第69話 カバンの空きを増やしますか?▶︎YES/NO
[カバンがいっぱいです!]
[◯◯を本当に捨てますか?]
...を避けるために私は今更だが空間収納を習得することを決めた。
空間収納とは空間魔法の一種で、自身が作り出した異空間に物を収納する魔法。取り出したい物を意識すればちゃんとと出せるからナントカポケットよりは多分便利なやつである。
え?何で手に入れるかって?
いやだって...ほらさ、みんなだってゲームしてたらあるじゃん?
いざイベントやレア装備落とすボスとかストーリー、頑張っていこー!!って時にカバンの中身がいっぱいだったらさ、気分ダダ下がりじゃん?
変なタイミングで片付けしなきゃ行けないし面倒じゃん?場合によっちゃ倉庫も中身がいっぱいでイベントに遅れを取ってしまう。
レア装備ゲットーって時に、カバンがいっぱいです、どれか捨ててくださいってカバン見ればどれも貴重品だってオチは最悪じゃない?
だからこそ!!
私はその超最悪の事態を避けるため!!
カバンという名のストレージを!!
拡張するのだああーーーー!!!
ーーーーー
朱斗蒼鈴の館にて...
ゲフン、本題に入ろう。
そもそも空間収納は今回の事件有る無しに入手しておくべきだったスキルだ。流石に鞄持ちながら戦闘するわけにはいかない。
そのため私は空間魔法使えるクロマとその場にいた朱斗蒼鈴に習得したいと頼むのだった。
「師匠、空間収納は基本的に空間魔法の基本である[認識力]が必要となります。」
「認識力?想像力とかじゃなくて?」
「はい、空間魔法は他の魔法と比べ、集中力を結構削るので、慣れない内は維持するのが少し大変なのです。」
ふむ...これはかなり複雑な練習になりそうだ。
「それに加え、その空間の把握もしなければならない...が。」
「キジコ様はレーダーといった範囲内の感知や探知を得意とされておりますのでその辺はまだ大丈夫かと思われます。」
ならその認識力って所をどうにかし始めますか。
私は手を出し魔力を込め、む〜っと集中し始める。
意識しろ、ミーシャやヴェアートさんがやったように...
グググ....
「師匠、いい感じです。」
少しずつだが右手の上が歪み始める。よし、このままゆっくりでも意識し..
「...ひっ....。」
「「「ひ?」」」
「ひゃぁっくしょん!!!」
(ブチっ)
「あ、師sy...!?」
ズドオッ....
「...おや?地震でしょうかね...?」(タビ)
「ゲホ...ゲホ...。」
「い...一体なにが...。」
(攻撃スキル:空間衝撃波を習得しました。)
「...変なスキル手に入れちゃった。」
「俺こんな威力のくしゃみ見たことねぇや。」
気を取り直して..
「む〜っ....。」ググッ...
「師匠..あと少しです..!」
ぐぬぬ...あと少しだって言うのに、イマイチその先が掴めん...!何か...こんな時に使えそうなイメージとかは...。
開くイメージ...開くイメージ...!!なにか..なにか...!!だーもう!!
「ひらけゴマァッ!!」パカッ
(補助スキル:空間収納を習得しました。)
「...あれ。」
「ひらけ...?」
「ゴマ...?」
「おめでとうございます師匠ー!」
...前世のおまじないすげぇや。
ーーーーー
「さて次は、物の出し入れについてです。まずは...このリンゴで試してみましょう。」
ふむ、たしか取り出したい物を意識するんだっけな。
「では師匠、収納口を開けて下さい。」
「うん、そりゃ。」
よしよし、収納口はちゃんと開くようになった。
クロマはリンゴをキジコの空間収納庫へ入れた。
ダッダッダッダ..バァンッ!!
「私のリンゴの匂いが消えました!!?」
「へ?」
突然現れたのは必死な表情の和服ルザーナ。風呂に入っていたようだ。(ワンピースは洗濯中)
「えーと..どしたの?」
「この部屋に置いていた...私のリンゴの...匂いが突然消えましたぁ!!」
(おいクロマ...今のリンゴ...。)
(...うっかりしてました。師匠、リンゴを取り出す意識を!)
リンゴ...リンゴ...
コテッ...
