第50話 ゲトーvsロティアート
本日2話目!もう50話...
ゲトー視点
俺が相手をするのはロティアート。今回の事件の張本人だ。ヤツは今まで多くの人間を犠牲に自分の好き勝手繰り返しており、それに飽き足らずとうとう神力を利用しこの世界にも牙を向ける。
「僕は副総隊長の相手ですね。お手合わせお願い致します。」
「今更茶化すとは、本当にふざけているんだな。」
「いえいえ!僕はいつだって本気で努力してますよ!」
ロティアートの服が白と金のコート型の装備に変わる。
その手には強い魔力を持つ剣と盾、爆発的に増大する魔力!
「...これからが本気だって言うのか。」
「はい!この装備だと最初にキジコ様を消し飛ばしてしまいかねなかったので!」
「にしても...どこでそんな物を..。」
「洗脳した駒からのツテですよ。」
ロティアートは空間収納庫から白い仮面を取り出し、顔にはめた。
「はは、まさかゲトー...貴様にこの装備を使うなんてね。...あの猫をなんとしても捕まえたいのでな、ここで死んでもらおう。」
「なんだ、突然口調が歳食ったんじゃないのか?ロティアート。」
「今の姿ではティライターと呼んでもらいたいね!」
ティライターはさっきとは比べ物にならない速度で俺に襲いかかる。
ガガガガガ!!!
しかも盾を持っていながらもこの剣捌き、気を抜けばシャレにならない!
「はああ!!」 ガンッ!!
「フンッ。」
反撃をしてみるもあっさり盾で防がれた。元が防御に長けてるだけあって全然攻撃が通らない。
「どうした、その程度か?サジェス帝国軍副総隊長ゲトー様も弱いもんだなあ!!」
「さぁ、どうだろうな!!」
俺は攻撃を弾かれようともその戦法と体勢を崩さない。戦いは基本を保たねば全てが崩れる。
一方ティライターは余裕そうな一方どう攻めるか考えている。
「...ソニックスラッシュ。」
「!!...がはぁ!?」ガキィンッ!!
最早ワープでもしたのかと言わんばかりの速度でティライターの技が決まる。俺は間一髪身を守ったが大きく吹っ飛ばされてしまった。
「...どうした?ヴェアート総隊長の横薙ぎの方がずっと痛いぜ?」
「また強がりか...もはや清々しいな。」
「何度でも言え、お前とは根本的な鍛え方が違う。」
俺はすぐ立ち上がりスキルを使う。
「スキル:魔身強化、身体強化!!」
「...今更その程度、我には敵わない。」
ティライターは今度は突きを中心としたラッシュ攻撃を仕掛ける。
「どうした!?さっきまでの威勢はただの上っ面なのか!!」
「...。」
俺はただ守備に集中した。そして、
「そこだ!」
「!、チッ!!」
「防がれたか...だが兆しはある様だな。」
「...調子に乗るなよ、ゲトー。」
ゲトー・ウィルーシス。
俺の家系...ウィルーシス家は代々、ルーナ家..つまりヴェアートお嬢様の家系の守護を役目としている。
俺は幼き頃から歳下のヴェアートお嬢様の守護従者として育て鍛え上げられた。
そのため常日頃、剣の腕を磨き、知識を得て、多くの仲間と協力、...己の使命のため俺はずっと努力している。
本来今回の戦争もヴェアートお嬢様に着いていく予定だったが、お嬢様は何やら作戦があったようで俺は城の守護...そしてキジコ様の護衛に出た。
レギスではヴェアートお嬢様はシルト様と協力し秘密裏に調査を行い、忍び込んでいた反神獣派の確保ができた。
一方キジコ様は転生者。
この事はヴェアートお嬢様から機密情報として聞いた話だ。
いくら能力があっても発想の違いというやつなのか、あの方は短期間で凄まじい力を身につけているのがわかる。現にあの方はスキルによるレーザー光線でロティアートの攻撃を防いだ。
そして帝王様はかつて魔物災害で名を挙げた超実力者。今もその実力は衰える事なく、上級兵数十人相手でも無双をする程。
...そして俺はそんな方達と違い特別な力や能力があるわけではない。
だが副総隊長の座にいるのはお嬢様の従者だからではない。
理由は自分でもよくわからない。
だがあえて言うなら俺は...
弱くないからだ。
「...フンッ...ハァッ!!」
「チッ...!!貴様も力を隠していたのか..!」
「隠す?違うな...実力が違うだけだ。俺はお前より強いだけだ。」
「うるせえ!!」
ティライターはゲトーをさらに速度を上げ切り掛かる。しかしゲトーの感覚はさらに研ぎ澄まされ、次第に...
「遅いな。フンッ!!」
「!?..ガハッ...!?」
ティライターは地面に倒れ込んだ。
「ずいぶん早い決着じゃないか。まだまだ時間はあると思うんだがな。」
「だ..黙れ...!」
「基礎的実力が不足しているんだお前は。努力家なのは認めるが、今の状況では及第点以下だな。」
「黙れ..黙れ!!!ならば...制限解除!!」
またティライターの魔力が上昇する。
ここまでくると小物なのか大物なのか...。
「がああああああ!!!」
「!、フンッ!」
「ぐあっ...!?」
動きが早くなった所でもう俺には通じない。早くも形成逆転だ、部下が味わった苦しみを全部返せるかな...。
...いや、これで仕留める。
「あああ!!ああ!!..あああ!!」
「...見苦しいぞ、ティライター...いや、ロティアート。ぜぇああ!!」
俺は仕返しと言わんばかり地面へ投げ叩きつけた。リミッター解除しているのにロティアートはかなりダメージを受け、気絶したようだ。
「....はあ..、久々いい運動した。事件が落ち着いたらいっそ帝王様に稽古つけてもらおうかな。」
ズドォォォン!!
お?帝王様の方も片付いたみたいだな...。
そういやキジコ様は..?
さっきキジコ様のいた方向をいざ見てみれば....
火災の壁、天に向かって走る何本ものレーザー、空を舞う化け物...地獄かな?
何がともあれ加勢しに行くかな...
「いや、我々は一度休むべきだゲトーよ。」
「帝王様!!」
そこに現れたのはゼオとスーロッタに支えられた状態の帝王様。
「大丈夫ですか?客観的に見ればだいぶ疲労状態ですよ副総隊長..。」
「すまない...アリア。...ん?ミーシャは?」
「キジコ様の加勢に向かいましたっす。...あの様子じゃ..。」
「...わかっている。俺は町の住民の避難誘導をする、お前達はキジコ様のフォローを頼む。」
「ハッ!!」
「とりあえず先にロティアートを縛ったらどうだお主ら。」
こっちはなんとかなりました...。
あとは頼みましたー、キジコ様達。
次回、帝王vs邪精霊




