第8話 魔砲雌子猫☆キジコ
前回の後、ヴァルケオ達が森の見回りに行ってる間のお話
守護獣の教えの元、必死の練習で念力を使えるようになった。
硬い枝を矢のように使い獲物を射たり、川魚に刺して串焼きをする事だって出来る。
フライパンや鍋など調理器具があればもっと楽しいだろうけど今は持ってないのがなんとも悔しい。
他にも、ソードビットならぬ枝ビット石ビットで攻撃が出来る。
だが現時点は5個同時が限界。
とあるアニメで見た羽のように大量のビットを広げ攻撃するとか憧れる。
でもあーいうのは光ってカッコいい技だし枝じゃ見栄えな...ん?
純粋な魔力だけで矢とか作れるんじゃね?
そーだよ、考えてみればナントカ波やナントカ砲とか撃てるタイプの世界じゃん!
鉄は熱いうちに、冷める前に試してみる。
魔力を長細く尖った形にするようイメージしてみる。
ポシュンッ
あれ、消えた。意外と難しいなこれ。
純粋な魔力だけで作るので、物に対して魔力を纏わせるのとは訳が違う。
考えろ...相手に速く突き刺さる矢を...。
しかしうまくきまらない!
あっれーおかしいな?
出来るか出来ないかというと出来る部類なんだけど何が間違っている...。
考えろ...考えるんだ...イメージし...、待てよ?
一周回ってこれ案外難しく考えなくてもいいのでは?
だってほら、アニメや漫画のキャラは勢いでドカーンと必殺技出したり、当たり前のようにレーザー光線放つキャラとかいるじゃん!
しかもあーいうのは呪文とかじゃなくて純粋なエネルギーとかで放ってたじゃん!
こうなりゃやけくそ!!
思い切りなんか放てぇぇ!!
その途端私の口から出たよくわからん光線が前にあった岩を穿つ。
(攻撃スキル:魔砲撃(1)を習得)
な...なんか出たあああああ!?
そして考えてたのと違ぇ!?
ヤベェ、イメージしさなすぎた!!
軽ーくイメージだ。
相手に一直線のイメージをナチュラルに!
すると私の周りに5つの光の矢が現れ...
岩をも貫くレーザーと化しましたとさ。
(攻撃スキル:マジックペネトレーザ(1)を習得)
いやいやいや貫いちゃダメだって!?
それじゃ獲物が凄惨な事なっちゃうよ!?
おかしいな、意外とむずいぞこれ。
はぁ〜あ、ポンっと出来ないかな。
そーれ、ポンって
バシュッ
ん?なんだあの岩に刺さった棒状の光...。
(攻撃スキル:マジックアロー(1)を習得)
...へ?
...あーうん。驚く事多くてなんか..疲れた。
せっかくだし今覚えた3つのスキル、練習でもしてるか。ここ精霊水の川近辺だから補給にはまぁ困らない。
というわけで私はさっき手に入れたスキル含め、他のスキルを作れたり技術を活かせないかひたすら試しました!
その結果↓ドドン
・マジックセンサー(前世参考のレーザーセンサー)
・マジックキャノン(爆発魔力砲弾、魔力消費大)
さらに2つ増えました。やったー。
(魔力放射スキル複数の習得、一定の熟練により条件を満たしました。)
(スキル:マジックブラスト・マジックペネトレーザ・マジックアロー・マジックキャノンを統合。)
(複合スキル:魔砲へと統合されました。)
(以降、統合されましたスキルがより円滑に発動が可能となります。)
え、ちょっと待ってなんかすごいの手に入れましたぁ!?
これ私の戦闘力増大したんじゃない!?
きゃっほー!
これで私も魔砲少女です。
少であっても雌猫だけど。
しかし統合ねぇ..今後スキル多数習得していくとまたこういう事があるだろう。
統合...複合...合体...ん?
その時私に電流走る
そういえば技そのものは合体できねぇかな?
ある漫画では炎と氷のやっばい合体魔法とか、ある拳法とある動物の動きを融合させたりとか。
再び物は試しに、えーと...パワークローとソニッククロー同時に発動できるかな..。
イメージとしてはソニッククローの脚力とパワークローの魔力で威力が増した爪の攻撃の融合。
近くの木に向かって...それ、
ズガッ
おおう!?割と簡単に出来たぞ!?
もしや魔砲もそうだけど似たスキルは合体や統合しやすいのか...?
そういや今の合体技は魔力こそ消費するけど種族的な体の仕組みに依存している。
だからその分覚えやすいのだろう。
「どうだいキジコ、スキル修錬の調子は。」
テュー兄が飛んできた。
「見ての通りです。」
「どれd...なんだこの跡!?∑(゜Д゜)」
このあとテュー兄に個体鑑定くらって唖然とされましたとさ。メデタシメデタシ
ーーーーーーーーーー
その夜...
「キジコの成長本当早いね...。」
キジコがぐうすか寝てる横で話すテュー兄とヴァルケオ。
「だから言っただろ、子供の成長は早いって。」
「いやいやヴァルケオ、そんな次元じゃないよあれ(´ω`;)。」
「そうかな、我も大昔そんな感じだった気がするが...?」
「...そういやヴァルケオも結構才能あったね。懐かしいorz。」
ヴァルケオは大昔、キジコと似てすぐ強いスキル手に入れてみんな驚かせたからなぁ
そういう僕とマウリもそれから強いスキル手に入れ、その後僕ら3体がレギスの守護者として任命されたのだっけな。
本当に懐かしい思い出。
かけがえのない多くの仲間がいたあの頃。
...過ぎた時間は本当に戻らない、事実を受け止め前を向いて進まなければならない。
だからなお悲しい。
守れなかったあの日。
「...その顔になるあたり、キジコはあの頃の我らと同じ何かを持っているんだね。」
「ああ、とてもとても輝かしい未来を含めて。」
「なになに、またしんみりした顔になって。この子に見られたら余計心配かけちゃうよ。」
いつの間にかマウリがいた。んで獣人形態でキジコをまた足の上に乗せて撫でていた。
そっちの方がキジコ起こしちゃうじゃん。
もう。
キジコ「zzz..zz.ゴロ…ゴロゴロゴロ..」←無意識反射
マウリ「可愛わわわわわ」
ヴァルケオ&テュー兄「しっ!! Σ(゜ω゜;)」