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39話 三位一体の奇跡


黒龍号が命懸けで作り出した、刹那の好機。リョーコの歌が最高潮に達する中、アキト、カーラ、そしてエルザの三人が、まるで引かれ合うように集結した。アキトとカーラが持つペンダントが、エルザの胸の「星の心臓」に共鳴し、凄まじい光の奔流を生み出す。

三人の意識は融合し、時空を超えたビジョンを見た。代々、星を守ってきた守護者たちの想い。そして、ゾラスに取り込まれてもなお、世界の調和を願う母リアーナの優しい意志。全ての想いが、彼らの力となった。

「「「うおおおおおっ!!!」」」

三人の身体と魂が融合したかのような、巨大な光の槍が形成されていく。しかし、ゾラスがその奇跡を見逃すはずはなかった。黒龍号の特攻で受けたダメージをものともせず、純粋な破壊の奔流が、槍が完成するよりも速く三人に殺到する。

「もう、おしまいか……!」

アキトが覚悟した、その瞬間。彼らの前に、ぼろぼろの姿のゼファーが立ちはだかった。彼はゾラスに取り込まれる寸前、リアーナの魂の呼び声によって、僅かに自我を取り戻していたのだ。

「行け……アキト……」

ゼファーは、狂気から解放された穏やかな顔で、振り返って微笑んだ。彼は自らが盾となり、ゾラスの攻撃をその身に受け止める。

「リアーナ……すまなかった…。やっと、迎えに行ける…」

そして、アキトたちに向き直る。

「お前たちの未来を……見せて、くれ…」

それが、父としての最後の言葉だった。ゼファーの身体は光の粒子となり、ゾラスの核へと吸い込まれながら、内側から贖罪の光を放ち、決定的な亀裂を生み出した。

「父さーーーーんっ!!」

アキトの絶叫が響く。悲しみを乗り越え、父の最後の願いを胸に、アキトたちは光の槍を構える。リョーコが、その三人の力を力強く束ねた。

「全ての想いを、一つに!行けえええええっ!!」

アキトの怒りも、カーラの悲しみも、エルザの希望も、ゼファーの贖罪も、リョーコの祈りも、散っていった仲間たちの願いも。その全てを乗せた三位一体の奇跡の一撃は、父が命を懸けて作ったただ一点の隙へと、吸い込まれるように突き刺さった。


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