第2話 進化
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なるほどな…やはり我輩がパンになったのは「我輩のスキル」のようだな。パンになるスキル…ではさすがにないか。
あっ…本の姿に戻った。
我輩はパンになる前パンを見ていた…そしてしばらくして本の姿に戻った。
だとすると…
「変身」とか?
よし、試してみよう。
我輩は近くにいた小鳥をじっと眺めた。そうしていると我輩の体は少しずつ猫としての形を崩し始めた。体は徐々に小さく、軽くなっていった。鋭くとがっていた歯は固いクチバシに。地面を蹴っていた前足は風を斬る翼に。そして、今我輩の見ている小鳥とまったく同じ姿になった。
「面白いなこれ!!!」
「他になにかないか?」
あっ…また戻ってしまった。さっきよりも短いな。回数か。形状か。なかなか難しいな。
そうだ!人間を試してみよう。
もし成功できれば…あんなものもこんなものも食べ放題!
(お!いいとこにいるじゃないか!)
我輩は早速目を付けた人間に近寄った。フードを被っているな。身体の大きさからして男だろうか。ん?なぜわかるか?我輩はずっと観察してたんだそれくらいわかるようになるさ。
ガタガタッ
「ん?」
(げっ…気づかれた。)
「御主、人の言葉がわかるのか?」
なんだこの人間。我輩は喋っていないぞ?というか喋れぬ。人の言葉?何を言っているのだこの男は。他に何かいるのか?うしろ…には誰もいないな。
「何をしている。御主だ野良猫。」
(こいつ、ヤバい…。)
我輩は急いで逃げたのだが…。
「リアム!その猫を捕まえろ!」
バシッ!!
(捕まってしまった…。こんなあっけなく)
「我の城に連れてこい。話を聞きたい。」
その時男のフードが風に飛ばされ顔がはっきりと見えた。我輩は今までに幾人もの人間を見てきたが、この男のように白く輝く髪を持つ人間を見たことがなかった。
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