くと言ってくれ任せることにしてアポロニアはどの様な手段かわからないがしばらくしたら両親が来ると言うことで館に居ることにした。

念のためライネルをマーレスの所に送り届ける事にしてマリーネの元へ食料や薬草などを買うために顔を出した。

「王宮が何か色々動き出してるよ、何を突っついたんだい」

相変わらず引き込まれる妖艶なマリーネが嬉しそうに言いながら後ろのライネルを見る。

「お察しの通り権力争いになり面倒になりそうなので避難する所だ」

そう言いながら食料やお茶等を買い込むと、

「それと精霊が騒がしいけど何か来るのかい、あの女が来たとき以来だね」

代金を支払うときに言われて顔をひきつらせて答えるしかなかった。


今日も冒険者が地下へと一攫千金を夢見て入っておりそれに紛れて降りる。

ライネルは何時ものようにコボルトの村によって生まれたばかりの赤ん坊をあやしたりと嬉しそうにしながらマーレスの元へ向かった。

「いらっしゃい、ゆっくりしといで」

珍しく穏やかな顔で迎えてくれるが二人に用事をたのみ私と二人だけになると、

「上はかなり面倒なことになってるようだね、ドガギャックに護衛はさせるつもりだけど根本的な事を何とかしないと」

「根本的といっても貴族と言うか国の事だからいっかいの冒険者にどうのは」

「あんただけに何とかしろと言う訳じゃないよ、ライネルを助けたいと言うのは皆同じだからね手に手を合わせて何とかするためにあんたが間に入れと言うだけさ」

「わかった自分なりに考えて動いてみる」

現状を受け身ですれば良い方向には進まないのはわかっているので地上へ戻りながら色々考えた。


「その方が婿か、話は聞いておるぞ」

館に入ると美しいが顔がきつそうな女性が待っており私の手を引っ張っていく、

マメは青い顔で黙って立っており私も意識をしっかり持たないと恐怖が心に突き刺さる。

怒っているというか何なのか混乱しながら居間へ連れていかれそのままソファーに座らされ女性も横に座った。

黙ってこちらの目を見て心の中まで見通す様に見つめ続けており、目線を外したくても外せず恐怖がさらに深まっていると胸が少しだけ熱くなり落ち着くとそれを見て女性は少しだけ笑いアポロニアを呼んだ。


「婿殿は力を頼みにしておらぬな、人ならざる力を得たと言うのに何か不満があるのか」

そう聞かれどう使っていのかと聞くと、

「数百年前に与えた男はここの国を創ったはずじゃ、その方の鞄に入っておる様だがな」

鞄の中と言われて英雄の装備を取り出すと懐かしい顔つきで、

「私が仕立てさせた装備、亡くなるときに封印を頼まれたが」

そう言うのでお宅の娘さんが取ってきてしまったんですと、遠回しに言うと納得したらしく、

「で、婿殿はどうする国を起こすのか」

普通に聞いてくるのをひていして、ライネルが希望する事に手を貸すことを伝えると納得したのかその話は終わった。


父親は無口なのか酒を飲みながらゆっくりとしておりアポロニアと母親が街に出ても気にしてる様子もない、

「数日留守にする」

母娘で出掛けたあとも酒を飲みながら思いにふけっておりアポロニアからも気にする必要は無いと言われていたのでギルドに仕事を探しに行ったりして過ごした。


「戻りました」

ライネルがいつの間にかカシナーテと共に戻っており一番驚くのはマーレスが地上にいる。

「成り行きさ、まったくヒューマンは寝る子を起こすとは」

転移を使ったのだろうが老体には地下迷宮から上がって来るのもひと苦労で熱いお茶を飲んでソファーに埋もれている。

「明日にする。寝るぞ」

アポロニアはそれだけ言うとライネルとカシナーテを連れて寝室に行き私はアポロニアの父親とマーレスと共にソファーで寝てしまった。


「準備をせい、何時まで寝ている」

大きな声で起こされマーレスは心臓に悪いわと呟きながらマメが入れてくれたお茶を飲む、言った本人は直ぐに出ていき何を準備と思っていると父親から鎧を指さされやな汗を感じながら身に付けていく、

