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猫に転生しても私は多趣味!  作者: 亜土しゅうや
帝国之崩壊編
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第46話 まさかお前が

 「ぐ...ぐぅ..、お前ら...!」


 倒しても起き上がり、切っても立ち上がり、時間が経つと数が増える、洗脳兵はまだまだ増える。


 「副総隊長...!魔力消費が大きいけど...使うしかない!合成スキル...魔身石造ファントムゴーレム!!」


 私達の周りに砂が集まり5体、ロティアートそっくりの動く石造が現れた。


 「15分は足止めに使えます!早く行きましょう!!」

 「...ああ!」


 

 キジコです。


 現在、帝国城内に突入してやっと安心だって思ったのに、城の中は何者かによって洗脳された兵士だらけだった。


 部下を下手に傷つけたくないゲトー副総隊長にとってこれは余りにも苦しいもので、倒しても奴らは操り人形のように起き上がり襲いかかってくる。


 正直言って大ピンチである。


 ダッダッダッ


 「くたばれえええ!!」

 「!?、キジコ様ああ!!!」


 実際、曲がり角で不意を突こうと兵士が私に遅いかかる。


 だが、


 「はああ!!」

 「ギャアッ!?」


 その兵士は後ろから何者かに突かれ壁に激突する。そこにいたのは斧槍...ハルバードを持った男。


 「..大丈夫か、お前達?」


 「「...!て...帝王様あ!?」」

 「てええええええ!?」


 どうやら大はつかないほどピンチになりました。


ーーーーー


 「とりあえずこの部屋なら安心だ。」

 「...ありがとうございます...帝王様..!」


 私達が避難したのはどこかの会議室。入った同時に帝王は部屋に魔法で鍵をかけたため、ようやく本当にひとまず安心である。

 

 「帝王様...よくぞご無事で!」

 「うむ。それで、この状況は一体どうなっている。」

 「はっ、城内の兵は皆何者かの手により洗脳されています!」

 「...!やはりそうか、兵の目が怪しく光っておったわ。」


 「...こんな状況だけど、初めまして...そしてようやく会えました、帝王。」

 「...やはりそなたが神獣の資格を持つ者だったか。

 我はサジェス帝国現帝王、ハルバンス=サジェスだ。」

 「えーと、キジコです。」


 サジェス帝王、てっきり髭の生えた威厳ある男だと思っていたが、長身だが意外にも体型はスッキリ、細マッチョ気味で髭は生えておらず整った顔に長髪である、


 そして目が、右目が私のよく知る通常の目の色、左目は魔人族の目の色というオッドアイであった。



 「...この部屋は認識阻害も仕掛けている。作戦会議ついでに、本来の目的を果たそうじゃないか、キジコよ。」

 「...いいのでしょうか?そんなゆっくりで。」

 「急かした結論を出すよりはずっと良い。」


 Q「...ではまず、レギスの戦争を終わらせませんか?」

 A「それについては少し前に聖勇者と魔勇者の状況報告を聞き、お互いの国家間で終戦が決まった。...そなたや守護獣に大変申し訳ないことをした。」


 な!?...終戦が決まったのか!


 Q「なぜ...あの森で戦争をしたの?」

 A「あの森は以前より謎の力を感じ取っていた。そなたとは違う、禍々しい力をな。ムートの[女王]もそれに気づき、決まったというわけだ。元々戦争が近く、調査も難しかった。」

 「...それでその力は一体?」

 「...わからず終いだ、だが戦争中にその力は増して感じた。森の守護獣とは異なる別の何かの存在...くらいまではわかる程度のな。」


 ...どこか納得いかないが立場が違えばもう少し理解出来ただろうか...。


 Q「じゃあ次、帝王...貴方は秩序之天秤スターリブラの神域を持ってるの?」

 ロ「...!?」

 A「... ほう、秩序之天秤を知っていたか。だが惜しいな、我は神域ではなく[調律]だ。」

 「...!!」


 神域じゃない...!?

 ...いや考えてみれば神域を持っていると思ってたのは神域の効果で神獣資格を持つ私を追跡、何かしらで殺すのが目的という前提であった。


 直接会う約束をした奴がそんな事するはずないし神域を持っているという推測は無くなる..。


 だが驚愕なのは帝王が秩序之天秤の別のスキル保持者であった事だ。

 

 「調律って...?」

 「調律は世界のバランス。世界は時に善悪のバランスが崩れる。どちらか一方で世界が成り立つ事なし、それを知る者が私だ。」


 ...内容が難しいな。だがやはり漫画で見るような完全正義、純善たる世界とかはないようだ。


 そして帝王はそれの何かしらを知る事ができる人物だった。応用方法は知らないけど帝王という立場なら何かしらが出来るのだと思える。


 Q「以前第6隊長にスキルイーターって言う魔道具を渡したみたいだけど、なぜあんな危険な物を渡したの?」

 A「...あのスキルイーターは本来...渡した当時、ソウルイーターはロック...使用不可の状態だった。」

 「え...?」

 「私とロティアートもあの場にいました。確かに厳重なロック状態にあり、事実上使い切りでロックも奴には解けない物でした。」


 「けどあの隊長が私の前に現れた際奴はソウルイーターを使用し、イーターには邪精霊が取り憑いていた。渡したときにはいなかったの?」

 「渡した部屋...王室では強力な破邪の結界がある。邪精霊は中にいるだけで消滅する。

 ...ヴェアートから森での奴の行動は聞いた。あのような愚か者を放っておいた我にも責任はある。」


 「...おそらく、奴はどこかで反神獣派の構成員となり、その際イーターに邪精霊を仕込まれたのかも知れません。推測ではありますが奴の行動からして、おそらくそうなんじゃないかと。」

