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猫に転生しても私は多趣味!  作者: 亜土しゅうや
異世界参上編
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第4話 また遠ざかるスローライフ

ちなみにキジコはキジトラ柄の猫になってます。

   



 レギスの森


 おそらくゲームでいう所の初級者序盤ステージ。

 プレイヤー達が戦い方を学んでゆく一種の学舎とも言えるステージ、そして平穏溢れる場、1の面とも言うべき森。

 耳をすませば小鳥は囀り、魔物は森を駆け、空は青く澄んでいる。

 ああ、元都会暮らしの影響かいるだけで癒される..。

 ああなんて平和なんでしょう!

 私はそんな平穏を味わい、素晴らしき猫生を満喫謳歌....




 できるはずだったぁっ!!


 白銀の守護獣ことヴァルケオ曰くこの地域はとある国同士の戦争予定地。

 つまり、このまま穏やかに過ごしても巻き添えで命が危ないのである。

 平和早速どこ行ったんだよド畜生。

 

 「しかし貴様..いや、キジコよ、これからどうする。」

 「これからとは...?」

 「戦争予定地となると貴様の目指す平穏も期待は薄い...、我がなるべく安全な所まで案内してやろうか?」 


 なんと、そんなご親切に。

 そういえば威圧こそしているが個体鑑定を使ってから敵意を全く感じない。


 でもなんだ?どこか私とは別の何かに怒っている様子も感じるが...まいいか。


 信用してもいいのか知らないがここは信じてみる。


 「いいんですか...?」

 「我を前に偽りなく堂々と目的語る奴などそういるものではない、何より我に対し早くも肉体と精神が威圧に耐性をつけておる。少々興味が湧いた。」


 え、耐性?

 ステータス確認っと...あれ


    [精神強度(3)][威圧耐性(3)]


 なんか手に入って知らん間にレベル上がってるぅーー!?

 学ぶ事多々ありの肉体故か知らないけど凄まじい威圧をもろ喰らいすぎたのが原因か...


 だが転生者だからかさっきのやけくそのおかげか知らんけど、もしかして助かった?

 というか気づけば念話が震え声じゃなくなってる。

 尻尾は内側に巻いたままだが耳はぺったんこじゃなくなってるし毛並みも元に戻ってる。

 そういえば前世の文献まんがで成長期や幼い時に厳しい訓練すると格段的に強くなるとあったが、この異世界はそれの適用内だというのか...。


 「私も生まれ変わったばかりなので早速死ぬのもごめんなので、ここは甘えておきます。」



 「よかろう。今のうちに案内をしておk

       (グゥ〜〜〜)

  .....すまない、そこのアイアンディアーの肉、もらっても良いか...?」

 「あ、はい。」


 意外と可愛い一面あるじゃん守護獣ライオン



ーーーーーーーーーーーーー



〜戦争予定の人族の国:ムート〜


 とある会議室にて



 「総団長、兵の状況報告に参りました。」

 「ああご苦労。各軍団長、各軍の状況は?」

 「はっ、我々第1軍から第7軍の今戦投入予定の全7軍:総勢4900人、各種準備をすでに整えてあります!」

 「レギスの森へは追加の食料の確保、兵の休養区、効率の良いルートを辿るとなると早くても5日はかかります。」

 「5日か...少々時間がかかるな。」

 「しかし幸い、魔人族もレギスの森へは同日ほどかかるでしょう。」

 「ですがあの森はどの国の所属でもない中立の土地、どうしてそのような所で戦争など..。」

 「わからない、何せ上からのお達しだ。なぜ守護獣様がおられる場所でわざわざ血を流すような事をしなければならぬのか、こちらもずっと考えてはいるんだが...。」

 「確か、本来守護獣様がおられる土地は戦争に対する不可侵の盟約があるのでしたっけ。」

 「ああそうだ。」

 「....悪い方向へ向かないといいですね。」

 「全くだ...いや、もう向かい始めてるかもしれん。ああ、正直この命令は突っぱねたい。上層部は一体何を考えている...。」

 「総団長、ひとまずこの疑問は我らの胸の内に隠しておきましょう。上の耳に入ると厄介でしょう。」

 「ああ、そうしよう。」

 「諜報部隊より報告があります!魔族軍が出撃し始めたとのことです!」

 「では行こうか、皆。」


 彼の名はシルト・ソーレ、ムート王国の各軍団の長であり、聖勇者と呼ばれる人族の英雄である。

  

 人族が森へ動き始めた

 そして...



ーーーーーーーーーーーーー


 

 ....ムニャ...ニャ...もう食べ..られませ..ぬ

 ...日菜ちゃ..ケーキ..あげ..

 

 「ついたぞ、キジコよ。」

 「zz....ふぁっ。」

 

 しまった、寝てしまったようだ。

 

 さっきヴァルケオが安全地帯に案内してくると言ってたが気づけば背中に乗せてもらえて、そのまま寝落ちしていた。

 程よく日光当たってたから思いの外快眠でした。おはよーございます。

 つーか空がオレンジになっている...今世で初めての夕焼けだった。

 とてもとても綺麗な夕日。

 前世でもっと見ておけばよかったかな...。


ーーーーーーーーーーーーー


 「ん?ヴァルケオ、その縞模様の子は?」

 「マウリ、その子は先程ヴァルケオが念話で言っていた転生者という存在だ。」

 「テューニ、この辺りならこの子を保護できるだろう。」

 「ああ、やつらが無理やり神域まで巻き込まないならだが...。」

 「ねぇ、ひとまずその子に色々教えてあげたら?妙に戸惑ってるみたいよ。」

 「そうだな。キジコ、紹介しよう。我以外のこの森の守護獣だ。」

 「ウィズダム・フォイア・フォックスのマウリ。アタイのことは気軽にマウリでいいよ。」

 「ハンター・シャッテン・ホークのテューニだよ、よろしく。」

 

 しかし子猫キジコは怖くて動けない!


 「あれ、固まってる...?」

 「....流石に複数の守護獣の威圧は早すぎたか。」


 キジコの運命はいかに

 

 

マウリ:煌びやかな山吹色の狐(雌)。九尾とかではないが美しい長い尻尾を持つ。冬になると狸みたいに丸っこくなるのが悩み。全長25m(尻尾:15m)


テューニ:紺色の鷹(雄)。ヴァルケオやマウリと違いキジコの知る鷹より一回り大きい程度の全長。日光に照らされたヴァルケオやマウリの反射光で稀に空から落ちる。

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