「本当にやるんだね、あのお嬢ちゃんたち」

マーレスも意味深に呟き何をするか予想がつきヘルムをかぶると英雄の装備を身に付け館の外に出た。

「これは」

この光景を見てこの言葉しかでない、城へ向かう大通りには人以外の亜人であふれかえっており巨大なアイアンアントにドガギャックが乗ってマーレスを見つけて、

「城へ進撃だ、戴冠式だ」

わかっていたが言葉で言われそしてこのお祭り状態、衛兵や冒険者もあまりの数に手を出せず唖然とした顔で見送っておりマーカスがこちらに走ってきて私の名前を何度も呼ぶ、悲鳴にもなり見苦しいので襟を掴むと引き寄せてヘルムごしに、

「ギルド長が騒いでどうする。街の住人に家で大人しくして冒険者もギルドに集めて暴発を防げ」

「ドレーク何をするつもりだ、何なんだ」

私のヘルムにマーカスは泣き出した。

「直接聞いてないが見ればわかるだろう、貴族にも死にたくなければ大人しくするように言え」

そう言って突き放すと群衆に合流して城へと向かった。


「貴様たち何を反乱か」

正門前に貴族と騎士そして多数の衛兵が隊列を組んでこちらに刃を向ける。

ライネルアポロニア達を連れて一番前に進み出て、

「虐げられた友人達のために私は責任をはたします。そこを退きなさい」

ライネルの姿は最後に会ったときと違い力強く神々しいと言う言葉でしか表せない、衛兵達も思わず片膝をついて臣下の礼をとる。

「王位継承権が1位ではない者が何を言う」

貴族は振り絞った声で返すとアポロニアが進み出て、

「我らが一族が決めたのじゃ、それで十分」

論理になっておらず私もだが苦笑いで頷きつつ進み出た。


私の姿を見て貴族は少し考え驚きながら、

「お帰りになられたのですか聖騎士様」

そう言ってじりじりと下がる。私はそのまま進み出て衛兵を両脇に下がらせるとロングソードを抜くと未だに閉じられている門に自分の力すべてを叩き込んだ。

爆風と轟音に辺りは包まれるが誰一人声をあげない、ゆっくりと視界が晴れてくるとそこには跡形も無く消えた門でありライネルは手をあげると前進を開始して城内へと入った。


謁見の間に進むとライネルの父である皇帝と宰相であるミュッケンベルガー公爵がこちらをにらんでおり、

「ライネルよいくらわしの娘でもこの騒ぎはどう言うことだ」

年を重ねた老体と言って良い皇帝は覇気もなく枯れ木のように座っており淀んだ眼で見つめる。

「建国の英雄である聖騎士バルドフェルドは種族分け隔てなくお互いを尊重し会える世の中を創ることを掲げてこの国をひらいたはずです。しかしコボルトやリザードマンそしてホブゴブリンやハイオークは冒険者に討伐と言う大義名分で殺され安全な生活をおくれません、貴族は本来の勤めを忘れ権力争いに人々を巻き込んでおります」

そう言うとコボルトの戦士マミヤやドガギャックそしてインモータルとなったが騎士の誇りをいだくバーミリオン卿も頷く、


「ブルワース伯爵これはどう言うことか、何をいっておるのか」

ライネルの守役である伯爵に宰相が聞くのをライネルは、

「そうやって理解しようとしない事が問題なのです。父上いえ皇帝陛下に退位をお願いして合議制による国の運営を行います」

「何を、反乱だと言うのか」

当然な反応に宰相は激怒するが皇帝はただ見つめている。

「反乱だと、建国において我等の後ろ楯を得たのを忘れたのか、そして聖騎士がここにおる新たな国を創るとしてもなんの不都合もあろうか」

アポロニアが進み出て父親に手を上げると無口な金色のドラゴンが現れ皆が驚きながら巨大な謁見室に狭そうに立つのを見上げる。

「その様な何百年前の話を持ち出しても昔話ではないか、大人しく巣穴に帰るが良い」

アポロニアの母親が進み出て、

「その数百年は我等には瞬く間だ、私が手を貸した者はその様な事を考えもしなかった。まあ良いここに宣言するぞライネルを女王とした国を創るとな、反対をするなら我等一族が業火と共に灰とするであろう」

