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罰と救済

 本編じゃないので歴史は一切関係ないです。


「ククク……まさかこの場所に、下界の者が訪れる日が来るとはね。まったく、君たちにはいつも驚かされる――いや、楽しまされると言った方が正しいかな」

 一筋の光も差さない空間。誰かの声が、頭の中に響いてくる。

「この状況を理解できないだろうから教えてあげる。君はね、罪を犯したんだ。日本、それどころか世界を滅ぼした大罪人だよ! この罪は人の力では償えない。僕たち、『神』が審判を下さなければいけない」

(俺が世界を滅ぼした? こいつは何を言っているんだ。だって俺は――

――俺は……何者なんだ……)


「そんな大罪人への罰は、死などでは足りない! ならば、死以上の罪とは何か。答えは永遠の生だ! 君はこれから死を許されない。というより、何度も死の苦しみを味わい、しかし死ぬことのできない矛盾を抱えながら生きてもらう」

 永遠に生きることは、不老不死とは違う。端的に言えば、記憶を持ちながら何度も人生を繰り返すことになる。その人生の中の苦しみは引き継がれ、楽しさは時がたち、やがて苦しみへと変わる。積み重ねた苦しみは癒えることなく、消すこともできない。思考を持ち、感情を持つ生物への最大の罰。

「でも、罪には救済がなくてはいけない。だから君に償ってもらう。『神の力』もって、この罪を」

(神は、俺に救済を与えてくれるらしい。しかし、これは優しさなどではないだろう。ただ生きるという、空虚なものなら人間は壊れてしまう。だからそこに目標を持たせた。生きる希望を与えようとしているのだろう)

「フフフ……やめてほしいな。これは僕の、『神』の最大の優しさだよ。確かに空虚に生き続けるというのは苦しい。しかし、面白くないんだよ、僕にとって。だって君たちは、僕のオモチャなんだから」

(オモチャか。つまり俺は、こいつのオモチャを壊しちまったから、罰を受けろというのか。しかし、俺にそんなことをした覚えはないし、そもそも、自分が誰なのかも分かっていない。そんな奴に与える救済とやらを、聞こえているなら教えてくれよ)

「あー、いいとも。君への罪は【時流し】、そして救済は【未来改変】だ。今の君には、過去の君に関する事と、時代を大きく変えうる情報がない。僕が、奪ってしまったからね」

(どおりで、自分が誰だかわからない訳だ。つまり俺は、『神』によって作為的に記憶喪失にさせられたのだ)

「そう、記憶喪失だ。これから君は日本にリーダーが生まれ、国が出来た、『古き時代』から生きることになる。記憶があれば大きく時代は変わるし、それ以前だと今の君でも時代を変えてしまう可能性が大きい。そうなれば君は生まれないかもしれないし、今以上に記憶を失えば、君は君でなくなるからね。」

(なるほど、ごちゃごちゃ言っているが、つまり俺は、他人に等しい《記憶のない俺》の罪によって罰せられるということか)

「そんな言い方はよして欲しいな。一部の記憶がなかろうと君は君だ。それに、記憶が残っていれば君は必ず、また世界を滅ぼすからね」

(何度も世界を滅ぼすとは、記憶の失う前の俺はどんな奴だったんだか……

しかし、滅びたなら俺という存在を無くして世界を作り直すとか。神ならそれくらいできるだろう)

「あー、もちろん。一度滅びた世界には再構築か修復の二つの道がある。この中で再構築は論外。僕は今までの世界を気に入ってるし、まだ完璧なエンディングを見ていない。そして、修正だが、もちろん僕の手ですることは簡単だ。しかし、それ以上に、滅ぼした本人の手によって運命を変える。こんな面白そうなシナリオがあるなら、僕は迷わずそっちを選ぶよ!」

(つまりは、自らの手で、世界を滅ぼす未来を変えろということか。しかしそれなら、『古き時代』から生きる理由は何だ?)

「言っただろ、これは時流しという罪。その中で多くの苦しみを得るだろうが、それと共に得るものがある」

(共に得るもの?)

「【人間性】だよ。君には生まれた時からそれが欠如し、年を取るにつれてさらに失っていった。君は、ここに来てから一度も心を乱していない。普通の者なら、今までの話を聞けば、狂乱に陥るものだ。」

(確かに、自分の正体が分からず、理解しがたい話をここまで言われれば狂うのが一般的なのかもしれないな)

「そう、君は異常だ。心は動かず、氷のように固まっている。そんな状態では未来は変わらない。だから君はこれから多くの者に出会うだろう。僕がいくつかのイベントも用意してあげたしね! 君が本当の人間になれたら、きっと未来は変わる。想像するだけでゾクゾクが止まらないよ!」

(随分と楽しみにしているようだが、もしまた、世界が滅びたらどうする? 未来を変えられなかったら。)

「その時は、仕方ないから僕の手で修正するよ。世界から君という存在を無くし、君はこの永劫の闇の中で、永遠に生き続けてもらう。頼むから、そんな最悪な展開にしないでくれよ」

(なるほど。別に闇で生き続けても構わないが、知らない罪で罰を受けるのは納得がいかない。未来とやらを変えることにするよ)

「フフフ……もちろん。もとより君に選択肢はないが、やる気を出してくれたなら何よりだ。君の生き様、とくと楽しませてもらうよ!」

 神が、そう語った後、闇の色は黒から白に代わり、俺は意識を失っていた。

 文章になれていないこともあって、改行が少なく読みづらかったと思います。

 取りあえず、自分が日本史を予習しながら、勉強の一環みたいなところも正直あるので、関係ない今回はそこそこ適当です。

 というか、歴史ジャンルとか多分読んでくれる人がいなそうだから自己満足でやっていきます。

 そのうち息抜きで、ファンタジーverも書く予定。

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