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10 謎多き魔法剣士ルーク

「てやああああ!」


 ルークは地を蹴り、魔物に切りかかります。


「ルーク、危ないです! 魔物に普通の武器は通じな……」


 騎士団ががんばってもかすり傷をつけるのがやっと、なのに。


 ルークの剣戟をうけ、魔物はズシーン! と地響きを立てながら地面に突っ伏しました。


「す、すっごぉい」


 ソフィアも驚きのあまり目が点になっています。


「エデルミラ、今のうちに!」

「は、はい!」


 なぜ初対面の少年がわたしの本名を知っているのか……考えている場合じゃありません。

 魔物が立ち上がる前に術をかけます。


「エスペイラ!」

「あたしも! エクストラディクション!」


 突っ伏したまま動きを止めた魔物を、ソフィアが送還しました。

 あたりに静寂が戻り、ルークがこちらを向きます。


 緑の瞳に見つめられ、一瞬脳裏に誰かの姿がよぎりました。

 初めて会ったはずなのに、よく知っているような……不思議な感覚です。


「よくやったですの。ルークはすごいですの!」


 ルークの肩でカラフルなネズミがはねています。ぺぺが喜色満面でネズミのもとに飛んでいきました。


「ノノ! 久しぶりでし! ノノも戦士を見つけたんでしか!」

「ぺぺ! 無事で嬉しいですの。そうですの。ノノはルークを見つけたですの」


 あのネズミのような生き物は、ぺぺの仲間、精霊。ということはルークもまた魔法の宿る武器で戦う仲間なんですね。


「ありがとう、ルーク。助かりました」

「礼は不要。当然のことをしたまでだ」


 ぶっきらぼうにつぶやいて、来たときと同様、風のように去ってしまいました。


「はぁ〜。愛想はないけどすごくかっこいい人でしたねぇ、お姉様。味方が増えて嬉しいです」

「……そうね、ソフィア」


 彼がわたしの名前を知っていたのは、なぜ?

 ルークの去った方を見て、ずっと考えていました。

 

挿絵(By みてみん)

挿絵(By みてみん)

続きは2024/07/08投稿です。

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― 新着の感想 ―
[一言] 鼠ねぇ。 そりゃ台所に出るもんやないで。 そんでルーク……名前からして、いやまさか!?!?
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