表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
猫に転生しても私は多趣味!  作者: 亜土しゅうや
帝国之崩壊編
50/302

第48話 これが僕

 目の前の巨大なカプセル、液体の中にうずくまる巨大な怪物。


 そしてその素体に使われたのはダークエルフ。

 

 そのダークエルフの名はミルカーナ...


 ミーシャが長年ずっと探していた母親だ。


 

 「あ...ああ...な..!」

 「あれえ?皆んななんだ怖がっているの?世界の救世主だよ?」


 ピカッ


 「うおっと!?危ないじゃないですかキジコさん!」

 「...ふざけるのも大概にしろ。貴様はなぜミルカーナさんを狙った?なぜあんな物を作った?」


 「ああ、それなら簡単です!説明いたしましょう!


ーーーーーーーーーー

 これは僕の過去


 僕はね、昔から人形を作るのが好きでした。思い通りに作り動かせる優越感と支配感覚、僕にとって唯一、これ以上ない趣味で生きがいでした。


 でもね、

 

 親は僕の邪魔をしてきます。


 僕はただペットを解体して人形にしただけなのに。


 親は僕を怒ります。


 僕は人形で遊ぶのが好きなだけなのに


 親は人形を全て捨ててしまいました。


 僕は怒った。

 

 親を人形にした。


 僕は作りがいあると思った。

 

 親はすぐ崩れて落ちた。壊れた。


 僕は片付けた。邪魔だったので。


 親だった物は野生の魔物に食べられた。


 僕は片付けの面倒が減って喜んだ。


 親はいなくなった。


 僕は自由だ。



 11歳になった頃、いつのまにか何かを操るスキルを手に入れていた。


 村の大人に使ってみたら成功した。


 手を汚さず一家を血の海に出来た。


 でもつまらなかった!


 自由に動かせてもアイツは泣き叫んでギャーギャー喚く。これじゃあ糸で操っているだけじゃないか。


 そう言えば帝国には大昔に公に隠された禁呪というスキルが記してある本があるそうだ。


 もしかしたらピッタリのがあるかもしれない!だから僕は修行し、帝国兵になった。


 それから努力し、結構いい階級も手に入れて、帝王から信頼を得たことで色んな事が出来た。


 そんなある日だった。


 僕は街中でダークエルフの女性を見つけた。とても魔力が高く、とても美しい人だった。


 だから拐った。


 けどこんなにいい素材を今までのような人形で作ればすぐ死んじゃう。


 そうだ、明日から一定期間禁書庫の門番をするのだった。あそこなら色々な知識や情報があるはずだ。


 なのでミルカーナと言った女性は封印のスキルで保存した。


 

 それから1週間、人の目を盗み色々解読し僕は禁呪や隠された技術について学んだ。


 そして僕は技術者達を操り時間をかけて設備を完成させた。


 最初はミルカーナをより強い魔力に関する物と混ぜてみようかなと思ったけどピンと来ない。


 そうだ、強い魔物の情報を組み込もう。


 おお、いい設備を整えただけあってミルカーナの腕の鱗が現れた。


 それから色々試しミルカーナの肌は合成獣とも言える美しい姿になった。


 面白そうだったので他の種族の情報も組み込んだりもしてみた。みんな暴れて処理が大変だったけど。


 気がつけば図体も大きくなった?まいいか!


 そんな時、帝王がレギスの森で謎の力を確認した。だから僕は洗脳させた奴に使い魔召喚させ高速で空を飛ぶ魔物に探しに行かさせた。


 すると召喚獣は爪先にほんの少し謎の破片をつけなぜかボロボロで帰ってきた。回収した途端使い魔が突如消え去ったのはどうもいい、この破片から強い魔力を感じる。


 けど強すぎるとかえって容量オーバーで崩壊を起こす。


 そうだ!城には大昔の秘宝、神光石がある!

 あれも使えばすごくなるんじゃないか!?

