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猫に転生しても私は多趣味!  作者: 亜土しゅうや
波乱のマイライフ編
85/302

第80話 ちょっと手合わせお願いします

本日2本目!

 「(始め!)」


 ズドオッ!!!


 「な!?」

 「なんだ今の衝撃波は!?」


 シュゥゥ....


 拳がぶつかっている両者。

 1発目からビリビリ伝わる一撃、それはお互いの闘争心とワクワクを一気に押し上げた。


 「だりゃあああああああ!!!」

 「どあああああああああ!!!」


 瞬間、激しい戦いが始まった。

 高ぶる感情が本能を呼び覚ますかの様に、戦いは始まってすぐ激化する。


 ニコの脚撃が入る。

 キジコは防ぐが後ろへ大きく吹っ飛ぶ。

 そこから追撃しようと追うニコ。

 キジコは魔力で衝撃波を発生させ、ノックバックを止め追撃を防ぐ。


 キジコは反撃に魔砲撃で吹っ飛ばし返す。

 ニコは直撃するも無傷な上に闘気のみで防いで見せた。

 そしてお互い、武器を持った。


 「抜刀...!」

 「真成無双剣トゥルーワン!!」


 刃渡り45cmの刀の私、

 刃渡り150cmあろう分厚い刃を持ったニコ。


 私の刀は刃が短いが防御時のために柄を少し長くしている、だがまともにやりあえば間違いなく負ける。

 だからこそ武器の性質を最大限に活かす他ない。


 (まずいな、武器の技自体はまだ持ってない!仕方ない、何かコツを掴むまで色々試すしかない。剣道とは戦い方も武器も違う、集中力と感覚を強化して様子をみよう。)


 「ニコ・ブレイク!!」

 「え、何そのわ...ざぁ!?」


 ゲームで見るような飛び斬撃が襲い掛かる。

 この間レーダー機能をフル回転させて気づいた、ニコは今の攻撃を避けた隙を狙うよう次の攻撃態勢に入っている。おそらく避ければもろ攻撃くらうなら...


 「はああ!!」

 「!!」


 私は小太刀を横に向け、そのまま斬撃を受ける。そしてすぐに受け流し更なる攻撃態勢に入る。刃が短い分射程も守備範囲も狭いが素早い行動ができる。

 ニコはその隙を狙い猛スピードで私に襲い掛かる。

 

 「ニコ・バスター!!」

 

 変なネーミングと共に横薙ぎが来る。

 だが..


 シュンッ...

 「...!?どこだ!?」


 キジコの姿が消えた。


 ....スッ..

 「...!!?」


 ニコは全力でしゃがむと同時に回し蹴りをする。


 「うお!?」

 「...気配をあそこまで消すのってすごいね...。」

 「ありがと。」


 隠密と魔身強化の出力を一時的に上げることで消えるように回避をした。刀が大きかったらできない器用な技だ。


 背後に回って峰打ち決めようと思ったが瞬時に気づかれ、避けられた挙句しゃがみ回し蹴りをくらいかけた。

 

 「そっちこそすごいよ!技の細かい部分が今まで見てきた技とは違う。初めて見る技だ!」

 「ふふん、どうも!私は[我流]で戦うのが好きなんだ、そして今見せた技はほんの一部に過ぎない!」


 そう言うとニコは大剣に魔力を込める。


 「ニコ・ストーム!!」


 大剣を地面に叩きつけた瞬間、凄まじい竜巻が発生、こちらへ向かってくる。

 だがこれを私はチャンスだと思った。

 ニコから見て私が竜巻に隠れる、そして私は竜巻の方へ向かい、手に力を込めた。


 「空間衝撃波ルームバースト!」


 ある時偶然得た空間魔法の攻撃スキル。

 空間そのものに作用する技で、衝撃波が発生する際に外の空間との流れが異なる故に流れの早い竜巻は不安定になり始めた。


 「な!?私のストームが!?」

 

 竜巻は形状維持が出来ず崩壊、キジコの姿がまた消えている。


 「今度はどこだ!?」


 警戒していると横から小さな音がなる。


 「そこ...か!?」


 だがキジコの姿はどこにもない。


 「........ーザ・レイン....。」


 一瞬だがどこかでキジコの声が聞こえた。


 「...!!!上か!」

 

 空から無数の光がニコに向かって襲い掛かる。キジコのペネトレーザ・レインだ。

 

 「ニコ・パワーアップ!!」

 (?、魔身強化とも違う...あれも独自に見つけたやつってか!!)


 ニコは降り注ぐペネトレーザを防いだり避けたりと繰り返す。

 キジコは疾風脚を使い高速移動をする。

 だが...ニコは動きを読んだ。


 「...!!わかった、そこだあああ!!!」


 ガキィンッ!!


