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第5話 紙一重

「さて、もう一度測ってみろ」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


《スキル》 

  コピー 自身以外のものの外見、特徴、

      能力をコピーすることができ

      る。また、外見のみや能力のみ

      でも可能。

      使用できる時間は、『見る』<

      『触れる』<『取り込む』

      の順で長くなる。また、そのも

      のの『DNA』を取り込むことに

      よって無期限かついつでも再現

      可能になる。


《スキルランク》 B


《スキルレベル》 level 20


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「?!…ッ」


 スキルが変わった?!

 能力までコピーできるようになっている。なぜこんなことが?


「驚いたか?」

「これはな我の能力だ」


「?…ルイのスキルはテレパシーではないのか?」


「聞きたいか?聞きたいだろう?聞かせてやろう!」

「我は神の器。能力を二つ持って生まれてくる神器である!」


「神器…?」


「そうだ。我は生まれつき二つの能力を持っている。

一つは《テレパシー》これは先にも言ったが見たものの心が読めるものだ。

そして二つ目は

繋血栄天けっけつえいてん》簡単に言えば我の血液を取り込んだものの能力を高めるというものだ」


「特異体質ということか…?我輩は二つ目の能力で強化されたということか。」


「ああ。しかし、困ったことにどうやらこの体質に生まれてしまうと長くは生きられないようだ。」

「普通、身体に備わったスキルの器は一つ。そこに二つのスキルを入れればそのうち"溢れる"」


「神器と名が付いているのに器は一つしかないのか…」


「まったく…恵まれていても幸せとは限らないものだな。我の寿命も残り五年らしい」

「困ったものだ…後継ぎもいないのに…」


(なんだ…この悪寒は…)


「おー困った。どこかに後継ぎはいないものか。我に顔も似ていて、血縁もはっきりしない。そんなものはいないものか…」


(これは…まさか…)


「おや?すぐそこに我に似ているものがいるではないか!」


 (あぁ…やっぱり。面倒なことになってしまった。後継ぎか…そんなに地位の高い家系なのか?)


「?…我はこの国の王だぞ?」


(王?!こんなに若いのにか?!)


「さあどうする?ルイス。我の後継ぎになってはくれぬか?」


「寿命はあと五年…。その間に後継ぎを残すことはできないのか?」


「・・・」

「スキルは神から授かったもの…。だからそのスキルを二つ授かることはこの上ない誉れだ。周囲の人々は称賛し褒め称えた。だが、これはそんな喜ばしいものではない。見合わないスキルは身体を蝕む。これは呪いだ」

「呪いは遺伝するようでな…我の父も同じだった。だから我がここで呪いを断ち切る。我の血はこの先に残さない」


「そうか…」

「わかった…我輩がルイの後を継ごう」


「本当か!」


「その代わり、この世界のことを教えてくれ。余すことなく。」


「ああ…ありがとう。御主のためなら何でもやろう。」


 我輩はルイの後を継ぐことにした。我輩に何か得があるのかと言われれば正直分からない。ただこの時はこの男が不憫に思えて仕方がなかった。しかし、こんな口約束で一国の王になれるとも思えないな。


「よし!まずは御主との約束を果たそうか。リン!じいやを呼んできてくれ」


「畏まりました」




「おっ 来たか!」


「お待たせいたしました。

私、ルイ様直属の執事の"テオ"で御座います。以後お見知りおきを」


 テオか…髪も髭も真っ白くなってはいるがしっかりと整っている。顔だけ見れば老人のようだが背が高く姿勢がいいからか遠目で見れば大分若く見えるだろうな。


「それにしても懐かしい。一昔前のルイ様を見ているような気分で御座います」


「?…我とルイスの背格好はほぼ同じではないか」


「ええ。確かに良く"似て"居られますが、身長は2.3cm。体重は3.6kgほど少ないようです。これは単なる憶測ですが質量が問題かと…」


 この老人なぜ見ただけでこんなにも詳しい情報が分かるのだ。スキルか?


「いいや、テオの"これ"はスキルでないぞ?単に我の近くに居すぎただけだ」


 近くに居たとしてもそこまでなるか?


「まあ、それはそうとこれからテオはルイスの勉強係だ。世界の全てを教えてくれるぞ」


 こうしてテオによる我輩の教育が幕を開けたのであった。その地獄のような教育が約1年半続くと言うことをこのときの我輩はまだ知らない。

読んでいただきありがとうございます!良ければコメントもよろしくお願いします!

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