 さっそく試そう!!


 僕はスキルを駆使して神光石と、手に入れた謎の破片を使った。


 そこで奇跡が起きた。


 なんと、僕の人形が神獣への資格、[称号:神獣へ進む異形]を手に入れた!!


 そして神獣資格の存在を僕は知った。


 それは僕は秩序之天秤を持っていたから。


 意識を集中させてみるとまだ少ししか力は使えなかったけど、世界の大まかな位置に神の力を感じた。


 神獣というのは100年に一度、一柱のみ現れる。


 僕は考えた。


 自分の支配下に神獣が欲しい。


 神の領域というものをみたい。


 神の存在を僕の手のうちに欲しい!


 だからこの人形...いや、最高傑作であるこの方を神獣にしようと。


 そうだな、まだ資格の反応の奴はいないからこのままでも良いかなとは思ったけど、やっぱりこっちも味方をつけようかなと思う。


 この方を神獣に覚醒させるために、他の資格保持者を消すために色々動いてもらおうかな。


 そうして僕は各地でとりあえず考えた、神獣は世界の敵だの魔物に左右されない真の人間世界だの適当な理由吹いて手駒を増やした。


 思ったより役立たずしかいなかったけどね。



 気づけば結構な時が経った。


 自分も今や表向きでは第七番隊副隊長として活躍し、裏ではティライターと名乗り反神獣派組織のボスとして動いている。


 あれからあの方...ディストル様に色々試しているがまだ完成はしない。

 様々な生物データを組み込んだけどそれでもまだね。


 そんな時だった。


 レギスの森で新たな神獣資格、[神獣へ歩みし者]、


 北方面の国、獣人の大国からも[神獣へと望む者]


 なんと2人も現れたのだ。


 ...まずい、このままだとディストル様の立場が危ない!今こそ動くべき時だ。


 そして僕は彼らにレギスの神獣資格保持者を狙えと命令し、レギス戦争の混乱に紛れさせかつて手に入れた謎の破片の元を手に入れるよう命令した。

 

 獣人族の国は強者が多いから彼らが向かっても勝てる要素が見当たらないからね!


 

 それからしばらくは様子見をした。


 下手に動くと計画が台無しだしなぁ。


 そんな時、あの猫...キジコが帝国の近くにいるというのを知った。


 ふーむ、全然役に立たない駒達だ。


 なので僕はキジコの追加護衛として動くことにした。こうなりゃ直接見てみよう。


 [神域]で何をしているか見てみれば、あの召喚術師...なんで舐めてかかってんだ?...ああ、そういやあいつ邪精霊召喚よりもオオカミ召喚の方が好きだったな、もういらね。


 役に立たない駒だったし斬った。


 それからキジコがどんな奴か確かめるため仲間として行動しました。


 けど、これは驚いた。明確な知能、凄まじい力、はっきりとした人格...この方を殺せないほど弱かった駒には感謝しなきゃね。


 こんなの良質すぎる素材だ、是非とも組み込もう!

 

 なので他の部下も使い城内の兵を手当たり次第洗脳し...


 ここまでようやく追い込めた。



ーーーーーーーーーー


 「まぁつまり個人的な自己満足さ、興味のためなら今までなんでもしてきたからね。」


 ザシュッ...

 

 「...また急に何をするんですか?」


 ...なんてくだらない話なんだ、聞いて損した。関係ない人を自分勝手に巻き込んだことに罪悪感ないどころかそれだけでは飽き足らず多くの人を巻き込んだようだな。


 んでもって私まで材料にするねぇ...。


 ああ、こんな奴少しでも仲間と思ってた私が実に馬鹿だ、トラウマ級に。


 「別にみんなそんな怒らなくてもいいんじゃない?僕はただ趣味を言っただけじゃないか、他人の楽しみは奪うもんじゃないよー?」




 ...もういいや。


 こんな奴...生かしておく理由なんてない。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