第76話 怪鹿vs化猫組
ヤバい鹿が現れた!
さてさて、7mある激ヤバ怪物に対してこちらは精鋭4人。前世でプレイしてた怪物狩猟ゲームらしくなってきたぞ。
カラミティホーンディアー...長いな、カラミアは私達をジッと睨み突撃態勢に入る。それを察して様々な方向へ散らばる。
カラミアは体勢を変え、全身に魔力を込める。何をする気だ?
すると角が輝き始め、さらに魔力が増大し始める。
その瞬間、私を狙うように見えない波動は飛んでくる。
私は小太刀を抜刀、見えない波動を切る事は出来たが...
「...!!師匠の後ろの木が何本か倒れました。」
どうやらただ斬るだけでは今の波動は壊せないらしい。
それどころか後に誰かいると非常にまずい技だ。
カラミアはさらに3発波動を反対方向のルザーナに撃つ。
ルザーナは迫り来る波動を拳と脚で上へ殴り飛ばす。
「...かなり力を入れないと今の技は防げません。皆さん、気をつけて!!」
カラミアは突撃体勢に入る、狙う先はスーロッタ。
スーロッタは全身に魔力を込め大剣を構える。
カラミアはスーロッタに角を向け突進。
スーロッタは不動の岩の如く剣を盾に耐える。
カラミアの力は凄まじく、スーロッタの剣と角がぶつかり鈍い衝突音が響いた。
「今です!!」
スーロッタがそう叫ぶと同時に私達はカラミアに向かって技を撃つ。
私は首に向かって魔力を乗せた斬撃を、
ルザーナは脚に向かって破岩脚を、
クロマはサンダースピアを胴体に。
カラミアに今のが効いたらしく、その場で怯む。
その間にスーロッタはカラミアから離れ、アイテムで魔力を回復。
そして全員カラミアから距離を取った。
カラミアは再び全身に魔力を込めると、今度は空に向かって吠える
するとカラミアを中心に大きな風が渦巻いてゆく。どうやらカラミアは風魔法を得意とするようだ。
するとクロマがカラミアに近づき魔法陣を出す。
「構築完了、時空操作:時間遅行!!」
そう叫ぶとカラミアの風の一部が遅くなり、勢いのある風とぶつかり流れが合わず崩れ始めた。
というかクロマ、そんなすごい技使えたの!?
カラミアは技が上手く発動出来なかったためか、近くにいるクロマに角で攻撃しようとする。
しかしクロマは転移しそこにはいなかった。
その隙を狙いルザーナがカラミアに青之脚撃を腹部目掛けて発動、かなりの一撃が入ったためか痛みで吠える。
また再び距離をとってカラミアに攻撃しようとした...時だった。
カラミアは脚を地面に強く踏み込む。
その瞬間、なんと地面から弾丸のような風が次と私達を襲い掛かる。
「うあ゛っ!?」
「クロマさん!あ゛っ!?」
「ルザーナ、クロマ!!」
まるで地面から矢の如き雨が降り...いや、昇り注ぎ2人が負傷してしまった。
カラミアはまた強く吠え、今度は私を狙い始める。
角が私に襲い掛かる。
再び抜刀斬りで弾き返す。
しかし再度突っ込んでくる。
魔砲撃で押し返した。
カラミアは大きな角を私に向かって横薙ぎに振る、私は後方に高く飛んだと同時にペネトレーザを何発か入れる。
しかし魔力の壁で防がれ貫通もしなかった。
その隙を狙われ波動が襲い掛かるがレーザーネットバリアを張ってなんとかなった。
「レッジスラッシュ!!」
スーロッタの一撃が脚に決まる。
「雷砲撃!!」
続きクロマが雷の砲撃を与える。だが...
「ゴオオオーーッ!!」
カラミアはダメージこそ負っているもののまだまだ動ける様子だ。
ふむ、火力は間違いなく私達の方が上なんだけど思った以上にタフだし、向こうは結構な威力で技を撃ってくるから下手すれば町に余計な被害が出てしまう。
町から出て戦っているとはいえ流れ弾や防ぎきれなかったのが当たると並の建物じゃすぐ壊れる。
いくらスー君でもタンク役は任せきれない、それに私達は守護特化スキルは持っていない。一体どうする...
「グオオオオーーーッ!!!」
カラミアは大きく吠える。
するとカラミアの角が溢れる魔力で輝き出し、風が圧縮されてゆく...これはまずい!
カラミアから圧縮された風の砲撃が放たれる。その砲撃は木々を木っ端微塵にし、一瞬で無残な風の通り道と化した。
それだけでは終わらない、カラミアは砲撃を発動したままこちらへ横薙ぎしようとする。
非常にヤバい、町に直撃してしまう!
「鎖術、龍薙!!」
そう思った直後、謎の鎖による重い一撃がカラミアの顔に直撃する。
さらに、
「刻・龍爪!!」
カラミアの胴体に荒々しい爪痕のような斬傷が付けられた。
「待たせた、キジコ。」
「やれやれ...面倒なのが出てきましたねぇ..。」
大剣を持った朱斗、
宙に浮く鎖纏う蒼鈴。
パーティメンバーが増えた!




