第3話 白銀の守護獣
前回のあらすじ
キジコ「食料&水ゲット!」
ライオン「誰だ貴様。」
キジコ「ふぁ?」
シャイニング・ヴァイス・レオ
凄まじい威圧をもって私の前に現れた白銀の獅子。
その大きな立髪は日光に照らされ輝くようにも見え、毛並みは野生とは思えないほど穢れなき純白。
神々しくて綺麗だからつい見惚れてしまった。
だが私のレーダーはヤツに全力で危険だと感じ、体はずっと毛を逆立てている。
いやそんな事考えてる場合じゃない、シャイニング・ヴァイ....あーもう長い、略してヴァイスはアイアンディアーの肉を見るなり私を凝視する。
私にも用があったのかな。
というか今日一日で何回ロックオンされるんだよ私。
やだ、そんなに見つめないで!視線が痛いわ!
....なんちゃって
「貴様...何者だ...?」
あ、ただの新参者でs....ふぁ!?
「その幼き肉体であの身のこなし、強さ、只者ではあるまい...。」
シャァベッタァァァァァァァァ!!
喋った!?念話だけども、ライオンが喋った!?
いや、考えてみれば魔物じゃん。がっつり。
私も神様がスキルくれた時、普通に念話で喋ってたじゃん。てか念話できたんだ、私。
とりあえず話してみる。
「わわわ..私はただの..猫のっ..魔物です..。」
わかりやすいくらいの震え声念話だ。だって怖いもん。
「ほう、念話が使えるか...。」
はい使えまーす。怖くて震えてるけどー。
「我が名はヴァルケオ。この森、レギスの守護獣が一角。」
おお!?結構カッコいい名前持ってるじゃんライオンさん。
それにこの森そんな名前があったのか。
「貴様の名はなんだ。」
「えーと...キジコ..です。」
「ふむ、やはり名を持っていたのか...。」
あれ、何かに引っかかった?
「ど...どういう事なんでしょう..?」
「己に名を持っている事を理解している者はそれなりに知性と自我を持っている証拠。それは時に、脅威となりうる事もあるという意味でもある。」
やっば、妙に警戒させたか。誤魔化さねば。
「わわワターシ...強くない、すごくナーイ、脅威じゃナーイ!」
「ならばこの魔物、アイアンディアーの状態は何だというのだ。」
ギクゥッ!!
しまった!アイアンディアー(の肉)に目を向けていたのはそれが理由か!?
じゃあ最初から目的は私じゃん!!
めちゃやばい!!
「少なくとも魔物の食い方ではない、何者かを少々確かめさせてもらおう、個体鑑定!」
うわ問答無用いきなり何か来た!?
その瞬間、ヴァルケオの目が一瞬光った。
てか個体鑑定ってなに?
まさか飲食鑑定の対魔物や人間用だというのか!?
まずい、色々一気にバレるじゃん!?
鑑定完了
種族名:アサシン・ターロン・キャット
個体名:キジコ
称号:転生者 知恵ある者 前世の知識
多趣味
種族スキル:周囲感知 隠密
ソニッククロー(1) パワークロー(1)
個体スキル:ディメンノート 念話
|ー魔物図鑑(2)
|ーステータス
|ー飲食鑑定(1)
|ー肉体理解
(ふむ...転生者..か。なるほど、道理であの幼き肉体の割には賢く、才能があるわけか。ククク..実に面白い、ここは一つ試してみるか。)
「この世界にて生まれ変わりし者よ!!」
ギクギクゥッ
悪い予感的中!やっぱバレた!!
「その新たな生にて、貴様は何を望む!」
そうきたか...こうなりゃやけくそ、言うこと言ってやるわあ!!
「私が望むのはただ一つ!下手な面倒ごとに巻き込まれず気ままに平穏溢れたスローライフをおくる事!!それだけじゃあああ!!」
思いっきり叫んだった。念話だけど。
「ククク、平穏....か。只者ではないと思ってはいたがかなりの変わり者でもあるんだな。」
「変わり者...?」
「この世界に来て間もないのだろう?ならば教えてやる。」
さっきとは別のやな予感
例えるなら、
遠ざかる
私の夢の
マイライフ キジの字
「今とある国同士が戦争中でな、この森レギスは今度のぶつかり合いの予定地なのだよ。」
....はい来ました。チュートリアルで大ピンチなんてもんじゃねぇ、なんのフラグ拾ったか知らないけど今言える事はただ一つ。
私に平穏は来ないのかああああああああああ!!!!
拝啓神様、魂から休めるスローライフは地平線の向こうなのでしょうか。
ヴァルケオ「このタイミングでこの世界にくるとはなんと付いてない小娘(´・ω・)」