「...!!匂いが..!」
「な...なぁルザーナ、これか?」
「...!!それです!見つけてくれたんですねご主人様ぁ!!」
...まぁ、ルザーナの笑顔が戻って良かった、うん。
「ところで、一体なぜ匂いが消えたのでしょうか...?」
「んん...ああ、ルザーナさん。先程少々..特殊な魔法を使いまして...その際なんらかの原因で匂いが一時的に消えたのかもしれません。」
「す...少し気になる事がありましたので、はは。」
「そうでしたか、お騒がせしてすみません。」
そう言ってルザーナはリンゴを持って部屋を出て行った。
「...朱斗蒼鈴すまんね。」
「いえ...我々も気づくのが遅かったので...。」
「...ごめんしゃい、師匠。」
はぁ...とりあえず物の出し入れ出来たとはいえ、何でこんな疲れるのかなぁ...。
ーーーーー
「では最後に、朱斗さんが用意したこちらの毛糸玉3種、計30個の取り出しを素早くお願いします。」
仕上げって事ね。
「それでは...赤!」
「それっ。」
「青、黄、青、赤...。」
単純作業なのにかなり頭と集中を使う。
「青!」
「ほい!」
「...師匠、お見事です。これにて空間収納の習得練習は以上となります。」
「ふぅ...結構疲れた。」
クロマのおかげで空間収納を習得する事ができた。朱斗と蒼鈴も手伝ってくれて良かった。
「少しお待ち下さい、最後に試したい物があります。」
「どうしたの?」
そのまま朱斗は自身の空間収納庫から3本の太刀を取り出す。
鞘の色は朱、紺、翠の3種で、その太刀は見た目は似ているがどれも業物ってオーラがある。
「これらでもう一度、取り出しの練習をしましょう。」
「...?わかった。」
私は空間収納庫に太刀を入れる。
「では...朱色。」
「それ...って、あら?」
出てきたのは紺色の太刀だった。
「...?どういう事だ?」
「この太刀は見た目以上の内容量と言いますか...つまり、ただ色と形だけではっきり認識出来るものではないのです。」
「空間収納から取り出す際は、単純な物であれば先程と同様簡単に取り出せますが、複雑な物ほど今のように失敗してしまう事があります。」
あ、だから認識力が重要なのか!!
取り出したい物をしっかりわかってないと...つまりどんな物であるかを認識していないとダメだっていう事。
すごいな...その場にいた朱斗と蒼鈴を誘っておいて正解だった...。何かあれば知り合いを遠慮なく頼るってのもいいもんだな。
「...わかった。もう少し練習時間のお付き合いお願いね。」
「では...翠。」
「それ...ゲッ。」
「師匠、頑張れ!」
1時間後...
「朱、紺、翠、順番で!」
「それ!」
カタッカタッカタッ
「...問題ありません、素晴らしいです。」
「...!ようやく...。」
「今の感覚をしっかり覚えておいて下さい。お疲れ様でした。」
つ...疲れた。でもこれで、これから起こったであろうハプニングを減らせたと思っている。
「今日はありがとうね、3人とも。ちょっとお風呂借りるよ。」
「あ、師匠私も!」
ーーーーーーーーーー
ふぅ...いい湯だ...。
こんな広い風呂に入るのはいつぶりかな、日菜ちゃんと行った温泉旅行が懐かしい。
私が今いるのは広い露天風呂で、夜空の星が綺麗に見える。知ってる星座は無いが...。
というか、思えば猫の時から風呂というか水が怖くなかったな。
「....。(ブクブク...)」
「...?どしたクロマ、顔下半分まで湯に沈んでるぞ。」
「(プハッ)...い..いえ、な..なんでも...。」
「...何かあったのか?」
クロマが顔を真っ赤にしている。
「し..師匠..、お..お体、綺麗..だな..て。」
「そうか?私の知ってる限りではまだ子供の時の体だぞ?」
「へ!?...あ、いや..え、子供の時?師匠は魔物なのでは...?」
「ああ、クロマは知らなかったね。私は転生者なの。前の世界で死んで、色々あってこっちに来たんだ。魔物の体に生まれ変わってね。」
「い..異世界...!本当にあったなんて...。」
「みんないつもそう言う。」
魔法が普及した世界でもそう言う答えになるもんだな。
「ちなみにこの体は多分...14か15歳の頃のかな。もう少し大きい鏡で見たらその辺りの体だって思ったんだ。」
「じゅ...!?」
ブクブクブクブク...
「クロマ!?」
(だ..だめ、師匠すごく綺麗なお体だなぁって思ってたけどまさかの14〜15辺りだったなんて...そ...そんな歳の人にさっきの質問はまずいってぇ....。)
「ちょっとクロマ!?クロマぁ!?」
この後真っ赤な顔の魔女っ子が打ち上げられたとかなんとか..。




