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猫に転生しても私は多趣味!  作者: 亜土しゅうや
邪獣動乱編
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第280話 青き闇のバラ②

 「おら来いよ、ウチを退職するなら....せめて1〜2年は働け!!!」

 『...。』


 足元から木の根が襲い掛かる、俺達は回避しそれぞれが離れてしまう。


 スアはそれを狙ったかのようにそれぞれ別々の攻撃を加える。


 「お前ら!」

 「大丈夫、この程度!」

 「どうって事はない。」


 蒼鈴が先に攻める、

 先端に刃がある鎖をスアに向かって伸ばす。


 『...ヴァインショット。』


 スアは同じような技で対抗し相殺した。

 マジか、鎖を防げる蔓ってなんなんだよ。


 「無双・大車輪!!!」

 『っ!!』


 スアは結界を張るも後ろに吹っ飛んだ。

 流石だ、小さな隙を狙ったのか。


 「君の動きはまだ私の知ってる君と同じ所がある。闘王闘技で戦ったんだ、簡単に倒せるとは思わないでよね。」

 『ヴェルツェール・ランス。』

 「無双・瞬速撃ハイソニック。」

 

 なるほど、闘王闘技で戦ったニコならスアの動きの癖がわかるのか!


 「煌々・火炎斬り!!!」

 『神力結界。』

 「呂色・影縛り。」


 スアは俺の攻撃を防ぐ、その隙に蒼鈴はスアを結界ごと縛る。単純だが嫌がらせ程度以上に効果はある。


 『っ、ヴェルツェール・ランス。』


 蒼鈴はわざと縛り強さを弱くしていた。

 スアは拘束をすぐに破ると同時に木の根で攻撃をする。


 だがそこに俺達はいない。


 「おおおおおお!!!」

 

 3人ともお前の上だ、抑えられる!!!



 『...邪波じゃは。』


ーーーーー


 気がつけば俺達は吹っ飛んでいた。さっきよりも高く、地面に背を向けていた。なるほどわかった、小手調べをしていたのは向こうも同じだったか。


 そういえばそうだ、俺達が思ってる以上に邪獣は狡猾だ。一昨日の戦いの情報と今のを照らし合わせ攻略しようとするのは当然だよな。


 「よいしょっと、こりゃ面倒になりそうだね。」


 足場としてバリアを張る。


 「ああ、今のは知らない技だな。」

 「加えて元がスアなら回復技も使える。最高火力クラスの私達が揃ったのはある意味幸運でしょう。」

 「っ、来るぞ!」


 下から無数のイバラが俺たちを狙いに伸びてきた、燃やそうにも斬ろうにもキリが無い!


 「っ!」


 腕と頬を掠った、思ってた以上に痛い。

 だがイバラはまだまだ襲いかかってくる。


 「朱斗!!!」

 「!?」

 『邪波。』


 さっきの技だ、俺は凄まじい衝撃波に吹っ飛ばされた。後ろのはイバラの網、避けるのに必死になった瞬間を狙われたか....!


 「だあああああ!!!」

 『!!』


 その瞬間スアの背後からニコ、

 ニコの大剣がスアを斬った。


 『高治療ハイヒール。』

 「もう一っっっ発!!!!」

 『!?』


 ニコの二回転大車輪、スアを地面に叩きつけた!

 一方俺は間一髪蒼鈴の鎖に助けられた。


 「どうだ、助けられる見込みはあるか?今は闘王闘技と違って殺す行為に容赦は一切無い。」

 「助けてやるさ、新人をサポートするのも上司の役目だ。」

 「だったらまずはコテンパンにするよ、こんな事で勝てたら苦労はない。」


 俺達は地面に降りる、

 スアは起き上がり魔力を収束する。

 髪が少し乱れ怒りの雰囲気が伝わってくる。


 『っ!!』

 

 周囲に大量の木の根の槍、恐らく避けるのは難しい。一気に高火力をぶつける気だ。


 『ヴェルツェール・ラッシュ。』

 「蒼鈴!!」

 「呂色・影蛇カガチ闇隠。」


 蒼鈴の鎖が黒い大きな蛇へ姿を変えた。

 

 「ひとまずこの蛇で根っこ槍は防ぎます。壊れちゃう前に緊急作戦会議としましょう。」

 

 戦ってわかった、実力的には俺達の方がまだ勝っている。助ける事を考えずに攻めると言うなら100%勝てる。


 一応魔力自体はかなり増大しているが、スアの動きの癖がしっかり残っている。おそらく何かしらの洗脳と魔力の強化だけで済ませた駒といったところか。人質にしては少しお粗末なもんだ。


 だが向こうは神獣の力を解放させた俺達に傷をつける程度に強さがある。もう自動治癒したが傷を受けたのは事実だ、油断は出来ない。


 何よりスアは精霊。

 精霊は死ぬと遺体は残らない、肉体は魔力の粒子となって消え、魂はどこかへ消える。


 だから加減を間違えれば文字通りスアを消し飛ばす事になる。ある意味俺達にとって最も戦いづらい相手だろう。


 さぁそんな状況で無事に助ける方法はあるか。


 「助けるにあたって最も使えそうなのは魔力共有で向こうの心の世界に飛び込む事だね。でも向こうが拒否ってくれば無理だ。」

 「ならギリギリまで攻めてスアの意識を少しでも表面に浮かせるのがいい手だと思いますね。」


 お馴染み便利な魔力共有だ。

 だがそれを使うにあたっての難易度は高い、なら...


 「剣を使うのは止めておこう。アイツをいつでも拘束出来る体勢でいるぞ。」

 「了解。だが神獣の力は維持だ、何が起きるかわからない。」

 「ニコは拘束技は問題ないな?」

 「私の先生、元騎士団で暗殺者だよ?どんだけ叩き込まれたか。」

 「なら大丈夫だな。」

 

 作戦決定。

 黒い蛇がガラスの様に割れ、根の槍は俺達を狙う。


 だがそこに俺達はいない。


 「鎖術さじゅつ縛鎖之大蛇ばくさのおろち。」

 『っ!!』

 

 スアは舞うように避ける。


 「さーて勝負は終わりだな。」

 「ここからは...。」

 「部下と世界の命運をかけた...鬼ごっこだ。」

狼のお姉さん1人と猫のお兄さん2人に狙われる少女!

これは絵面的に...(殴

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