プロローグ
見切り発車ぁぁぁあ!
さあどんな方向に進むだろう。
ちなみにこのプロローグはマジで読む必要がありません。
『………区で起きた立てこもり事件は、今日未明、SATが突入し、犯人を確保。』
2016年11月24日。
『それでは次は、交通情報です。渡辺さん?』
今日から約10ヶ月前のその日は─
『……高速道路では、○○インターチェンジ付近でワイバーンが目撃されたため、ニキロ程の渋滞が発生しています。』
─日本人の約八割が自分の頬をつねり、約一割が自分の頭を壁にぶつけた日。
『今日の天気は、北海道は雨。東京は……』
そしてもともと結構カオスだった日本が、ついにカオスを極めた日。
『絶好の洗濯日和、またモンスター討伐日和となりそうです。』
日本人の半分が、どこかへ突然消えた日。
『○○県でワイバーンの目撃情報が挙げられたらとのことです。ただいま、S級冒険者、『白龍の尾』が討伐チームを組み、討伐に向かったとのことです。』
そして─
『ワイバーンの生体に詳しい、魔物研究家でA級冒険者であるエドワード氏にお越しいただいています。エドワードさん、あの近辺では、ワイバーンは生息しているんですか?』
『そうですね。ワイバーンは高所を好む傾向にあり、海を嫌うので、山間部である○○県に生息している可能性はあります。』
『我々に危険は有るんでしょうか?』
『付近の都市部にすんでいる人は、注意が必要かもしれません。我々が転移して以来、徐々にモンスターの強さに上昇傾向が見られますので……』
─異世界「が」転移してきた日である。
「え?何?S級冒険者来るの?ワイバーンの目撃場所とここって結構近くね?」
『そうですが、チームを組んでの討伐のようですので、それ以外の行動はしないかと。チームとなると、フットワークは必然的に重くなるので。』
「ぅおい! びっくりしたなもう! テレビ見てるときにしゃべるなよ! エドワードさんが答えたのかと思っただろ!」
『申し訳有りません。』
あーびっくりした。同じ音源だから、テレビがコアか、分からないんだよな。
「しかし、ワイバーン討伐にS級ねぇ。A級で十分じゃないの?」
『ですが、場所が場所ですから。さらに山間部と言うことは、ワイバーンが群れを作っている可能性も否定できません。それを想定した上で、過剰戦力を出すことによって被害を防ごうとしたのでしょう。』
「まあ高速の近くだもんな。群れが逃げ出してブレス吐かれて道路途切れたら、完全に交通ストップだもんな。」
『あれから10ヶ月とはいえ、地上の道路はまだ魔物に襲われる危険性も有りますし。』
しかしそれでも、調査飛ばしていきなり討伐ってのは焦りすぎな気もするんだがな。被害受けたってならともかく、目撃情報だけな訳だし。
『いささか焦りすぎなのも事実でしょう。此度の立てこもり事件の主犯は、元冒険者のようですので。』
「面子を取り戻したいってわけか。まあ内外の違いがあるとはいえ、治安部隊同士での事件だからな。」
警察としては良い迷惑ってことだな。
まあそんな犯行したってことは、転移後の、教育課程の常識試験の落第者ってことか。
「まあそれなら、S級冒険者がこのダンジョンに来るなんて事にはならない事は確かだ。」
『その通りです。』
「で、今日のダンジョン内はどうなってる?」
『今のところ、冒険者は上層のみで、十数名程です。』
「ちょうどいいな。いい感じでDPも入ってくる事だろう。」
最近ようやく安定してきた。知名度もあがっていたみたいだし、また階層増やせるかもな。
「さて、自宅ダンジョンのヒキニートは、朝の戦闘訓練と行きますか。」
『ええ。(ヒキニートは戦闘訓練なんかしないと思いますが…)』
究極の自宅警備員の日常が始まる。
次の話から、転移時点へ時をさかのぼります。
果たしてこの話の時間まで連載されるのか、いやされない(反語)