美しい声だがその言葉一つ一つは相手の心臓を鷲掴みにしているようで宰相を含め貴族は青い顔をしておりこのまま終わるかと思っていると鎧が熱くなり玉座の脇に黒いもやが見え何かが光ったのを感じライネルの前に一瞬で移動すると飛翔体を撥ね飛ばした。


「ちっ」

宰相が舌打ちして後ろへ消えると皇帝の雰囲気がかわる。

「どうやら魔神に魂を捧げたな」

母親がそう言いながら無詠唱で電撃を走らせると皇帝の周りで弾け飛ぶ、

「やつらが来るぞ各個で戦え、命を惜しむな」

周囲の壁に黒い空間が広がりその中から黒い肌色をした山羊頭の怪物が次々と現れた。

「婿殿いくぞ」

アポロニアが私の前に出ると火の玉を次々出現させ皇帝だった魔神に発射する。

しかし手前で爆発しており皇帝は口元だけ笑い暗黒の底のような眼でこちらを見ながら立ち上がり何処から出現したかわからないバスタードソードでアポロニアに切りつけてきた。


私は前に進み出て盾で受け流す。想像以上の衝撃でありドラゴンスレーヤーとしての力とこの鎧の力がなければ一撃で倒されていただろうと思いながら次々と繰り出される攻撃を跳ね返した。

「中々楽しませてくれる。娘よ出し惜しみは無しじゃ」

そう言って私の真横を轟音と共に雷の槍が通りすぎ魔神に突き刺さる。

後ろではドガギャック達が魔神の尖兵である山羊頭に集団で立ち向かっておりたたかっている。

いくつもの槍が突き刺さるが魔神は意に介さず逆に傷口から滴り落ちる緑色の血液が床に落ちると小鬼に姿を変えて攻撃してきたのをアポロニアが引き裂いていった。


「しかし英雄の子孫も外道に成り果ててたとはな、所詮は1代限りと言う事と納得していたはずだがな」

その声を聞きながら魔神の前で攻撃を受け流し切りつけ続けるが周囲が紫色の煙に包まれ、

「他の者は引けい、腐気に触れると死ぬぞ」

そう言うとドラゴンが私ごとブレスで焼き払う、

「さすが婿殿狼狽えずにおるとは、そのうち逃げるであろう」

逃げる余裕が無いのとこれはお前では倒せんと言われヘルムの中から業火につつまれ顔をひくつかせながら目の前の相手に早く逃げ帰れと思いながら大きく踏みこんだ。

その周りを私に関係なく雷炎氷が入り乱れこの鎧は絶対攻撃と言うよりは味方からの魔法のレジストを行うためと認識し始め聖騎士であるバルドフェルドも同じ状況で戦い続けたのだろうと思いながら焦れた母と娘が容赦なく私ごと魔神に魔法を叩きつけた。


「あの角じゃあれを破壊せねば奴の体に直接叩き込む事が出来ないぞ」

魔神のおでこに角が湾曲して生えておりそれが問題と言うことなのだが体は5mもあり腰から上にはとても届かずどうすればと考えていると後ろから捕まれ次の瞬間空に舞った。

「婿殿頼むぞ」

その声と目簿前に角が迫るのが同時でソードオブロードを両手で腰に構え体ごと角の根元にぶつかった。

耳を塞ぎたくなるほどの叫び声が響き後ろからは笑い声が、カオスだと思いながら刺さったロングソードをこじり傷口を拡大させ鍔を持って回転させ角を根本から落とした瞬間、魔神の手のひらで叩き落とされ壁に激突すれば死ぬぞと思いながら苦悶の表情の相手が遠ざかっていった。