 「内部にいた邪精霊がソウルイーターのロックを解除して奴に使わせたのかもな。」


 Q「最後に、私が帝王に会うことをすんなり許可をした。...目的は何なの?素性のわからない者相手に普通そんなすぐ決まるはずがないのに。」

 A「[調律]は世界のバランスといった通り、[世界の未来に深く関わる出来事や人物、物などについて知る事が出来る]。...そしてそなたは以前より調律に深く反応があり、ヴェアートから話を聞いた時にそなただと確信したからだ。」


 「深く反応って....?」

 「少なくともただ平穏に過ごせる日々はそうそうない...かもな。」

 

 何いいいいいいいいいいいいいいいいいい!?


ーーーーーーーーーー


 「...以上です。」

 「うむ...さて、今更だが作戦会議だ。奴らはまだまだ城の中を彷徨いておる。下手に動けば数で不利、さぁどうするか...。」

 「この部屋のどこかに隠し扉とかないの?」

 「生憎こういった所には設置していない。あるのは一部の者の部屋に...くらいだな。」

 「ここから一番近いのは?」

 「...僕の部屋ですね。」

 「ロティアート、お前の部屋は下の階では?」

 「ええ下です。そう...[真下]です!![防音対衝結界:ステルスルーム!!]」


 青白い結界が広がる。


 「キジコ様!!ペネトレーザを使って下さい!!」

 「...!!ペネトレーザ!!」


 私はペネトレーザで床に穴を開ける。


  シュタッ

 「ようこそ僕の仕事部屋へ。書類で散らかってますがごゆっくり。」

 「茶化してる場合か、確かお前の倉庫も通路あったな?」

 「はい、急ぎましょう!」


 私達は急ぎまた地下水路へ逃げ込んだ。



ーーーーーーーーーー


 「こちらです、早く!!」

 「まさかこんなにも早く通路利用とはね...。」

 「フハハ、人生何が起きるかわからんもんよ!!」

 「笑ってる場合じゃないです帝王様ぁ!!」


 通路内をまたもや全力疾走。

 明日筋肉痛で済むかな...。



 「...しかしロティアートよ、道が少し違うのではないか?」

 「...!..」

 「?...どういうことだロティアート?」

 「いえ、最初入った所は包囲されている可能性があったので第2運搬通路に一度向かいます。」

 

 そう言ってロティアートは複雑なルートを通り始める。


 「こ..この先に本当にあるのぉ...!?」

 「...ええ、ゴールはすぐです...。」


 ?...ロティアートの様子...何か変だぞ?


 変...待て、そういやロティアートには妙に不審な点があるぞ?


 ([オオカミが森を駆けどこかに向かっている所]を目撃しまして)


 おかしい、あのオオカミは召喚獣。現れていたのはあの戦闘員の側からで森からは現れていない...!


 それとあの戦闘員、反射神経が良かったから不意打ちでも死の間際バリアがあってもおかしくなかった...。奴はバリアを破壊こそされアリアの必殺を食らっていたが魔力に余裕があった...。


 ...!


 「...さっき後ろから襲いかかってきた兵、最初目が光ってはいなかったよね。」

 「...。」

 「...?ただ見えていなかっただけなのでは?」

 「最初はそう思った。けど、洗脳兵の動きって違和感を感じるんだ。なんというか、人形のように動いてる。ただの歩行なら見分けづらいけど思いっきり走ったり戦ってる時の動きが妙に感じるんだ。」

 「...それがどうしたのですか?」

 「ロティアート、君が危ないと言って後ろに周った辺りに兵の動きがおかしくなった。」

 「!!」

 「...何を言っているのですか?犯人が遠隔で洗脳したかも...


 「悪魔之操人形デビルマリオネット、これをくらった者はスキル使用者の言いなりとなり、まるで人形のような動きとなり命令されない限り倒れることも死ぬ事も許されない禁呪。

 ....我ら王家の秘密文書に記録されていたあってはならない魔法の一つ。」

 「!!」

 「禁書庫の管理を一時期請け負っていた時があったな、他にもお前は防御スキルが長けているがそれ以上に、ゴーレムの操作が器用だったな。ゴーレムの複数操作に加え、囮として使うなど至難という言葉すら可愛いものぞ。」

 「...それがどうかしましたか?」


 「今起きている洗脳兵と以前お前が訓練で見せた魔身石像の動きが酷似しているのだ。仕草や行動パターンを揃えておけば同時操作も楽になり、他のスキルの使用にもある程度手が回せるだろう?」

 「ですからそれが一体....

 「お前は道中防御スキルをどれだけ使用した?」

 「!!!」


 そういや防御に長けているって割にはそう言ったスキル、ちょっとしか使ってないか?

 どういうことだ?

 




 「お前達に会う直前...ヴェアートからの通信で、全てを聞かせてもらった。


 ロティアート...いや、ティライターと呼ぶべきかな、反神獣派組織のボスよ!!」

 「!?」

 「な...!?ロティアート..そんなまさか!?」



 「......



 「あーあ。情報ってどこから漏れるかわからないもんですよね。ハァ...。」

 「....!!!」

 「皆んなこっそり始末するつもりだったけど、せっかくだし皆さんに会わせてあげますよ、[僕が尊敬する方]に!!」


 「スキル:暗夜睡眠スリープシャドウ!!!」


 「...!!しま....」

 


 目の前が暗くなった。

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