 「...すごいな、その技。感覚機能も上昇するのか?」

 「!?」


 キジコに横薙ぎが迫り、剣の先端が命中する。

 しかし大剣の一撃を受け流しもせず、小太刀で防いでいたのだ。


 (釣竿や棒と一緒だ、握ってる所...つまり力点から一番遠い所に私は力を加えている。横薙ぎだから相手からの力は比較的伝わりづらい。理数は不得意な方だったけどこれはなんとなくわかる。そう、なんとなく...。)


 「...賢いな。」

 「ふふっ。(にわかな笑顔)」


 それから二人の刃は何度もぶつかりあう。


 「ニコ・パワースラッシュ!!」 

 「妖炎玉!!」

 「今だ、ニコ・ブレイク!!」

 「ぬお!?妖炎之壁!!」

 

 「お嬢の力...いつ見てもやばいな...。あんな体格で楽々大きな剣を奮って。」

 「だが、もう一人の神獣候補のキジコってやつもすげぇな...。」

 「ああ、技術が高く手数が多い。戦い方は違うが正直どっちが勝つかわからない。」

 「実際お互い、明確なダメージをまだ負っていない。お嬢とここまで張り合えるやつ、見たことないぞ...!?」


 「はあああああ!!!」

 「うがああああ!!!」


 お互い熾烈を極める中、未だに決定打を見せていない。


 「師匠!!頑張れーー!!」

 「ご主人様、ファイトー!!」

 『負けたら許さないんだからー!!!』


 「お嬢、ファイトーーー!!!」

 「「「ファイトー!!!!」」」


 「お互い良い仲間がいるようで。」

 「そっちこそ、最初は神獣資格という運命に振り回されてるだろうと心配したけど...ちょっと過ぎたかな?」

 「結構振り回されたさ。でもお陰で今の仲間がいる。そう考えると...最っ高の運命じゃないか!!!!」


 私は魔力を思いっきり解放する。


 「...良い構えだ!!!それでこそ私と張り合える者だという証拠、私も負けていられん!!!!」


 ニコからも膨大な魔力が溢れ出す。


 キジコは小太刀を納刀、ニコは大剣を構える。

 そして刃に最大出力と言わんばかりに魔力を込める。

 両者、居合で決着つけるようだ。


 「お...お嬢!?手合わせにしちゃ規模が...規模があああ!!!」

 「師匠!!色々ぶっ飛ぶよおおお!!」

 

 「「はあああああああああ!!!!」」


 「刹那・居合斬り!!!!」

 「ニコ...覇王無双斬り!!!!」


 ガキィンッ


 両者雷の如く駆け、落雷の如く衝撃でぶつかりすれ違う。


 ゴオオオッ!!!


 「おおお!?」

 「すごい風圧...!!」

 『何が何なのよーーーっ!!』


 

 ...。


 パキッ... ビキッ


 「...!?師匠の刀が..折れた。」

 「お嬢の魔法具、真成無双剣トゥルーワンにヒビが...!!」


 すぅ.......


 「?」




 「「疲れたああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!」

 「!?!?!?!?」


 「はぁ...はぁ...あんた、手数多すぎるだろ!!」

 「そっちこそ...自身の能力をフルに発揮し過ぎでしょ...!!」

 

 「ブフッ、」

 「ぷはっ!」

 「「あっはははははは!!」」


 「....お嬢、楽しそうだな。」

 「ああ。」


 「ご主人様...かっこよかったです。」

 「師匠...すごいっす!!」

 『すごいの、すっごいの!!』


ーーーーー


 「ほら、」


 ニコは起き上がり、私に手を差し伸べたのでありがたく手を貸してもらう形で起き上がった。


 「ありがと。」

 「いいよいいよ、これであんたの事がわかったんだから。」

 「...途中から薄々思ったのだけどさ、私を呼んだ目的って手合わせだけじゃないよね?」

 「ああヒドッ!?せっかくの手合わせの途中でそんな事考えてたの!?」

 「てへ...でも重要な事だし。」

 「もー...まぁ、そうだよ。」


 ニコは腕を組み私にいう。


 「私達は領域拡大を続ける叔父上らインヴァシオン派に対抗すべく動く組織、ニコ派だ。今回君に会ってわかった、君とは仲良く出来そうだ!


 私達と来てくれないか?」

次回、ニコ派結成のお話


インヴァシオン派、行方不明のマギアシリーズの教授、今後キジコの波乱のマイライフはさらに荒れるのか!?家は無事に改修されるのか!?

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