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猫に転生しても私は多趣味!  作者: 亜土しゅうや
波乱のマイライフ編
83/302

第78話 ハイテンション服飾職人

 ザワ...ザワ...


 ...ごにょ...ボソ...


 「...視線がすごい。」


 キジコです。

 現在、ギルドにてすげぇ視線が私に集まっています。

 それも原因は先日のカラミア討伐による件だ。

 厄災如き強さの魔物を膨大な魔力で消しとばした事が話題となったようだ。倒せたのは仲間がいたからこそなんだけどなぁ...。


 それで2日休憩をおいてギルドにやってきて現在に至る。


 「えーと...何か良い依頼ないかな...。」

 「効率考えましても、同じ地域で活動する方がよろしいですからね。」

 「...あら?」


 ルザーナが何かに気づく。


 「どうした?」

 「これとこれと....これらです。」


 ルザーナは5枚の依頼書を取る。


 「これら、同じ地域ですけどどうでしょう?」

 「ふむ...全て魔物狩りだな。...ルザーナ、これ全部担当出来る?」

 「はい、勿論です!」

 「師匠、こちらの地域4枚は私が担当します!」

 「わかった、お願いね。」


 周りがざわつき始める。

 (なんだと!?パーティ別々かつ個人で複数依頼だと!?そんなの見た事ねぇって!!)

 (どれだけ強いんだあのパーティ...。)

 (2人は覚醒魔物、1人はバルバの魔女...反則だろ...。)

 

 ...以前一気に依頼するのはやめようって思ったが効率的にその考えは捨てた。

 ルザーナは魔物討伐中心、クロマは素材運搬や貴重素材の依頼。

 さーて私は何受けようか...お?


 

 依頼:織布、布の納品

 依頼主:リーツ織布工房スタッフ


 ・うちの工房は布作りを中心とした所なのですが、ある時注文が殺到し布が足りない状況となっております。どうか布作り手伝いをしてくれる方はいないでしょうか?

 使用素材は...


 織布か、ちょうどMy織り機あるからこれにしよう。それに他にも布の納品依頼あるな、よーしこれとこれと...


 「すみませーん、これお願いします。」


ーーーーーーーーーー


 ♪〜〜♪〜


 前世で好きだった曲を鼻歌で奏で織り機を動かすキジコ。

 どんどん出来てゆく布織物。


 (キジコ様...本当に楽しんでいらっしゃいますわね...。)

 (羨ましいなー、あー言う楽しむ気持ちって。)

 (それにあの布...すごく綺麗。)

 (あの布で着物作ったら着心地いいだろうなぁ。)


 (...ん?今従業員さん何か言ってたかな、集中してて何も聴こえてなかった。)


 楽しそうでなによりなキジコであった。

 

ーーーーー


 「え?もう終わったのですか!?」

 「はい、これらの依頼書の分出来ましたので納品に来ました。」

 「か、かしこまりました。では...


 ダッダッダッダッ...


 「ちょっとあんた!!」

 

 ズテーン


 誰かがやってきてこけた。

 現れたのはぐるぐるメガネで金髪、作業エプロンを着た女性だった。見た目..18〜19歳だな、地味っぽくも美人というかなんというか。


 「えーとどちら様で?」

 「あ、あたしはこの町で服飾をしている職人の端くれだ。名はクルジュだ。」

 「はあ、キジコです。」

 「えーと...これの依頼主だよ、あんたこのすごい綺麗じゃないか!!」


 どうやら納品予定の依頼書のうちにこのクルジュさんのがあったみたいだ。

 しかし服飾...これは気になるな。


 「服飾ってことは...衣服作っているのですか?」

 「ああそうさ。是非、ウチに寄ってみないか!?」


 当然裁縫趣味のある私はその話に乗って、クルジュさんの働く工房へ向かった。

 ああ、ちゃんと報酬金は貰いました。

 (計3ゴールド、80シルバー)



 「ここがウチの工房だ。」

 「おお...器具も揃ってるしいいくらいに広い...。」

 

 やってきたのは町の西にある工房。

 木造建築で前世でもよくあったザ・工房って感じで、どこか安らぎある場所である。


 「あれ、他の従業員さん達は?」

 「いないよ。私が1人でここ経営しているんだ。」

 「ええ!?」


 なんと、この若さで経営者側だったなんて...。


 「じゃあ、向こうにある服は全部クルジュさんが作ったの?」

 「そうさ、自身作さ!」

 

 そこにあったのはカジュアルさや着やすさ、美しさがあるお洒落な服。思えばヴァリールさんも似た路線だった、元気にしているかなぁ。


 「キジコさんは髪も顔も綺麗だから..これどうかな!?」


 サラっと嬉しい事言ってきた。

 まぁ確かに、あれからちゃんと髪型も整えたし。

 インターネットでショートボブって調べたら真っ先に出てくる綺麗なスタイリストさんのような感じに。

 (タビさんに頼んで大正解だった。)


 早速出されたのは京都でよく見るような落ち着きある着物。


 「わー!!綺麗です!!」


 すっごいテンション高いなこの子...。


 次に持ってきたのは気品と強さ感じるコート。

 

 「フフッ。」(大人ぶる(心は大人))

 「おお..おおお!!」


 今度はイグニールさんが着てたようなローブ。


 「ふぅ..。」(大人ぶる(2回目))

 「ああ...なんて綺麗...!!」


 この子オーバーヒートするぞ。


ーーーーーーーーーー


 「ふむ、サイズ合うやつだけとはいえ全部すごい服じゃないか。」

 「でしょ?!これ全部今季売る予定だったからちょっと心配だったんだ。」


 なるほど、モデル兼ねて私を呼んだのか。


 コンコンッ...


 「あら?」

 「はーい、いらっしゃいま...わ!?」


 扉開けるとワンピ着た青髪美人ルザーナと魔女っ子。

 

 「ギルドの方からここにいると聞きましたよ師匠。...おお、すごい服。」

 「服飾の工房と聞きましたが...綺麗な服ですね。」

 「ああ、さっき私も試着していたんだ。」

 「なんと!?見たかった...。」


 ここの服買ってあげようかな、また今度。


 「おや?その赤いスカーフは?」

 「へ?ああ、魔法具スカーレットハートですね。」


 ルザーナはスカーフを外し、ちょっと自慢気にクルジュに見せる。


 「おお、魔法具でしたかどれどれ...ん?これもしや...SFスパークルフライセクトの糸ですか?」

 「ああ、元はただのスカーフとして作るつもりだったけど魔法具に昇華したんだ。」

 「なんとレアケース!!なおさら色々見てみたい..おや、染色で名前がありますね...........え?」


 「ん?ああ、私とヴァリールさんの名前が...

 「あ..あ...あ...!」

 

 あ、そうか。

 ヴァリールさんは日本円でいう2億叩き出す程の作品作った超一流有名手芸家だったな...。


 「前に出会って途中からだけど一緒に作ったんだ。魔法具に昇華したのはその直後。」


 「...。」


 バターーンッ


 「クルジュさん!?」


 この後病院に幸せと驚きのオーラにまみれた女性が運ばれてきたとさ。

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