「大事無いな」

どうやらアポロニアが受け止めてくれたようで下ろしてくれ目の前には魔神とドラゴンが絡み合いカオスがようやく終わりに近づきアポロニアは山羊を瞬殺してようやく魔神も空間に裂け目を造り出して逃げ出した。

「女王ライネル万歳」

何処からか声が起こり城の外まで広がり決意を抱いたライネルが玉座の前に立ち私はその横でソードオブロードを床に突き刺して皆を見つめた。

「離せ、骸骨が汚らわしい」

謁見の間に声が起こりそこを見るとバーミリオン卿とその部下に囲まれた宰相と貴族そして二人の女性がおりライネルが、

「御姉様」

小さい声で言うとミュッケンベルガー公爵はこちらを見て、

「亜人ならいざしらずこの様な者達まで引き入れるとは気でも狂ったか」

そう叫び貴族達も声をあらげるのをライネルは、

「その方々はバーミリオン卿です。百年ほど前に皇帝に命じられ英雄の鎧を取りに迷宮に入られた方々、今でも忠誠を誓っておます口のききかたに注意しなさい」

そう言って貴族達を黙らせさらに、

「姉上、なぜ父上を皇帝陛下を邪神に差し出し魔神を生み出す外道な事をなされたのですか」

そう言うとマルガリータ公女がにらみながら、

「ライネル、お前こそ人の道に外れ隣国の王子との結婚を拒否した、そのせいで父上をああするしかなかった、私達には公爵の息子に嫁ぎお前に後継ぎを迎えて帝国を継がせるなどと迷い事をもうさなければあんな事はしなくてもよかったのだ」

そう叫ぶのをライネルは感情を圧し殺し、

「私はただ言われるがままに動くのがやだっただけです。そしてこのドレーク殿が新たな価値観を教えてくれ公女の地位を惜しいとは思わなくなりました」

そう言われマルガリータは唖然とした顔で見つめておりライネルは続けて、

「亜人と言われるコボルトやホブゴブリン、皆それぞれに生活してお互いを尊重しあっています。そこに土足で冒険者が入り込み荒していくそんな理不尽にも明るく耐えて私でも受け入れてくれた。そして何より昔話で読み聞かされた聖騎士バルドフェルドは皆が平和に暮らせる世の中を創ることを宣言したはずです。それには亜人も含まれていたのをいつの間にかねじ曲げた。そんな世の中に私は声をあげたく皆さんの力を借りました。罪は償っていただきます」

そう言うとマルガリータは返答の代わりに叫び黒いナイフにような物を抜くと長女であるエリザベータに突き刺し周りの者にも突き刺そうとしてバーミリオン卿に取り押さえさせる。

「皆死ぬが良い」

そう高らかに笑うとエリザベータは刺された胸から紫色の腐気を漏らし始め悲鳴が上がる。

「そうはさせるか、任せておくれ」

マリーダがいつの間にか現れ何かをエリザベータに叩き込むと苦悶の表情がやわらぎゆっくりと目を閉じた。

「あたしに黙ってそんな物騒なのをこの街に持ち込むなんて」

そう言うと何か詠唱しはじめ捕らえられているマルガリータとミュッケンベルガー公爵にいつの間にか近づき額にさわり妖艶な顔をこちらに向けた。

「わかっているよ、百年ほどだね精神の牢獄に閉じ込めたから本当なら魂をあっちに世界に送り込みたいんだけどねライネルは優しいよ」

そう言うと疲れた等言いながら出ていってしまいようやく静けさが戻った。


「王国として再出発をします。各部族から代表者を募り評議会を設置して国の行く末を見守ります」

そう言ってこちらを向くと私に、

「国の聖騎士をお願いしたかったのですが断りますよね、ソードオブロードと一式をお持ちください、もし民を虐げる者がいたらその時はお願いします」

私は頷きこうして一連の事は終わった。

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