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14話 重なる星図、それぞれの使命



嵐が過ぎ去った黒龍号の船内は、アキトとリョーコ、そして彼らと共に来たという新たな仲間たちの合流で、にわかに活気づいていた。再会の喜びも束の間、私たちは早速、互いの状況と目的を共有するための話し合いの席を設けた。


アキトは、ゼファーという男との戦いの日々、そして再びアクエリスを目指すに至った経緯を語った。2つがゼファーに奪われてしまった以上、わたしのペンダントが狙われるのは明白だ。リョーコの周りに時折現れる不思議な光もまた、わたしの目には何か特別な意味を持つものとして映った。

「カーラっていったっけ。アンタは、星の欠片や世界の危機について、何か知っているのか?」

私が問いかけると、鋭い目つきの女は静かに頷いた。

「バルバロスの背後には、古代に封印された『ゾラス』という存在の影が見えます。ゾラスは世界の調和を乱し、無に帰そうとする破壊の化身。バルバロスは、その力を利用しようとしているのか、あるいは逆に利用されているのかもしれない。そしてわたしはヴォルケンのペンダントの守護者、あなたと、アキト、わたし、これで3つのペンダントが揃うことになるわ」

ゾラス……その名は、アクエリスの古文書の片隅で見たことがあるような気がした。だが、それほど強大な存在だったとは。

「アキトの星の欠片、リョーコの秘める星の力、そしてあなたが守護する『星の心臓』。これらは、ゾラスの復活を阻止し、世界の均衡を保つための鍵となる。われわれはそのように考えている」

カーラの言葉は、まるで古の預言のように響いた。

その時、クライブが緊張した面持ちで一枚の羊皮紙を広げた。

「エルザ、これは……先日のガレオン侯との戦闘後、回収した敵の密書の一つだ。暗号化されていたが、リアム侯の助けを借りて解読できた。内容は、王都アクアマリーナの内部情報だ」

密書には、バルバロスが進める「星霊兵器」の恐るべき性能と、その開発に暁王国から潜入した密偵が関わっているらしいこと、そしてその密偵が外部との接触を試みている可能性が記されていた。

「銀髪の密偵……カイル、という名らしい」

アキトとキールが顔を見合わせる。

「カイル……どういう理由でかは分からないが、大鷲砦で監禁された時に助け出してくれたのがカイルだったよ。 ゼファーの手下だと思ったが何か彼にも思惑があるようだ……」

キールが声を上げた。

アキトのペンダント、リョーコの光、私が守るべきアクエリスと星の心臓、そしてカイルからもたらされようとしている内部情報。バラバラだった点と点が繋がり、一つの巨大な絵図――世界の危機という名の星図――が私たちの前に浮かび上がってきた。それぞれの運命が、このアクエリスの海で交差し、一つの大きな目的へと収束していくのを、誰もが肌で感じていた。

「なるほどな……どうやら、とんでもねえ戦いに足を踏み入れたもんだ」

私は腕を組み、改めて仲間たちの顔を見渡した。アキト、リョーコ、カーラ、キール、シエル、シルフそしてクライブや黒龍号のクルーたち。それぞれの瞳には、不安と共に、それを乗り越えようとする強い意志の光が宿っている。

「アキト、リョーコ、そしてお前たちも。よくぞ来てくれた。この戦いは、もはやアクエリスだけの問題じゃねえ。世界の運命がかかっている。だが、お前たちがいれば百人力だ!」

私は力強く宣言した。

「カイルという密偵とも接触したい。そいつが協力的ならいいが、まずはバルバロスの野望を打ち砕く! そして、その背後にいるというゾラスの脅威からも、この世界を守り抜いてみせる!」

私の言葉に、アキトが力強く頷く。

「はい、エルザさん! 僕たちも、全力で戦います!」


重なり合う星図が示す未来は、決して平坦ではないだろう。しかし、確かな絆で結ばれた仲間たちと共にいる限り、どんな困難も乗り越えられるはずだ。エルザは、アキトたちとの共闘を心に誓い、アクアマリーナ解放、そして世界の危機に立ち向かう決意を新たにするのだった。


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